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作品ID:635
こちらの作品は、「お気軽感想希望」で、ジャンルは「一般小説」です。
文字数約1734文字 読了時間約1分 原稿用紙約3枚
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3体の神々
作品紹介
私たち神様にも、出来ないことはあるんだよ。
昔々、あるところに3体の神がいました。名前はそれぞれ、デウス、エクス、マキナといいました。3体はいつも一緒にいて、天界で他の神に些細なイタズラをしかけては叱られる、そんな日々を送っていました。
ある日、3体は、主神であるゼウスにちょっかいをしかけることにしました。他の神々からその恐ろしさを聞いていたマキナは躊躇いましたが、二体との仲を優先し決行することにしました。
3体は、ゼウスが大事にしているプリンをこっそり食べました。このプリンは天界一美味しいプリンで、ゼウスの大好物でした。そして、『ご馳走さまでした』と書いた手紙と共に、空になった容器を置いておきました。
翌日、ゼウスは、空になったプリンの容器に気がつきました。そして、置いてあった手紙を読みました。ゼウスは、顔を真っ赤にして怒り、他の神々に訊いてまわりました。その様子を見て、3体はくすくす笑っていました。
しかし、3体の表情はすぐに真顔になりました。ゼウスの怒りを恐れたある神が、3体の名前を口にしたのです。
さあ大変です。3体はゼウスの雷を恐れ、急いで各々の自分の家に帰りました。
ゼウスが、横並びになっている3体の家の前にやって来ました。3体は神様にお祈りしますが、彼らの願いはゼウスの耳に届くばかりで、叶えられそうにありません。
ゼウスはまず、デウスの家の前に立ちました。そして、右手に持った杖で雷を呼び出しました。
ズガガーン! ゼウスの雷は、まっすぐデウスの家に落ちました。
しかし、デウスの家には避雷針が『たまたま』取り付けてあり、ゼウスの雷を地面へ受け流しました。
ゼウスは、デウスの家を後回しにして、隣接しているエクスの家をターゲットにしました。エクスの家に避雷針がないことを確認すると、杖で雷を呼び寄せ、エクスの家に落としました。
ズガガーン! ゼウスの雷はエクスの家に直撃しましたが、焦げている様子ではありません。なんと、エクスの家は『偶然にも』絶縁体で作られた家だったのです!
全知であるゼウスは、家の壁を触ってそれを感じとりました。そして、エクスの家も後回しにすることにしました。
ゼウスは、隣のマキナの家の方を向きました。マキナの家には避雷針はなく、材質も絶縁体ではありません。今度こそ、天罰が下ってしまいます。
ゼウスは今までの数倍の電力を呼び寄せました。そして、マキナの家に叩きつけるように落としました。
しかし、マキナの家は焦げませんでした。むしろ、雷を浴びたあとのほうが、室内から漏れる明かりが強くなっています。
ゼウスは、マキナの家が自分の雷を、『奇跡のように』電力に変えてしまったのだと悟りました。これでは、マキナに罰を与えることができません。
ゼウスは、3体の『運』が自分の力を上回っていることを知り、3体に天罰を下すのを諦めました。ゼウスは、背中に哀愁を漂わせながら、自分の家へと帰っていきました。
その様子を見た3体は深く反省し、心を入れ替えてイタズラから足を洗いました。3体は、今までいたずらをおこなった全ての神々に誠心誠意謝罪をして、自分たちの行いを正しました。めでたしめでたし……
――なんてことはありませんでした。3体は、表向きは反省していましたが、実はいたずらを実行するチャンスを伺っていたのです。マキナも、ゼウスへのいたずらで吹っ切れてしまったらしく、躊躇することはなくなっていました。
3体は、ある日を境に、またいたずらをするようになりました。しかし、『運』を味方に付けている3体に、周りは手の施しようがありません。呆れつつも、黙認をするようになりました。
やがて、3体は人間が住む下界にも、ちょっかいを出すようになりました。人知を超えるようないたずらをしては、人間の取り乱すさまを見て笑っていました。
当初、人間は3体が起こした『奇跡』を恐れていましたが、いつしか3体の存在に気づき、『機械仕掛けの神』と呼び、崇めるようになりました。そうして、いつまでも畏怖畏敬の念を持って言い伝えられました。めでたしめでたし……
ある日、3体は、主神であるゼウスにちょっかいをしかけることにしました。他の神々からその恐ろしさを聞いていたマキナは躊躇いましたが、二体との仲を優先し決行することにしました。
3体は、ゼウスが大事にしているプリンをこっそり食べました。このプリンは天界一美味しいプリンで、ゼウスの大好物でした。そして、『ご馳走さまでした』と書いた手紙と共に、空になった容器を置いておきました。
翌日、ゼウスは、空になったプリンの容器に気がつきました。そして、置いてあった手紙を読みました。ゼウスは、顔を真っ赤にして怒り、他の神々に訊いてまわりました。その様子を見て、3体はくすくす笑っていました。
しかし、3体の表情はすぐに真顔になりました。ゼウスの怒りを恐れたある神が、3体の名前を口にしたのです。
さあ大変です。3体はゼウスの雷を恐れ、急いで各々の自分の家に帰りました。
ゼウスが、横並びになっている3体の家の前にやって来ました。3体は神様にお祈りしますが、彼らの願いはゼウスの耳に届くばかりで、叶えられそうにありません。
ゼウスはまず、デウスの家の前に立ちました。そして、右手に持った杖で雷を呼び出しました。
ズガガーン! ゼウスの雷は、まっすぐデウスの家に落ちました。
しかし、デウスの家には避雷針が『たまたま』取り付けてあり、ゼウスの雷を地面へ受け流しました。
ゼウスは、デウスの家を後回しにして、隣接しているエクスの家をターゲットにしました。エクスの家に避雷針がないことを確認すると、杖で雷を呼び寄せ、エクスの家に落としました。
ズガガーン! ゼウスの雷はエクスの家に直撃しましたが、焦げている様子ではありません。なんと、エクスの家は『偶然にも』絶縁体で作られた家だったのです!
全知であるゼウスは、家の壁を触ってそれを感じとりました。そして、エクスの家も後回しにすることにしました。
ゼウスは、隣のマキナの家の方を向きました。マキナの家には避雷針はなく、材質も絶縁体ではありません。今度こそ、天罰が下ってしまいます。
ゼウスは今までの数倍の電力を呼び寄せました。そして、マキナの家に叩きつけるように落としました。
しかし、マキナの家は焦げませんでした。むしろ、雷を浴びたあとのほうが、室内から漏れる明かりが強くなっています。
ゼウスは、マキナの家が自分の雷を、『奇跡のように』電力に変えてしまったのだと悟りました。これでは、マキナに罰を与えることができません。
ゼウスは、3体の『運』が自分の力を上回っていることを知り、3体に天罰を下すのを諦めました。ゼウスは、背中に哀愁を漂わせながら、自分の家へと帰っていきました。
その様子を見た3体は深く反省し、心を入れ替えてイタズラから足を洗いました。3体は、今までいたずらをおこなった全ての神々に誠心誠意謝罪をして、自分たちの行いを正しました。めでたしめでたし……
――なんてことはありませんでした。3体は、表向きは反省していましたが、実はいたずらを実行するチャンスを伺っていたのです。マキナも、ゼウスへのいたずらで吹っ切れてしまったらしく、躊躇することはなくなっていました。
3体は、ある日を境に、またいたずらをするようになりました。しかし、『運』を味方に付けている3体に、周りは手の施しようがありません。呆れつつも、黙認をするようになりました。
やがて、3体は人間が住む下界にも、ちょっかいを出すようになりました。人知を超えるようないたずらをしては、人間の取り乱すさまを見て笑っていました。
当初、人間は3体が起こした『奇跡』を恐れていましたが、いつしか3体の存在に気づき、『機械仕掛けの神』と呼び、崇めるようになりました。そうして、いつまでも畏怖畏敬の念を持って言い伝えられました。めでたしめでたし……
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