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作品ID:1329
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ドライセン王国シリーズ:滔々と流れる大河のように(冒険者編)

小説の属性:一般小説 / 未選択 / 感想希望 / 初級者 / 年齢制限なし / 完結

前書き・紹介


第三章「街道」:第1話「オステンシュッタットへ」

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第3章.第1話「オステンシュッタットへ」



 俺はアントンたち四人の見送りを背にゴスラー街道を北上していく。

 夜明けと共に出発する旅人は少ない。

 馬を早足(トロット)で走らせ、財宝を埋めたところを目指す。



 三十分後、目的の場所に到着した。

 目印を頼りに掘り返してみると、壷はあり、財宝も無事だった。すぐに財宝を皮袋に詰め替え、馬を街道に戻す。



(大丈夫だ。誰にも見られていない。)



 ゴスラーからオステンシュタットまではゴスラー街道を北上すること約百マイル=約百六十kmだそうだ。

 この世界の旅では、一日の移動距離は徒歩で十マイル、乗合馬車や馬で二十マイルくらいが標準で、ゴスラー街道には大体五マイル毎に村があるので、四つ目の村を目指すと大体二十マイルになる。



 急いでゴスラーを離れたいが、あまり目立ちたくないので普通に旅をすることにしている。キルヒナーギルド長が、ゴスラーからオステンシュタットへの郵便配達クエストを偽装してくれたので、それほど目立たないはずだ。

 早朝一番に出た理由も「馬に慣れていないので明るいうちに着くために早く出た」という言い訳を考えてある。



 ゴスラー街道をゆっくり北上していく。

 初めての長距離乗馬ですぐに尻が痛くなってきた。



 一時間に一回休憩を入れ、八時頃に一つ目の村に到着する。

 二時間半で約五マイル、時速三kmだ。山道とは言え、もう少しスピードを上げないと今日中に四つ目の村ロッテンブーフに到着できない。

 馬に飼葉と水を与えると、すぐに出発する。



 ベッカルト村からゴスラーに来たときには、行商人のフーゴという話し相手がいたが、一人旅では話す相手もいない。

 南部の主要街道とは言え、所々崩れていたり、倒木がはみ出してきたりしているため、馬の操作だけでもそれほど退屈はしないのだが、ソロでクエストをやっているときのような緊張感はなく、時間を持て余してしまう。



 二時間ほどで二つ目の村に到着したので、一時間ほど休憩することにし、マルティンの弁当を食べることにした。

 弁当は、ベーコンとスライスした腸詰を白パンに挟んだもので、野菜は酢漬けのキャベツが入っている。ケチャップとマスタードが欲しいところだが、充分においしい。

 これはドラゴン亭の名物になりそうだなと思い、今度行った時が楽しみになった。



 休憩を終えて、再び街道を北上する。

 ここまでは特にトラブルもなく、順調だ。

 さすがに大街道「シュトラーセ」ほど安全ではないが、ゴスラー街道は比較的安全な街道と言われている。昼間に魔物に会う可能性は低く、一人旅でも特に問題はないそうだ。



 今日宿泊予定のロッテンブーフ村に午後四時頃無事に到着する。宿を探すと、マイヤー村にあったような居酒屋兼宿屋が二軒あった。

 特に理由はないが、大きい方の一軒を今夜の宿に決める。一泊二食七S、馬は飼葉付で四S、世話は自分でする必要がある。

 馬を厩舎に連れて行き、馬の世話をするが、やり方はヒーゼルに基本的なことは教えてもらっているので問題はなかった。



 部屋はドラゴン亭より小さいが、一泊するには充分な広さだ。夕食まで少し時間があるので、ベッドの上で財宝の整理をすることにした。

 財宝は、白金貨百二十枚=千二百G、宝石が五十三個ある。鑑定で調べてみると、一個当たり百Gくらいのものが多く、大雑把に計算して五千G以上の価値がある。

 合計で六千G以上、報奨金などが五百五十Gあるから、七千G近い財産を持っていることになる。

 日本円で言えば七億円。ジャンボ宝くじ一等二回分だ。



 こんな大金をどうやって持っていようかと悩んでしまう。

 特に貨幣は五百枚以上あり、これだけで重さは十kg近い。食堂に持って行くのも変だし、現金は部屋においておくべきだろう。宝石だけ小さい巾着袋に小分けで入れておき、懐に入れておく。

 まさか普通の冒険者の部屋に二千G近い現金があるとは思わないだろう。精々日用品が置いてあるだけと考えるのではないか。過剰に警戒するより、自然体を心掛けた方が盗まれないものだと自分に言い聞かせる。



 防具は外し、剣だけ背負って食堂に行く。

 スローイングナイフもベルトごと装着していくが、練習をしたこともないので、完全に飾りだ。いつか暇を見つけて練習しようと思っている。



 夕食を食べるが、部屋のことが気になり、味はあまり覚えていない。食事の後は酒も飲まずに部屋に戻っていく。当然、部屋は荒らされる事もなく、現金も無事だが、やはりほっとする。



 二億円くらいの現金をホテルの部屋に置いて食事にいくという感覚には絶対慣れないだろうが、少なくともここ数日はこれを続けなければいけない。

 こんな状態があと四日も続くのかと思うと気が重い。



 移動中暇だったので、オステンシュタットに行ってからのことは考えていた。

 オステンシュタットは東部及び南部で最大の都市であると共に冒険者の多い町としても有名だ。当然、高ランクの冒険者も多いだろうから、ギルドで現金を預けてもそれほど目立たないと考えてもいいだろう。

 宝石もオステンシュタットで現金化して、今持っている現金と一緒に預けてしまえば、かなり安全になる。

 四日後、心配していた襲撃などの大きなトラブルもなく、天候による遅延もなく、無事にオステンシュタットに到着できた。





 大河がオステンシュタットに到着した頃、北の森の盗賊の根城では壮絶な戦闘が繰り広げられていた。

 大河の情報を元に守備隊が根城で頭目達の手掛かりを探すことになり、大河が出発した四日後に守備隊の副隊長以下十五名で根城に向かっていた。



 一方、頭目のグンドルフは、大河が根城を壊滅させた六日後に戻ってきた。

 このため、偶然にも守備隊と盗賊の残党が同じタイミングで根城に向かっていることになった。



 守備隊の方と言えば、根城には誰もいないと思っているため、緊張感もなく漫然と歩いている。

 一方、盗賊たちは根城の安全を確保するため、周りを警戒しながら進んでいる。

 根城の手前の山道で守備隊と盗賊が遭遇することになるが、警戒している盗賊側が先に相手を見つけた。



 盗賊たちは守備隊が根城に向かっていることを知り、上ってくる道沿いの大木の陰に隠れ、先制の奇襲攻撃を掛ける。



 守備隊も森の中や山の中の戦闘が苦手というわけではないが、手練の盗賊たちに先手を取られたことで、隊列中央の五名の隊員を最初の攻撃で失うことになる。

 まだ、十対九で数的には優位だが、盗賊たちは巧みに守備隊を分断し、各個撃破に入る。狭い道での戦闘と言うこともあり、浮き足立った守備隊は一人また一人と脱落していった。



 このままでは全滅すると悟った副隊長が隊列の最後尾に行き、決死の突撃を掛ける。

 盗賊たちも窮鼠とかした守備隊に正面からは対応せず、包囲網をやや緩めて、脱出口を開けてやる。守備隊は副隊長が開けた突破口から必死に逃げていった。



 グンドルフは追撃を命じ、後方から一人ずつ倒していく。副隊長が殿で決死の反撃を行い、何とか五名が生還できた。



 盗賊側も無傷とはいかず、若手の五名が死亡し、三名がケガを負っている。

 根城に戻った頭目グンドルフは、首がなく、魔物に食い荒らされた手下たちの死体に迎えられることになる。

 建物の中にあった財宝類は根こそぎ持ち去られ、馬や装備も奪われていた。



 根城の中を確認していると、酒の壺になにやら怪しげな薬草が入っていることも見つける。

 グンドルフはひとしきり怒り狂ったあと、ただ一人無傷の手下にゴスラーの町で誰がやったのか探ってくるよう命じた。

 二日後、二ヶ月前に突然現れた「タイガ」と呼ばれる魔法使いで薬師の若い男が副頭目達を毒で殺したことを知った。



 町の噂では、「タイガ」は既にオステンシュタットに向かっており、その後はプルゼニ王国に逃げるつもりだという複数の話も聞くことができた。



 大河に遅れること七日、グンドルフはオステンシュタットに向けて「タイガ」を追いかけていった。





後書き


作者:狩坂 東風
投稿日:2012/12/15 16:34
更新日:2012/12/15 16:34
『ドライセン王国シリーズ:滔々と流れる大河のように(冒険者編)』の著作権は、すべて作者 狩坂 東風様に属します。

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作品ID:1329
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