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作品ID:121
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僕の異世界ライフ

小説の属性:一般小説 / 未選択 / 感想希望 / 初級者 / 年齢制限なし / 連載中

前書き・紹介


ポテトがローズ

前の話 目次

 数日後、僕は旦那様(アスター・スターチス公爵様)に話があるとお屋敷に呼ばれた。そう、シュークリームを作ったばかりに僕は忙しい日々を過ごす事になるとは、この時まだ知らなかったのだ。



「ユール、シュークリームで店を開いてみないか?」



 書斎で旦那様は僕に真剣な目を向けた。旦那様の話を良く聞いてみると今まで小さなレストランを趣味で経営していたのだが、ライバル店に従業員の大半を引き抜かれてしまったと言うのだ。残ったのは、やっと見習いからパティシエになったばかりの青年とホール係の女性2人だと言う。



??????どこの世界でも引き抜きってあるんだな……。



「この間のティータイムでシュークリームを食べた時に、これを販売してはどうかと思ったのだよ」



 旦那様は名案だと言わんばかりに僕を説得した。僕は勢いに押されて承諾したのです。お店を開くからにはシュークリームだけではなく色々なお菓子を売りたいことなどを話したら店は自由に運営して良いと旦那様が言った。そのかわりに従業員を引き抜いた店よりも有名な店を作ってくれと言われたのです。ライバル店に負けたのが余程悔しいらしいのだ。



??????僕にリベンジしろと言う事かな?









 翌日、学園から帰って来て直ぐに父様と元レストランだったお店に行く事になった。街の比較的人通りが多い場所にあり、可愛い紅い屋根のレンガ作りのお店でした。店の中に入ると父様にライバル店からの引き抜きを断ったパティシエとホール係の三人を紹介された。



「パティシエのニールとホール係のエリスとアビーだ」



 ニールは焦茶色の癖毛と同じ色の目が印象的な青年だった。ホール係の二人はエリスが綺麗系の背の高い女性でアビーは小柄な可愛い女性だと思った。



「ニールだ。よろしくな」



「エリスです。よろしく」



「アビーだよ。よろしくね」



 三人は笑顔で僕に挨拶をした。



「ユールです。よろしく」



??????仲良く慣れそうかな?



 ニールとは、その後話し合い新しく店がオープンする前にシュークリームの作り方をマスターして貰う事になった。



 日が暮れてから家に帰りその後、僕は部屋にこもり一人で店のこれからの計画を練っていた。









 次の日まず始めに店をお菓子のお持ち帰り販売とお茶が出来るスペースを確保の為に内装を改装する事にした。女性をターゲットにした可愛らしいお店を作る事に決めて手配をしたのです。そして、店の名前はもちろん、「メープル・パティスリー」にした。



 僕は新たなお菓子を何にするか悩んでいた。もちろん、シュークリームも売りますが、さすが流石にそれだけではダメだ。食材も手に入り易い物をと考えていたのだ。









 数日後、ニールにシュークリーム作りを覚えて貰う為に家に来て貰った。ニールは基礎教育学校を卒業した後に、マイスター制度でパティシエの見習いとなり今年19歳で見習いからパティシエに昇進したと言っていた。新しいお菓子の食材の話にもなり、その時にニールが言った言葉で新しいお菓子の食材は決まったのだ。



「何か安くて美味しいお菓子の食材ないかな?」



 僕は何気なくニールに聞いてみた。



「さつま芋なら俺の母親が露天商で売っているけど、お菓子にならないしな……」



 ニールはそう言って呟きました。



「ニール。そのさつま芋、僕が買う!」



 僕は咄嗟にちょっと大きめの声を出し言ったのです。



 僕は、ある考えがひらめいき、あれを作ろうと思ったのだ。さつま芋はもちろんニールの母親から売ってもらうのだ。その時に定期購入の事を話して、ちょっとだけ値切ろうと思う。ニールに相談すると、さつま芋でお菓子が作れるのかと聞かれたが、さつま芋の定期購入の件は諸手を上げて喜んだ。そして作るお菓子の事はまだ秘密にしてある。



 翌日、仕入れるさつま芋がお菓子に向いているか、確認してから定期購入の契約をした。これで食材の確保が出来る事になった。







 一ヶ月後、お店の改装も終わり可愛いアンティーク調の内装に仕上がった。そして、ニールにはシュークリームと例のお菓子作りの修行をして貰いシュークリームも例のお菓子も完璧に美味しく作れるようになったのだ。そして、例のお菓子とは、ボード形のスイートポテトです。もちろんシュークリームとボード形のスイートポテトには味も香りも良くする為にバニラ・ビーンズを使っている。



??????このスイートポテトは絶対に美味しいよ!



 これで、売れる事間違いないです。そして、晴天に恵まれた今日は開店日、店内は噂を聞きつけたお客様で溢れていた。シュークリームは濃厚で美味しいと大高評で完売した。だが、ボード形スイートポテトは完売には至らなかった。



??????なぜだーー!!!!



 そして今、ニールと僕は閉店後の店でスイートポテトの反省会をしている。



「やっぱり、さつま芋はお菓子と言う概念がないんだよ」



 ニールは渋い顔をして頭を掻いた。



「でも、スイートポテトは美味しいじゃないか……」



 僕は小さな声でつぶやいたのです。



「んー、でもさつま芋は安いってイメージあるし、スイートポテトもお菓子にしては見栄えが悪い。露天で売るなら良いけど店に入ってまで食べようとは思わないんじゃないか?お持ち帰り販売の方はけっこう売れたと思うぞ。」



 ニールは渋い顔で僕に諭すように言ったのだった。そして僕はニールの話したイメージと言う言葉にひらめいたのです。



「そうか!スイートポテトのイメージを変えれば良いんだよ」



 僕は勢い良く立ち上がり声を上げた。



「どうやって変えるんだ」



 ニールは僕に呆れたように問いかけた。



 僕がスイートポテトのイメージ向上計画を話すと、納得したようにニールは目を輝かせて頷いた。さて、この計画には鍛冶屋のダグの親父にある物を発注しなければならない。









 次の日、学園から帰って来て直ぐに鍛冶屋のダグの親父に会いに行く事にした。鍛冶屋に着くとダグの親父は汗を流しながら仕事をしていた。ダグの親父がこちらに気付いたようで汗を布で拭きながら僕に近づいて来た。



「今日はどうした?」



 ダグの親父は汗を流しながら笑顔で問いかけて来たのです。



「今日は仕事の依頼できました」



 神妙な顔で僕は言ってみた。



「そんな、あらたまった態度で言うな。で、どんなもん作れば良いんだ?」



 ダグの親父は渋い顔で聞いて来た。



「この絵に描いた物なんですけど……」



絵に描いた物を見せて説明するとダグの親父は興味のかきたてられる仕事だと言い依頼を引き受けてくれたのです。この描いた物は細工職人にも頼まなければ出来ないと言われた。そして、何度も試作品を作り形が美しくなるまで夜遅くまで作業は続いたと聞いた









 数日後、発注していた物が完成したので、さっそく店でニールにそれを使ってスイートポテトを作って貰った。それを使って作ったスイートポテトをエリスとアビーに見せると「食べるのが勿体無い」と言っていた。



??????結局、食べたけどね。



 僕がダグの親父に発注したのは、バラの形のスイートハートローズ型です。つまりこの型にスイートポテトを入れて形成し型から抜いて焼けば簡単にバラの形のスイートポテトが出来るのです。美しいバラのような一口サイズのスイートポテトなら絶対に売れるでしょう。







 僕は心を踊らせながら、次の日になるのを待った。



 次の日から、お持ち帰り用に販売するものは5個セットで木箱に入れて販売、お店でお召し上がり用は2個で生クリームを添えてみた。



 お客様の反応は大変良く、その日からスイートポテトは飛ぶように売れたのだ。ティータイムの、おともにはスイートポテトをと言われるくらいに人気です。



 

 店は大変繁盛してスイートポテトは「メープル・パティスリー」の名物お菓子になったのでした。

 

 もちろん頑張ったニールとエリス、アビーにたいして臨時ボーナスを支給したのです。





 有名店とは行かないが店の名前は街に知れ渡ったので旦那様も満足したようです。だが、授業員を引き抜いたライバル店がレストランを閉めてお菓子屋になり、また旦那様のライバル店になったのでした。

後書き


作者:みゅー
投稿日:2010/01/18 21:18
更新日:2010/01/18 21:18
『僕の異世界ライフ』の著作権は、すべて作者 みゅー様に属します。

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作品ID:121
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