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作品ID:655
こちらの作品は、「お気軽感想希望」で、ジャンルは「ライトノベル」です。
文字数約939文字 読了時間約1分 原稿用紙約2枚
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小説の属性:ライトノベル / 未選択 / お気軽感想希望 / 初投稿・初心者 / 年齢制限なし /
目覚めのコーヒー
作品紹介
コーヒーにトラウマを抱える男の、不思議な物語。
後輩に押し負けて、久しぶりにカフェに来た。
混んでいる店内で、どうにか二人分の席を確保する。注文をしてしばらく待っていると、制服の後輩が不機嫌そうにカップを持ってきた。
「お待たせしました」
「おう、ありがとう」
置かれたカップを手に取り、中に入っているカフェインレスの紅茶を口に運ぶ。
後輩は対面に座り、自分で頼んだコーヒーで手を温め始めた。
「先輩、まだコーヒー飲めないんですか?」
「こっちの勝手だろ。俺がコーヒーを飲まない理由も知ってるくせに」
恋人から別れ話を切り出された時に飲んだコーヒーを思い出してしまう。ひどいときには、コーヒーの匂いすら拒絶していた時期もあったので、ましにはなっているが、口に運ぶのはどうしても気が引けてしまう。
俺にとって、カフェインは眠れない以上に特別な作用がある。
「もう半年ですよ? いい加減に諦めましょう」
「あんなに好きだったのに、そんな簡単に諦められるか」
差し出された後輩のコーヒーから目を逸らす。
「それでも、コーヒーに罪はないでしょう?」
「コーヒーを飲むと、眠れなかったあの日の夜を思い出すんだよ」
月を見上げながら、これが夢なら良いのに、と何度考えたものか。一目惚れした彼女と過ごした、幸せだったはずの時間が俺を苦しめる。
「眠れないなら、私と一晩中お話なんていかがですか?」
「何でそんなコーヒーにこだわるんだよ! お前には関係ないだろ!」
「自分の好きなものを目の前で食わず嫌いされて、気分が良い人はいないでしょう!」
「分かったよ! 飲めばいいんだろ? よこせ!」
後輩のコーヒーのカップを取り、一気に飲み干した。
後輩の表情が、怒りから恍惚としたものに変わった。
「……先輩、知ってました?」
「な、何だよ」
「夢の中で眠れなくなると、『本当に』起きれなくなるんですよ」
「は? ……お前、まさか」
「ふふ、私も一目惚れだったんです」
「私『も』?」
いつの間にか、カフェには俺と後輩以外の人間が姿を消していた。
「時間はたっぷりあります。先輩の目が覚めるまで、一緒にお話ししましょう」
混んでいる店内で、どうにか二人分の席を確保する。注文をしてしばらく待っていると、制服の後輩が不機嫌そうにカップを持ってきた。
「お待たせしました」
「おう、ありがとう」
置かれたカップを手に取り、中に入っているカフェインレスの紅茶を口に運ぶ。
後輩は対面に座り、自分で頼んだコーヒーで手を温め始めた。
「先輩、まだコーヒー飲めないんですか?」
「こっちの勝手だろ。俺がコーヒーを飲まない理由も知ってるくせに」
恋人から別れ話を切り出された時に飲んだコーヒーを思い出してしまう。ひどいときには、コーヒーの匂いすら拒絶していた時期もあったので、ましにはなっているが、口に運ぶのはどうしても気が引けてしまう。
俺にとって、カフェインは眠れない以上に特別な作用がある。
「もう半年ですよ? いい加減に諦めましょう」
「あんなに好きだったのに、そんな簡単に諦められるか」
差し出された後輩のコーヒーから目を逸らす。
「それでも、コーヒーに罪はないでしょう?」
「コーヒーを飲むと、眠れなかったあの日の夜を思い出すんだよ」
月を見上げながら、これが夢なら良いのに、と何度考えたものか。一目惚れした彼女と過ごした、幸せだったはずの時間が俺を苦しめる。
「眠れないなら、私と一晩中お話なんていかがですか?」
「何でそんなコーヒーにこだわるんだよ! お前には関係ないだろ!」
「自分の好きなものを目の前で食わず嫌いされて、気分が良い人はいないでしょう!」
「分かったよ! 飲めばいいんだろ? よこせ!」
後輩のコーヒーのカップを取り、一気に飲み干した。
後輩の表情が、怒りから恍惚としたものに変わった。
「……先輩、知ってました?」
「な、何だよ」
「夢の中で眠れなくなると、『本当に』起きれなくなるんですよ」
「は? ……お前、まさか」
「ふふ、私も一目惚れだったんです」
「私『も』?」
いつの間にか、カフェには俺と後輩以外の人間が姿を消していた。
「時間はたっぷりあります。先輩の目が覚めるまで、一緒にお話ししましょう」
後書き
Twitterに投稿したものです。
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