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作品ID:1326
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ドライセン王国シリーズ:滔々と流れる大河のように(冒険者編)

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前書き・紹介


第二章「ゴスラー市」:第21話「盗賊の根城」

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第2章.第21話「盗賊の根城」



 オークロードを倒してから九日間。この間に東の森に一泊する討伐を三回行い、レベルも八に上がっている。



 高山(タカヤマ) 大河(タイガ) 年齢23 LV8

  STR599, VIT517, AGI566, DEX610, INT3501, MEN1388, CHA485, LUC475

  HP542, MP1388, AR1, SR1, DR1, SKL206, MAG64, PL26, EXP29729

  スキル:両手剣13、回避9、軽装鎧5、共通語5、隠密9、探知6、追跡6、

      罠5、体術3、乗馬1、植物知識8、水中行動4、

      上位古代語(上級ルーン)50

  魔法:治癒魔法6(治癒1、治癒2、解毒1)

     火属性8(ファイアボール、ファイアストーム、ファイアウォール)



 今朝もいつものようにギルドの掲示板で「今日はどんなクエストを受けようか」と思っていたら、キルヒナーギルド長が俺の前にやってきた。



「ああ、ここにいたか。お前さんに特別にクエストを依頼したいんだ。話を聞いてくれるか」と妙ににこやかに俺に話しかけてくる。

 俺はその態度に警戒し、「話だけなら、聞きますが」と答えた後、特別クエストという言葉に引っ掛かった。

「特別クエストはBランク以上の冒険者が対象と聞きましたが」と聞くと、

 ギルド長は慌てて、「いやいや、特別クエストではなく、お前さんに“特別”に受けてほしいと言うだけだ」と言ってきた。

 ややこしい言い方をするなと思いながら、ギルド長の後に着いて行く。



 ギルド長の部屋に着くと、「お前さんに受けてもらいたいのは、ある薬草の採取だ。それも期限が三日というものだ」といきなり本題に斬り込んできた。

 俺はただの採取クエストが“特別”ということに不思議に思い、「ある薬草ってなんですか」と尋ねると



「青鈴蘭草という薬草だ。球根が薬になる」と教えてくれ、「必要数は球根五個。報酬は金貨五枚だ」とかなり高額の報酬を提示してきた。

 俺は裏が必ずあると思い、「金貨五枚ですか? なぜそんなに高いんですか?」と尋ねた。

 普通、薬草の採取は高くても銀貨十枚が相場だ。それが相場の五十倍ということはややこしい事情があるかもしれない。



「実はご領主様のご母堂様が病に倒れられてな。その治療に青鈴蘭草が必要なのだが、在庫が三日分しかない。在庫がありそうなオステンシュタットは早馬でも往復六日は掛かる。そこで天才薬師と言われるお前さんに依頼しようと思ったわけだよ」



 なるほど、事情は判った。

 だが、これだけの話だ、他の冒険者にも依頼しているのだろう。金貨五枚に釣られて横取りされてはかなわない。

 他の冒険者にも声を変えているのか聞いてみると、



「いや、今回はお前さんだけだ」と予想外の返事が来た。



 絶対に手に入れたいなら、人海戦術が一番確実だ。俺は不思議に思い、理由を尋ねた。

 ギルド長は、



「青鈴蘭草は春先には花をつけてわかりやすい薬草なんだが、今の時期は花も落ち、ただの草のようになってしまっている。相当な目利きの薬師でないとほとんど見分けがつかないそうだ。だから、普通の冒険者を大量投入しても全く役に立たないのだよ」



 なるほど、百発百中の俺に白羽の矢が立ったようだが、ここは少しごねながら、情報を仕入れていくことにした。



「そんな薬草を俺に探せと。ちなみにどこの辺りに生えているんですか?」



 ギルド長は想定の範囲だったのだろう、特に嫌な顔もせず、「オステンシュタットへの街道から北の森に入ったところだ。歩きで五時間くらい行ったところに群生地がある」



 俺は北の森と聞き、真剣に考え始めた。

 北の森にはほとんど行ったことがないから土地勘がない。更に北の森には大型の魔物がいるという話を聞く。

 俺は断る口実を探し始めた。



「こんな難しいクエストをDランクの俺に回すのはどうかと思いますよ。それに失敗したら二割の違約金の金貨一枚を支払わなきゃいけないわ、ご領主様には睨まれるわで受けるメリットがないじゃないですか」



 ここまで言うと、キルヒナーギルド長は心底困った顔をして、「ここゴスラーにはお前さんしかできそうな奴がいないんだ。違約金の件は判った。失敗しても掛からないような契約にする。ご領主様にもお前の話はしない。これでどうだ?」



 俺は少し調子に乗り、「もう一声。報酬を金貨七枚に上げてもらえませんか」

 彼は「くそっ!」と一言言った後、「足元を見やがって。判った判った、七枚にしてやるからさっさと受けてくれ」と諦め顔で手を振る。

 俺は止めを刺すべく、「契約書の作成をお願いしますね」と言った後、



「それと青鈴蘭草の特徴がわかる資料もお願いします。じゃ受付のところで待っていますから、よろしくお願いします」と言って受付に戻る。

 受付で北の森の採取クエストをメモしていると、受付嬢が「契約書ができました」と連絡してきた。

 内容的に問題ないので、この採取クエストを受け、早速、北の森に向けて出発した。

 群生地があるところは、街道を四時間ほど北上し、峠になっているところから山に入って更に一時間くらい東に行ったところのようだ。

 いつもより少し遅い午前八時くらいに町を出たので、昼過ぎには群生地付近に到着できるだろう。



 オステンシュタットに向かう街道のゴスラー街道は、東部主要都市のオステンシュタットと南部を結ぶ主要街道なだけあり、人通りが多い。

 天気もよく、汗ばむ陽気の中、順調に街道を進み、山に入る目印の峠に来たところで昼食を取り、慎重に初めての山に入っていく。



 北の森は針葉樹と広葉樹が入り混じった森でかなり大きな木が多い。急な斜面や崖が多く、そこを下っていくため、非常に歩きにくい。

 幸い、懸念された赤熊などの大型の野獣や魔物には遭わず、情報にあった群生地に何とか一時間で到着できた。

 群生地は、深い谷になっている急斜面。情報では日陰になっているところに多く生えているとあったので、それらしいところを積極的に探していく。

 一時間ほど探してもなかなか見つからない。少し休憩して捜索範囲を広げてみると、思わぬものを見つけた。



 トリカブトだ。



 トリカブト:毒草。呼吸困難、心機能停止などを起こし死亡する。特に根に毒が多い。



 ざっと見て百株くらいある。

 トリカブトは、鏃に毒を塗って毒矢にできると聞いたことがある。と言うことは、血管から入っても効果があると言うことだろう。

 剣でも同じ効果が期待できるかもしれない。とりあえず、取れるだけ取っておこうと思い、手当たり次第に抜き始めた。

 三十分ほどですべて抜き終わると、すぐ目の前に青鈴蘭草が生えていた。青鈴蘭草はトリカブトの群生の中に生えていたのだった。

 俺は、「これは、素人では無理だ」と思い、俺に依頼したギルド長の慧眼に心の中で賛辞を送る。

 ただの雑草と見分けが付かない上、トリカブトと微妙に絡み合っている。

 トリカブトの根と混じらないように慎重に青鈴蘭草の球根を掘り、二十個採取した。

 気が付くと既に午後三時。

 街道に向けて出発するが、帰りは急斜面を登っていくため、足場が悪く、なかなか進めない。

 二時間半ほど掛けてようやく街道に戻るが、既に午後六時前。ゴスラーの街の中ならまだ明るい時間だが、山の中、それも峠を降りていくため、既に太陽は山に隠れ、徐々に暗くなり始めていた。

 今から街道を下って行っても一時間もしないうちに真っ暗になるだろう。暗闇の中を魔物に怯えながら街道を進むのはリスクが大きすぎる。早めに夜営場所を見つけなければいけない。

 一時間ほどゴスラー側に向かったところに夜営できる場所があったことを思い出した。

 今から行けば、何とか真っ暗になる前に夜営場所にたどり着けるかもしれないし、運がよければ他の人も夜営しているかもしれない。



 俺は暗くなりつつある街道を早足で進んでいく。

 三十分ほど経つと足元が見えなくなってきた。その辺りに落ちている木の枝に火を着け、簡単な松明として、街道を進んでいく。さすがにその日の明かりだけでは足元がおぼつかない。歩みを遅くし、更に三十分ほど進むと見覚えのある地形になり、少しホッとしていた。

 そして、もうすぐ到着、やれやれだと思ったとき、遠くから人の叫び声と金属が打ち合わされる音が聞こえてきた。



 明らかに戦闘の音がしている。

 この先で誰かが戦っているが、金属音がすると言うことは人間同士が戦っているのだろうか?

 念のため、松明を消し、微かに残った夕暮れの光と月明かりを頼りに街道を慎重に進んでいく。

 やはり夜営地のようで、徐々に人の声が大きくなってくる。俺は身を屈めながら慎重に近づいていく。

 その途中、剣戟の音が小さくなり、「た、助けてくれ!金や荷物は全部やる。命だけは……ギャァ!」という断末魔が響き渡った。

 その後には複数の男たちの野卑た笑い声だけが辺りに響き渡っていた。

 野太い男の声で「そろそろ引上げるぞ! 商人と護衛の持ち物も回収しておけ。帰ったら宴会だ!」

 その声に「「オー」」と複数の男たちのかなり盛り上がった歓声が聞こえてきた。

 近づいて鑑定してみると、どうやら盗賊のようだ。

 人数は十人。

 最も高レベルな盗賊はレベル三十五、その他の盗賊もほとんどがレベル二十五クラスだ。

 盗賊たちは商人の荷馬車と思われる馬車を、街道とは逆の山の上の方に向かって動かしていく。

 俺は盗賊が全員いなくなったのを確認し、商人が殺された場所に向かっていく。



 着火の魔法で小さな火を灯し、周りを確認すると、四十歳くらいと二十歳くらいの商人らしき男性二人と護衛らしき男性五人の死体が見つかった。

 衣服も含め、すべて剥ぎ取られている。



 俺はこの後どうすべきか考えていた。

 ここで一夜を明かして明日朝一番でゴスラーの守備隊に報告するか、このまま暗闇の中をゴスラーの町に向かって守備隊にすぐに報告すべきか、それとも盗賊たちの後を着け、根城を見つけるべきかの選択肢で悩んでいる。

 普通に考えれば、明日の朝一番に出発して報告するのだが、この血の臭いの立ち込めた場所に一晩いるのは魔物の襲撃のリスクがある。

 それならば、暗闇を歩いてゴスラーに向かうべきだろう。

 だが、盗賊たちは俺の存在に気付いていないし、この時間に街道を歩いているなんて想定もしていなかった。

 あれだけ大声で騒げば数百m先でも聞こえてしまうが、そんな気遣いはしていなかったのだ。



 つまり、奴らは油断している。

 それならば、奴らをつけて行き、根城を見つけてから報告した方が確実だ。

 幸い俺には鑑定がある。真っ暗闇でも視線が遮られなければ見失うことはない。



 俺は盗賊たちを着けていくことにした。

 彼らは煌々と松明を着け、相変わらず緊張感の欠片もなく、大声で話しながら荷馬車を進めていく。

 俺は松明を目印にしながら、山を慎重に登っていく。

 歩いているうちに、足元が道になっていることに気付く。それも獣道ではなく、廃れているが、元は確りとした道のようで、忘れられた旧街道のようだ。



 二時間ほどして、盗賊たち一行は山の頂上のような少し開けた場所に出た。どうやら彼らの根城に到着したようだ。下から見ているため、頂上がどうなっているかわからないが、頂上の入口付近に見張りが一人いる。

 今のところ見える範囲には誰もいない。



 俺は道から外れ、罠や警報装置がないか確認しながら、慎重に頂上に近づいていく。

 途中に警報装置らしきロープがあったが、それを慎重に回避する。

 一時間ほど掛けて、道から百mくらい離れた場所に辿り付き、そこから頂上に上がっていった。

 頂上は直径五十mくらいの広場になっており、砦か見張り台のような古い石造りの建物が建っている。

 どうやら、この建物が根城のようだ。



後書き


作者:狩坂 東風
投稿日:2012/12/14 17:15
更新日:2012/12/14 17:15
『ドライセン王国シリーズ:滔々と流れる大河のように(冒険者編)』の著作権は、すべて作者 狩坂 東風様に属します。

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