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作品ID:117
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僕の異世界ライフ

小説の属性:一般小説 / 未選択 / 感想希望 / 初級者 / 年齢制限なし / 連載中

前書き・紹介


薄切りは美味い

前の話 目次 次の話

 その場所は炎熱の熱さに立ち向かい、身を粉にして働いて鉄を自在に操り色々な物へ変えている現場だった。



??????そう、それは鍛冶屋!



 なんで、僕が鍛冶屋に居るかと言うと、人形芝居の小屋の窓口のおじさんに鍛冶屋を紹介してもらった。



 人形芝居の小屋の窓口のおじさんは、なんと人形芝居の小屋の経営者で名はザック・パーク、いつも人当たりが柔らかく笑顔の裏は何考えているのか分からない、ヒョロッと背の高い男です。



 先日、僕が考案したポップコーンの新商品ガーリック風味が人形芝居の小屋で大当たりして、大儲け出来たザックおじさんが、何かお礼をしたいと言うので、絵に描いた物が欲しいと言うと鍛冶屋を紹介されて、代金もザックおじさんが持ってくれる事になった。



??????気前が良いね。でも儲けたから当たり前?



 紹介されたのは街一番の腕を持つ鍛冶屋の親父で名をダグ・バーンズと言う、ちょっと怖い厳つい顔の男だった。見習い鍛治士を怒鳴り散らしているのだが、子供には優しく僕の絵に描いた物に興味を持ち熱心に説明を聞いてくれたのです。



??????正直、最初は近づくのも怖くて嫌だったよ。



 そして、今日はその絵に描いた物が完成したので取りに来ているところです。



??????さてダグの親父は何処に居る?



 灼熱地獄の中を見回して見ると居ましたダグの親父。何か鉄で作っているところ見たいです。



「ダグの親父ー!」



 僕は手を挙げて、大声が工場内に響き渡るくらいに叫んだ。



「おう、坊主良く来たな?例の物は出来ているぞ」



 ダグの親父は僕の髪をクッシャっと撫でたのです。



「ありがとう。何処にあるの?」



 僕はグチャグチャになった髪を直しながら聞いた。



「ちょっと待て、今取りに行かせる」



 そしてダグの親父は近くに居る鍛治士の男に例の物を取りに行かせたのです。



??????戻ってくるの、めちゃ早かったよ。うんうん。



「これで良いか?」



 ダグの親父は僕に例の物を渡しながら聞いて来た。



「たぶん平気だと思う。ダメだったら、また来ます」



 僕は例の物を使って試して見なければ分からないので、そう答えた。



「いつでも来い」



 ダグの親父はいつもの怖い顔を崩して笑っている。



「ありがとうございます」



 僕は例の物を確り持ち抱えながら家に帰った。







 次の日の良く晴れた昼、アルフが家に遊びに来た。いつものごとく、庭にある釜戸で料理?実験?をする事になったのです。



「これ、何だ?どうやって使うんだ?」



 アルフは僕を急かしながら聞きました。鍛冶屋で作った例の物を見てアルフは興味津々のようです。



??????良い反応ですね。



 鍛冶屋で作った例の物は二つある。



「これはこうやって使うんだよ?」



 僕はジャガイモを一つ袋から取り出すと例の物で皮を簡単に薄く削ぎ取り、あっと言う間にジャガイモの皮を剥いたのです。



「すげー、職人見たいだな」



 アルフは皮が剥き終わったジャガイモを手に取り見ている。



「ピーラーを使えば簡単だよ」



 僕はピーラーをアルフに渡した。アルフはピーラーを、目を凝らしながら見詰めている。



「こっちは、こうなるんだよ」



 僕はアルフから皮が剥き終わったジャガイモを奪い、それを使って薄く切った。もう一つの例の物とはスライサーの事です。スライサーを使ってジャガイモを1?の厚さに薄切りした物を大量に作った。



 アルフは最初、面食らった顔をしていたが大量にジャガイモの薄切りが出来てくると呆気顔になっていったのです。



「ユール、こんなにジャガイモ薄く切ってどうするんだ?使い道がないだろ」



 アルフは勿体無いと言う顔で僕をちょっと睨んだ。



??????ちゃんと美味しく食べるのでそんなに怒らないで……下さい。



「ちゃんと、美味しく食べれるから平気だよ」



 僕は、アルフの睨み顔に圧倒され萎縮しながら言った。



 この薄切りジャガイモで例の物を作りたいのです。



??????そう、あれ。



 まずは、鍋に水を入れてお湯を沸かし厚さ1?の薄切りジャガイモを茹でる。そして、薄切りジャガイモの水分をキレイなタオルでふきとり、鍋のお湯を捨てて鍋を火にかけて水分とばして油をいれる。油が高温になったらカラッと揚げて塩をまぶして出来上がりです。



??????そう、僕が作りたかったのはポテトチップス!



 アルフにカラッと揚げたてのポテトチップスを差し出すと、一枚手に取りパリッと音を響かせ食べた。



「これ、サクサクしていて美味しいな。何て言う食べ物だ」



 アルフの怒りも収まったので僕も一枚食べてから答えた。



「これ、ポテトチップスだよ。」



 さて、この後はリンゴとカボチャのチップスを作り二人でワイワイ言いながら食べた。





 空がオレンジ色になってきて夕方に近づいて来たので、片付けをしてアルフと別れ家に帰ったのです。



 その日の夕飯はもちろん食べられなくて母様に心配かけた。



??????すいません。お菓子は程々にしますので……。









 その次の日は朝早くからポテトチップスを作ると袋に入れて鍛冶屋のダグの親父に会いに行ったのです。



 鍛冶屋に行くとダグの親父は、灼熱地獄の中で大量に汗を流しながら仕事をしている。そんな工場の中、今日も僕はダグの親父を大声で叫んだ。



「ダグの親父ー!ユールでーす」



 ダグの親父は僕の方に視線を向けてニッカと笑顔になったのです。



??????なんで、叫ぶかと言うと鉄を打つ音とかの作業の音で煩いから僕は毎回叫ぶのでした。



「坊主、来たな。どうした?」



 ダグの親父は僕の居る方に近づいてきて聞た。



「これ、あげる」



 僕はポテトチップスの袋をダグに手渡したのです。



「なんだ、この薄いのは?」



 袋の中を覗きながらダグの親父は聞いて来た。



「こないだ、作って貰った器具で作った料理です」



 僕が説明すると、ダグの親父はポテトチップスを一枚食べたのです。



「美味いな、これ。あっ、あの器具売り出してもいいか?」



 ダグの親父はポテトチップスを食べながら聞いて来た。



「でも、ちょっと販売方法をこうやってして貰えませんか?」



 ダグの親父は目を丸くして僕を凝視している。



「わかったが、アレは無理だぞ」



 ダグの親父は首を思いっきり振っていたのです。



??????僕がやったのは実演販売!



 実演販売はお客さんに説明する時におこなうが「そこの美しいお姉さんちょっと見て、見て、見て、行ってくださいな」とかは無理だそうです。



 このピーラーとスライサーは中流家庭に大変高評でした。そして、スライサーだけは料理人にも高評ですがピーラーは「それは、皮むきが下手な素人が使うもんだ」と嫌厭されたのです。









 何か作りたい時はダグの親父に「俺に言え」と言われた。



 ピーラーとスライサーを二セット、タダで貰ったのです。



 僕とアルフは母親に、もちろんピーラーとスライサーをプレゼントして大変喜ばれたのは言うまでもない。



 母様にピーラーとスライサーをプレゼントすると早速使い始めた。



「あら私、職人さんみたいだわ。ユールありがとう」



 キッチンではピーラーを使いジャガイモなどの皮を剥いている母様の姿があったのです。



??????今日の夕飯は何になるのか楽しみ!









 数日後の太陽が輝いているさなか、人形芝居の小屋にアルフとやって来た。この人形芝居の小屋は小さな映画館くらいの大きさで売店もありクッキーやパン、ポップコーンなど売っている。



 今日はアルフと作ったチップスを食べながら人形芝居を観て楽しんだのですが、またしてもザックおじさんに見つかり残り少なくなっていたチップスを食べられてしまった。



 そして、作り方の説明をさせられたのです。ピーラーとスライサーは後でダグの親父に貰うと言っている。何でも俺が紹介してその代金を払ったもので商売するのだから、そのぐらい良いと思うんだと言っていた。





 そして、チップスはジャガイモにリンゴにカポチャの全てがザックおじさんの目に留まり、数日後に売り出された。



??????ザックおじさん、ちょっと儲けすぎ!

後書き


作者:みゅー
投稿日:2010/01/17 12:36
更新日:2010/01/17 12:36
『僕の異世界ライフ』の著作権は、すべて作者 みゅー様に属します。

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