1. トップ
  2. レビュー
  3. きらら
  4. 三者三葉
  5. 1〜2巻感想

三者三葉 - 1〜2巻

今や4コマ界になくてはならない偉大な存在。
荒井チェリー先生の処女作にして今もなお連載が続き、きららが増刊号時代から続く唯一の連載作にして最古参。
つまりは、先生の歴史にしてきららの歴史にして萌え4コマの歴史そのものであるのがこの作品だぁ!
まあ、過剰に叫んではみましたが・・・過剰でもないなぁとも思ったり。
実際全ての萌え4コマはここから始まったと言ってもいいくらいの歴史であり、今なお連載が続いているという驚異。
何よりも「やむを得なかった2カ月間」を除けば一切休載が無い!
初の掲載が2003年2月号。そして2003年4月号から毎月連載。
初の休載は2011年6月号。
わぁ・・・8年以上休むことなくきららに掲載され続けていたのかぁ。
その後の連載再開後も休みなく走り続けています!
そして、1巻から現在まで驚きの安定感のネタの品質。
なんかもう、ホント凄い所を挙げるとキリがないですね。そろそろ本編の話に・・・

内容的にこの時期から既に安定感抜群。
実は現在に至るまで基本の3人に関しては大きな変化も追加も無し。
キャラクターこそ増加していますが、既に世界が完成されています。
双葉に照に葉子様。そして照の姉・光に山路。竹園家の坊ちゃんに双葉の従姉妹の桜。
1巻の時点で基本となるキャラクターもある程度で揃っていますし、その関係性もしっかりと構築。
3人の関係性も、お互いの呼び方を途中で決定して以降は皆さんご存知の3人!
連載とは各話の連続ですが、この作品は本当に10年以上の連載がこの1巻の延長線上なのです。
双葉の大食いネタ・照のオープンに黒いネタ・葉子様の“元”お嬢様ネタ・山路の神出鬼没スーパーフリーターネタ。
全てがこの1巻で揃っております。
ここから先はそれを軸としながら新たなキャラの魅力や、彼女達の化学反応が展開されます。
その関係性を深めたり変化させたりです。
中でも照と桜の師弟関係(?)という最凶コンビ誕生。
そして、西山&近藤のクラスメイトコンビもこの時点で登場!とはいえモブキャラとしての登場です。
まだキャラが固まっていなくて、最近の姿とは全く別物に近い形。
特に近藤は話が進むにつれてキャラが固まっていったんだろうなぁ・・・という感じです。
多分、2人とも2回目以降の登場は考えていなかったんじゃないでしょうか?
数度出番はありますがモブ的扱いですので、まさかこの後に準レギュラーになるとはだれも想像しなかったでしょう。
キャラといえば桜と優君はこの頃はまだ出番が多かったです。キャラ全体が多くない時期ですしね。
2巻P78はこの作品を象徴しているかのようなページ。
ええ、皆さん各自好き勝手やっている。そういう事です。
同じ意味で言えば2巻P109とかも好き放題。「・・・何なんだ この集まりは・・・」

葉山姉絶好調!健康にこだわり始めたため、現在のキャラクターをこの2巻で完全に確立しました。
被害者順調に拡大中!
間違いなく本作最強キャラ。
個人的にもこの手の無自覚最強にして最凶の天然トラブルメーカー(悪意ゼロ)は大好物♪
これからもどんどん被害者を拡大して頂きたい。

「全てのベースはこの1巻で出揃っている」ではありますが、それは先生の他の作品にも通じます。
先生の作品は世界感を共通し、時にはキャラクターも共通。
この作品で登場したキャラの別の側面が別の作品で描かれる・・・なんて事も。
詳しくはそういったキャラが登場した際に語る予定ですが、それら他の作品の世界感も含めてこの時点で出来上がっていると言っても過言ではないのです。

画風としてはこの頃はまだ固まっていない感があります。
最初の方の画風が違うのは当然ですが、この巻の中頃〜終盤を最近の画風と比べても頭身が低めで丸っこい感じ。
コロコロとした可愛らしさを強調したような画風が特徴です。
頭身も低めの絵の方が多いです。
萌え4コマ全体の流れとしても当時は頭身の低い作品が主流。最近は頭身の高い作品が多くなってきています。
超長期連載作品という事で、そういった業界の流れそのものを体現しているような面もありますね。
一番変化したのは山路かな?最近はさらにシャープさがかかって来たような印象です。

戻る