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作品ID:3
こちらの作品は、「感想希望」で、ジャンルは「一般小説」です。
文字数約1663文字 読了時間約1分 原稿用紙約3枚
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殺し屋
作品紹介
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ある日、僕の家にめずらしいお客さんが来た。
「殺し屋です」
「あっ、間に合っています」
「いえ、お宅のお父さんに用事がありまして」
「それは、失礼しました。てっきりなにかの訪問販売かと思いまして」
「……お父さんは、ご在宅ですか?」
「出かけてますが煙草を買いに行っただけなので、すぐに帰ってくると思いますよ」
「それじゃ、ここで待たしてもらいますよ」
「いえいえ、あがってお茶でも飲んでってください」
殺し屋さんが客間でお茶をすすっている。
「おかしいなぁ、すぐに帰るといってたんですけれど」
「ふん、あいつらしいですよ」
「父とは、親しいですか?」
「ええ、幼馴染です」
「そうなんですか? で、ご用は?」
「お父さんに復讐にきました」
「父に復習? ですか?」
「ええ、まぁ」
「なんのお勉強の?」
「その復習ではないのです」
「え?」
僕は、はじめて殺し屋の意味に気づいた。
「殺し屋さんて、まさか!?」
僕は体が震えだした。
殺し屋さんは、そんな僕を見てこういった。
「君には手出ししないから」
僕は、ほっとしながらも
「どうして父を……」 と尋ねた。
殺し屋さんは、憎しみもあらたに体を震わし重い口を開いた。
「……あれは幼稚園のころ、二人でメンコしていたんだ……
私は強かった……WBCの世界王者なみに強かった……
しかし、君のお父さんときたら……ずっこかった……
メンコを2枚がさねにして、こともあろうに、わたしの、
わたしのメンコを……ことごとく、全部とってしまったんだよ……
わかるか? メンコのあぞび方……地面においてある相手のめんこを
ひっくりかえせば、そのメンコは自分のものになる……
そんなルールさぁ……私の大事にしていたメンコをすべてだ!
すべて、ねこそぎ持って行きやがった……その中には……
その中には……大事にしていた、鉄腕アトムのメンコや
黄金バットのメンコまであったんだぜ……」
殺し屋さんは、何気にピストルを机の上に置くと
次にポケットから真新しいドラゴンボールのメンコを取り出した。
「私はね……その時思ったんだ……復讐してやる……絶対にゆるさねぇ
この手でこの手で、奴の息の根をとめてやるとね……」
僕は恐ろしさのあまり、ちびりそうになっていた。
しかし、冷静に考えると、どうして今なんだろうと思った。
「こ、殺し屋さん……どうして、どうして今なの?」
震えながら聞くと殺し屋さんは答えた。
「いい質問だ……殺しのライセンスは、ちょっとやそっとじゃ、とれねぇんだよ……」
「しゅ、修行してたんだね」
「そうだ……」
突然、閉まっていた襖が開いた。
お父さんだ。
お父さんの右手には、あの2枚がさねのメンコが握られていた。
「おい! 山田! ひさしぶりだなぁ!」
お父さんは殺し屋さんにそういうとニヤリと笑った。
殺し屋さんは、思わず持っていたメンコを投げつけてピストルに手を伸ばした。
お父さんは、落ちたメンコを見て素早く右手を振るった。
バシィーン!!
鋭い空気を切り裂くような派手な音がして
ドラゴンボールのメンコがひっくり返った。
ピストルに手を伸ばしていた殺し屋は、思わず動きを止めていた……。
お父さんが勝ちほこった様に高らかに笑った。
その笑い声は、遠くイスタンブールまで轟きわたった。
殺し屋さんは、がっくりと肩を落とした。
「私は……私は……学ぶべきものを……間違っていた……」
つぶやくようにそういうと殺し屋さんは、うなだれて帰って行った。
お父さんの名残惜しそうな声を背に……。
「えっ、もう帰っちゃうの? え? もうメンコないのかよぅ」
お父さんは、幸せものだ……。
おしまい
「殺し屋です」
「あっ、間に合っています」
「いえ、お宅のお父さんに用事がありまして」
「それは、失礼しました。てっきりなにかの訪問販売かと思いまして」
「……お父さんは、ご在宅ですか?」
「出かけてますが煙草を買いに行っただけなので、すぐに帰ってくると思いますよ」
「それじゃ、ここで待たしてもらいますよ」
「いえいえ、あがってお茶でも飲んでってください」
殺し屋さんが客間でお茶をすすっている。
「おかしいなぁ、すぐに帰るといってたんですけれど」
「ふん、あいつらしいですよ」
「父とは、親しいですか?」
「ええ、幼馴染です」
「そうなんですか? で、ご用は?」
「お父さんに復讐にきました」
「父に復習? ですか?」
「ええ、まぁ」
「なんのお勉強の?」
「その復習ではないのです」
「え?」
僕は、はじめて殺し屋の意味に気づいた。
「殺し屋さんて、まさか!?」
僕は体が震えだした。
殺し屋さんは、そんな僕を見てこういった。
「君には手出ししないから」
僕は、ほっとしながらも
「どうして父を……」 と尋ねた。
殺し屋さんは、憎しみもあらたに体を震わし重い口を開いた。
「……あれは幼稚園のころ、二人でメンコしていたんだ……
私は強かった……WBCの世界王者なみに強かった……
しかし、君のお父さんときたら……ずっこかった……
メンコを2枚がさねにして、こともあろうに、わたしの、
わたしのメンコを……ことごとく、全部とってしまったんだよ……
わかるか? メンコのあぞび方……地面においてある相手のめんこを
ひっくりかえせば、そのメンコは自分のものになる……
そんなルールさぁ……私の大事にしていたメンコをすべてだ!
すべて、ねこそぎ持って行きやがった……その中には……
その中には……大事にしていた、鉄腕アトムのメンコや
黄金バットのメンコまであったんだぜ……」
殺し屋さんは、何気にピストルを机の上に置くと
次にポケットから真新しいドラゴンボールのメンコを取り出した。
「私はね……その時思ったんだ……復讐してやる……絶対にゆるさねぇ
この手でこの手で、奴の息の根をとめてやるとね……」
僕は恐ろしさのあまり、ちびりそうになっていた。
しかし、冷静に考えると、どうして今なんだろうと思った。
「こ、殺し屋さん……どうして、どうして今なの?」
震えながら聞くと殺し屋さんは答えた。
「いい質問だ……殺しのライセンスは、ちょっとやそっとじゃ、とれねぇんだよ……」
「しゅ、修行してたんだね」
「そうだ……」
突然、閉まっていた襖が開いた。
お父さんだ。
お父さんの右手には、あの2枚がさねのメンコが握られていた。
「おい! 山田! ひさしぶりだなぁ!」
お父さんは殺し屋さんにそういうとニヤリと笑った。
殺し屋さんは、思わず持っていたメンコを投げつけてピストルに手を伸ばした。
お父さんは、落ちたメンコを見て素早く右手を振るった。
バシィーン!!
鋭い空気を切り裂くような派手な音がして
ドラゴンボールのメンコがひっくり返った。
ピストルに手を伸ばしていた殺し屋は、思わず動きを止めていた……。
お父さんが勝ちほこった様に高らかに笑った。
その笑い声は、遠くイスタンブールまで轟きわたった。
殺し屋さんは、がっくりと肩を落とした。
「私は……私は……学ぶべきものを……間違っていた……」
つぶやくようにそういうと殺し屋さんは、うなだれて帰って行った。
お父さんの名残惜しそうな声を背に……。
「えっ、もう帰っちゃうの? え? もうメンコないのかよぅ」
お父さんは、幸せものだ……。
おしまい
後書き
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