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作品ID:1449
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ドライセン王国シリーズ:滔々と流れる大河のように(冒険者編)

小説の属性:一般小説 / 未選択 / 感想希望 / 初級者 / 年齢制限なし / 完結

前書き・紹介


第五章「ドライセンブルク」:第21話「二人の部下」

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第5章.第21話「二人の部下」



 翌日、朝食前の早い時間、公爵邸の庭でアクセルとテオフィルスはいつも以上に真剣な表情をして、公爵の前に立っていた。

 俺は公爵の横に立ち、二人を見ている。



「フックスベルガー、フェーレンシルト。そなたらは副長代理の直属を希望したと聞く。そなたらも知っておるように副長代理は我が騎士団屈指の手錬(てだれ)だ。その足手纏いにならん覚悟があるのだな」



「「はいっ!」」



 二人は声を揃えて、返事をする。



 俺はこれから何をするのだろうと思いながらも、きっと俺との模擬戦も入れてくるのだろうと考えていた。



(問題は誰とやらされるかだろう。一番可能性のあるのは閣下。次はあの二人だが、一人ずつなら力不足だから二人一緒に相手をする可能性もある)



 俺がそんなことを考えていると



「これより、フックスベルガー、フェーレンシルトの二名は副長代理と手合わせを行ってもらう。タイガ、よいな」



 俺はやっぱりだと思ったが、おくびにも出さず「了解です」と静かに答えておく。



 二人は二対一というハンディキャップ戦ということで一対一を希望するが、「自らの腕が判らんようなら、試す価値はない」と公爵に一蹴される。



 二人は互いに顔を見合わせ、踏ん切りを付けたようだ。

 模擬剣を構え、俺に向かって「よろしくお願いします」と頭を下げてきた。



 アクセル・フックスベルガーはレベル二十三、両手剣二十五(連撃一)、片手剣二十三(狙撃一)、回避二十六(予測一)、重装鎧二十一(防御力向上一)で割りとバランスがいいバスタードソード使いだ。

 一方、テオフィルス・フェーレンシルトは、レベルはアクセルと同じ二十三。その巨体を生かした攻撃スタイルなのか、両手剣三十(強撃一、連撃一)、片手剣十八、回避二十二(見切り一)、重装鎧二十五(防御力向上一)とバスタードソードを使っているが、大型両手剣使いのようなスキル配分になっている。



(牽制(盾)役のアクセルと攻撃(アタッカー)役のテオフィルスか。連携がどの程度か判らないけど、さすがに瞬殺というわけには行かないなぁ)



 公爵の「始め!」の合図で模擬戦を開始。

 アクセルとテオフィルスは左右に綺麗に分かれて、ゆっくりと接近してくる。



(まずは二人のお手並み拝見と行きますか)



 俺は二人が同時に攻撃を掛けられない位置取りをしながら、回避に専念する。

 スキルの差が大きいため、一対一の状態をキープできれば、回避はさして困難ではない。

 アクセルの弱点を狙ってくる狙撃とテオフィルスの連撃を紙一重で回避しながら、相手の様子を窺う。

 二人は最初の数分間は表情を変えなかったものの、十数回の攻撃を尽く避けられ、次第に焦りの表情を見せ始める。

 先に焦れたのは、テオフィルス。

 アクセルの攻撃をかわした瞬間を狙い、大振りの一撃を打ち込んできた。



(アクセルの方が先に焦れると思ったのに意外だな)



 余裕がある俺はテオフィルスの一撃を半歩のステップでかわす。

 二m近い巨体から繰り出される上段からの斬撃は、俺の耳にブォーンという音を残した後、地面に突き刺さっている。

 俺はその隙を逃さず、振り下ろされ、無防備になった手首を狙い、軽く打ち込む。

 鋼のガントレットで防備されているとはいえ、鋼鉄の模擬剣が手首に当たるとテオフィルスは、「ウッ!」という呻き声を上げて剣を取り落としている。



 アクセルは、俺がテオフィルスに打ち込んだ隙を狙って左斜め横から突きを放ってくるが、俺は左に半身となるようして避け、そのまま逆袈裟の要領で大きく開いたアクセルの胴を切り上げる。

 ガーンというプレートメイルを叩く音の後に「ゲボッ!」というアクセルの吐き出す声が朝の静かな庭に響く。

 アクセルはそのまま剣を杖にして膝を着いている。



 公爵の「それまで!」の声で模擬戦は終了。

 立ち会っていた時間は十分にも満たない時間だが、アクセルとテオフィルスは汗だくになって喘いでいた。



 公爵は俺に向かって、



「正騎士に成り立ての若輩者とはいえ、こうもあっさり倒されると我が騎士団の錬度が低下したのかと心配になったぞ」



と、冗談とも本気とも言えるようなことを俺に言ってきた。



 俺は公爵に会釈をしてから、二人の様子を見に行く。



(手加減はしたつもりだけど、骨折とかしてしていないよな)



 膝を着いている二人を鑑定で見るが、異常はない。



 俺は二人に「大丈夫か?」と声を掛けると、二人は揃って「大丈夫です」と答えるが、表情は冴えない。

 二人はゆっくりと立ち上がり、公爵に頭を下げている。



 公爵はその姿を見ながら、



「両名とも未熟。よって、ドライセンブルク駐在より副長代理の直属に転属。副長代理の下での修行を命じる」



 そう告げられた二人はビックリしたような顔で固まっており、公爵の命令を復唱することすら忘れている。

 数瞬の後、ようやく立ち直った二人は公爵の言葉を復唱するが、未だ信じられないという顔をしている。



「そなたらにはよい勉強になっただろう。これほどの剣士の下で自らの腕を磨ける機会はそう多くない。精進を怠らぬようにせよ」



 公爵がそう言うと、二人はようやく希望通りになったことを実感し、表情を緩めている。



(閣下も結構部下思いなんだな。騎士たちが心酔するのもわかる気がする)



 こうして二人は正式に俺の部下になった。



 公爵は二人に辞令を言い渡した後、ニコニコした顔で俺に



「まだ、汗すら掻いておらんではないか。どうだ、一つ儂と手合わせせんか」



と言ってくる。



(もう模擬剣を手にしてやる気満々じゃないか。半月以上訓練らしい訓練をやっていないから、ちょうどいいからいいけど)



 俺が了承を伝えると、なぜかアクセルとテオフィルスが屋敷の中に駆け込んでいった。



(何をしにいったんだろう? 審判でも呼びに行ったのかな?)



 俺は二人の行動について深く考えず、模擬剣を手に公爵に相対する。

 「閣下の合図でいつでもいけます」と言ったが、公爵はなにやら笑みを浮かべて、後ろを見るような手振りをする。



 俺が後ろを見ると、屋敷の影から多くの騎士たちが覗いており、俺と公爵の一戦を見ようとしているのが判った。

 公爵が騎士たちを手招きし、ぞろぞろと五十人以上の騎士たちが庭に出てきた。

 アクセルとテオフィルスの二人のあの行動は、「俺と公爵の模擬戦が始まる」と騎士たちを呼びに行ったのだろう。

 いや、それにしては早すぎるから、予想していた騎士たちに「始まる!」と合図をしに行っただけかもしれない。



(屋敷の警備をしている騎士以外、全員って感じだな)



 ギャラリーが位置に着くのを待ち、公爵と五ヶ月振りに剣を交えるため、位置に着く。

 俺と公爵は五mほどの距離を挟み、相対する。



 公爵のレベルは半年前と同じ五十五。スキルの両手剣五十(連撃二、狙撃二、複撃一、強撃一)、片手剣四十五(連撃二、狙撃一、先制一、武器防御一)も変わっていない。防御系は、回避が俺よりやや低い三十八(予測二、見切り一)、重装鎧は四十五(防御力向上三、重量軽減二)。

 手数で圧倒するスタイルは変わらない。

 五ヶ月前は思いよらないタイミングで攻撃され、魔法を使った奇襲で何とか引き分けに持ち込めた。

 今回は魔法なしのガチンコ勝負を挑むつもりだ。



 公爵が「手加減なしで来い!」と叫ぶと同時に、審判のいない模擬戦が開始される。



(基本的に俺のスタイルは一対多数に対応するスタイルなんだよな。それに引き換え閣下のスタイルは一対一の方が相性はいいし、まあ、訓練だと思ってやるだけやろう)



 公爵は半年前とは異なり、最初から全力で攻撃してくる。

 

 公爵の攻撃は流れるような連続攻撃を仕掛けてくる。俺は回避に専念する他なく、攻撃を繰り出す隙がない。

 回避に専念している間は何とか均衡しているが、紙一重で回避してから攻撃に転じようとすると連続攻撃の二撃目以降が掠め、攻撃どころの話ではない。

 俺は攻撃を回避し続け、公爵のスタミナが切れるのを待つ作戦に変更した。



 公爵の攻撃が何分続いているのだろう。

 何十回もの攻撃をひたすら回避に専念して避けつづけている俺は既に時間感覚がなくなってきている。一分くらいしか続いていないようにも十分以上続いているようにも思える。



 ミルコとの訓練のおかげか、俺のスタミナにはまだまだ余裕がある。一方、四十代半ばの公爵も無尽蔵のスタミナを持っているのかと思わせるほど、顔に余裕を感じさせる

 

(これだけ攻撃を続けても、まだ息切れしないのかよ! 息切れを待つ作戦は駄目だったかな)



 そうは思っても攻撃の糸口が掴めない以上、回避し続けるしかない。

 体感時間で更に数分経った頃、ようやく公爵に疲れが見え始めた。



 公爵の攻撃の流れは最初の頃より切れがなくなり、僅かながら剣の軌道がぶれ始めている。



(もう少しの我慢。このままスタミナ切れを目指せば勝ちが拾えるかも)



 欲を出したのが行けなかったのか、公爵の作戦なのかは判らないが、避け続けていた俺は知らないうちに壁まで追い詰められていた。



(まずい! 後ろがない! 横に回るか、起死回生の賭けに出るか。どちらにしてもしてやられたよ)



 俺は起死回生の一撃を繰り出すため、攻撃を回避しつつ、公爵の足元を払うような斬撃を繰り出す。

 公爵は予想していたのか、軽く足を上げることでかわし、反動のついた俺の腕目掛けて、片手で斬り降ろすように攻撃してくる。

 何とかその攻撃は回避するものの、俺は次の攻撃に繋げられない。

 一方、公爵は片手で斬り降ろした後の反動を両手で無理やり押さえ込み、俺の脇目掛けて鋭角的な角度で斬り上げてくる。

 俺は剣で受けようとするものの、公爵のバスタードソードの方が速く、見事に右脇腹を強打されてしまう。



 俺は「ゲボッ! ゴボッ!」と肺の中の息をすべて吐き出し、地面に倒れこむ。



(久しぶりに地面にキスだ。さすがにレベル五十五の猛者を相手に勝ちは拾えないな)



 俺は剣を杖にして、ゆっくりと立ち上がる。

 そして、公爵に向かい、



「ありがとうございました。閣下」



 俺はそう礼を言った後、敗因を語った。



「完敗です。追い詰められたことに気付くのが遅すぎました」



 公爵は息を切らせながら、



「はぁはぁ、そなたに回避され続けた時には、はぁ、一撃も入れられんのかと思ったぞ。はぁはぁ、先の二人の気持ちが痛いように判るわ。はぁ」



 今までミルコとの模擬戦か魔物相手ばかりだったから、回避がここまで有効だとは思っていなかった。ミルコにはいつも攻撃を入れられているし、魔物はスキルが低すぎるから楽に回避できていると思っていた。

 昨日のグリュンタールとの御前試合も回避はうまくいっていたが、さすがにあれだけの突きが繰り出されると、避けきれないと思っていた。やってみたら案外うまく避けられたのかもしれない。

 回避とカウンター攻撃という俺のスタイルが、魔物以外にも有効であると判り、今日の模擬戦は有意義だと思えた。



 そんなことを思っていると、知らない間に騎士たちに囲まれていることに気付く。



 皆口々に「稽古をつけて下さい」とか「ぜひ直属に」などと言ってくる。



 俺は困って公爵を見るが、笑ったまま何も言わない。



(もしかして閣下はこれを狙ったのか)



 公爵のお気に入りであり、なおかつ細剣《レイピア》の名手グリュンタールを破ったとはいえ、ポッと出の冒険者風情が名門騎士団のナンバースリーになることには心情的に納得いかないものも多いだろう。

 尊敬する公爵と互角に渡り合う姿を見せれば、ある程度のわだかまりは解ける。



 長年、組織の管理者をしている公爵なら、その辺りの機微にも通じているのかもしれない。単に”剣で語り合えば判りあえる”と思っている可能性は否定できないが。

 俺は騎士たちに囲まれながら、そんなことを考えていた。







 アクセル・フックスベルガーは副長代理の直属になれたことに満足していた。

 彼はクロイツタール領のノルドホルツの町の郷士フックスベルガー家に生まれた。実家は豪商であり、アクセルは何不自由ない家庭に育っていた。

 アクセルは幼い頃よりクロイツタール騎士団に憧れ、父親に頼み込み、剣の師をつけてもらっていた。

 十二歳になると騎士団に従士見習いとして入団。幼少より剣の修行をしていた分、出世が早く、親友のテオフィルスと共に、十六歳で従騎士、二十歳で正騎士に昇格した。

 正騎士昇格後、礼儀作法を実地で覚えるとの理由で、王都駐在となるが、クロイツタールで剣を振るっているほうが性に合っていた彼は半ばやる気を失っていた。



 そして、年明け早々、公爵暗殺未遂事件が起こり、公爵が王都に舞い戻ってきたとき、初めて大河の護衛を言い付かった。



(閣下より直々に任務が与えられるなんて初めてだったから緊張してのに、どうも拍子抜けする人だったな)



 公爵の護衛をしていた同僚たちからジーレン村の話を聞いたりしたが、大河に対しては冴えない印象しかなかった。

 だが、デュオニュースの工房での試し切りを見て、あの見た目からは想像できないほどの剣の腕を見せつけられた。

 鉄の木偶を切り裂いたことはもちろん、第二騎士団の正式装備であるプレートメイル、その中でも最高品質のダンクマール師のものを切り裂いたことにも驚いていた。



(あれは凄かった。でも、あのプレートメイルを切り裂いたことが凄いことだと、この人は気付いていないんだよな)



 更に自分たちを騎士として、敬意を持って扱ってくれたことも驚いていた。



(閣下と話される時でも気負いはないし、俺たちと話すときもきちんと話してくれる。無頼の多い冒険者とはとても思えなかったな)



 その後、陛下から直々にあった准男爵の叙任の話を蹴り、更にあのグリュンタールに陛下の前で勝利したのに、一向に偉ぶった態度を見せず、一介の冒険者であろうとしている。



(この人の部下になりたいと思ったのは、グリュンタール殿との試合の前の様子を見てからだな……)



 御前試合の前日、心配するアマリーのことを想い、無理に笑顔を作るその姿にアクセルは感動していた。

 第一騎士団でのアンゲルス卿との訓練では五分以上に渡り合っていたが、決して満足しているようには見えなかった。それなのに一人の少女を労わるため、自分の恐怖を押し殺す、まさに騎士の鑑だと思い知らされた。



 更に今日の手合わせだ。

 さすがに一対一では勝ちはないと思っていたが、テオフィルスと二人で掛かればもう少し何とかなると思っていた。



(全く相手にならなかった。悔しいとは思う。だが、この人ならと思わせてくれた……)



 この先、一緒に仕事をしたいと思わせる何かを持っているとアクセルは考えていた。

 そして、一緒に直属となった親友のことを考えている。



(テオはバスタードソードから、ツーハンドソードに替えるかもしれないな)



 騎士団の正式装備は騎乗して使えるバスタードソードかロングソード。両手が塞がるツーハンドソードは、認められた一部の人間だけが使っている。

 自分のスタイルではバスタードソードは捨てられないが、親友ならツーハンドソードの方が相性はいい。あの人から直接指導を受けると言えば、閣下もきっと認めるはずだ。



(ちょっと悔しいかな。でも、あの回避の技を習えば、自分でも……)



 アクセルは自分がこれからどうなっていくのか、楽しみになってきていた。









 その日から終日、ダンスの練習と授爵式のリハーサル。

 社交ダンスなど全く知らないが、映画で見たカドリールとかいうスタイルに近いような気がする。男女一対で踊るダンスなのだが、ワルツっぽいゆったりとした音楽にあわせて踊るもので複雑なステップもなく、何とか覚えることが出来た。

 授爵式のリハーサルについては、国王の前に歩いて行き、「謹んで拝命いたします」と答えるだけなので、特に難しいことはなかった。





 アマリーたち二人とは朝と夜だけしか顔を合わさなかったが、夕食後にシュバルツェンベルクにいるエルナとノーラたち5人の話をした。



 二人とも黙って聞いているが、どういう反応なのか気になって仕方がない。

 そして、エルナを抱いたこと、帰ったらすぐにでも身請けすること、恐らくノーラたちとも一緒に暮らすことになることも伝える。



(これじゃハーレム宣言だよな。シルヴィアはともかく、アマリーには酷いことを言っているという自覚はある)



 二人は静かに話を聞くだけで特に何も言わなかった。



 そして、もう一つ。グンドルフの話もしていく。

 アマリーは恐ろしい盗賊と聞き、おびえた表情を見せているが、シルヴィアは特に何も変わった様子はなかった。







 アマリーは大河の話を聞いても特に驚かなかった。

 盗賊の話は恐ろしかったが、ジーレン村で大勢の傭兵たちをあっさり倒した大河と騎士団が一緒なら大丈夫だろうと、それほど心配はしていなかった。



 そして、エルナとノーラたちの話を聞いて、納得している自分がいた。



(やっぱりそうだったんだ。タイガさんって優しいから、仕方がないと思うんだけど……)



 驚きはしなかったが、寂しくはある。

 自分に自信が持てない彼女は、これからも一緒にいることができるのか、自分は何をしたらいいのか考え、一つの結論に達した。

 そして、翌日から実行に移していく。







 シルヴィアも大河の話に驚くことはなかった。



(元々、一介の冒険者という方が違和感はあった。それにエルナという娼婦はともかく、ノーラたち冒険者については人助けの一環だろう)



 シルヴィアは大河の性格を見抜き、ほぼ正確な洞察をしていた。

 大河はノーラたちが実質的な奴隷状態であることを話していないが、シルヴィアがその話を聞けば、更に人助けとの思いが強くなったことは間違いない。



 そして、グンドルフという名の盗賊の話。

 グンドルフについては、ヴェルスで冒険者をしているときに、商人から聞いたことがあった。



(残忍な盗賊で執念深いと聞いたが、クロイツタール騎士団が一緒だ。心配いらないだろう……)



 彼女も大河の能力と王国屈指の騎士団がついているということに安心していた。







 俺がダンスの練習やリハーサルをしている時、二人はフリーなのだが、屋敷を出ていない。

 二人に日中、何をやっているのか聞くが、アマリーは俺が聞いても教えてくれない。部屋からほとんど出ず、一人でなにかやっていることだけは判っている。

 一方、シルヴィアは公爵邸の裏で弓を引いたり、剣を振ったりして自主トレーニングをして過ごしていたそうだ。



 シルヴィアの傷については、公爵との模擬戦から二日後に完全に消すことが出来た。見た目だけなら、鞭で打たれたことは全く判らないが、心の方はどのくらいダメージを負っているのか未だ窺い知れない。



後書き


作者:狩坂 東風
投稿日:2013/01/15 22:11
更新日:2013/01/15 22:11
『ドライセン王国シリーズ:滔々と流れる大河のように(冒険者編)』の著作権は、すべて作者 狩坂 東風様に属します。

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