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女子大生生活様式 - 1巻

凄くリアルで「いてそう!」と言いたくなるJDたちのゆるやかキャンパスライフ。
それでいて可笑しさがあるのが彼女たちの最大の魅力。
特別じゃないのにその日々を覗いているとなぜだか面白い。
そんな彼女たちの大学入学直後からの姿を描くのがこの1巻。
学園モノは数多くありますが、その中でも大学生を描く作品はちょっと特殊。
半分大人で授業も特殊。
制服も着ていなければ保護者を必要とせず遠出もできる。
設定でも一人暮らしがごく自然に使えます(高校生で一人暮らしや子供だけ設定はどう考えても無理があると思うのですよ)。

彼女たちの性格も普通にいそうな感じ。
ことねの様なボケたがりは関西だと珍しくありませんし、こよの様なちょっとクール系だけど寂しがり屋もよくいます。
ねねの様にぬいぐるみ好き(度を超えてる気がしないでもないですが)な子だって普通にいます。
その自然な人物の自然な日常だからこそ、そこで描かれるネタが直接的に心に響き、面白いのです。
そのやり取りも「あるある」というのがよく出てきます。
P48のさんざん容姿を褒めておいて最後に「くそが」。コントのようなこのやり取り、自然だなぁ。
あたしが関西人だからでしょうか、ことねのボケはホントに実際に言いそうなものばかり。
その中でも特に好きなボケはP66。こよとねねがそれぞれぶたのぬいぐるみを持っていて「(クレーンゲームで)同時に採れたから兄弟だ」と言っているのに対抗して、ことねは持っていた豚肉を取り出して「三男」と。
それに対するねねの「悲しすぎるよ!!」というツッコミもまた素晴らしい。
いいなぁ、こういう関係。
それにしても、大学入学時に知り合って既にこの関係性。
ことね、出会った直後から相当フルで自分を出しているな(P107でも「最初から不真面目だった」と言われていますし)。

大学あるあるも興味深いところ。
P93の「D判定で落としたら来年頑張って取ろうと思うけど、E判定ならすっぱり諦める」。
これで「諦める」の方がことねなのが納得。
そして、「大学での後輩」も高校設定と違うところ。
高校ではありえませんからね、先輩と後輩が同じ授業を受けるって。
読んでいるとなんだか学生時代を思い出す。
そんな作品です。

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