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作品ID:1777
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異界の口

小説の属性:一般小説 / 未選択 / 感想希望 / 初級者 / 年齢制限なし / 完結

前書き・紹介


序章

目次 次の話

 あるところに、一人の少年がいた。
 少年は物心つく前から山奥にいて、そこから出ることはなかった。常に見知った大人が彼を見ていた。
 そのくせ、影が薄かった。
 大人たちは「手のかからない子ども」だと思っていた。少年のほうも、「迷惑はかけまい」と思っていた。
 そんな少年が、一度だけ脱走したことがあった。
 あれは、いつのことだったろう。
 友人に聞かないと、正確な時期はわからない。それくらい昔で、考えれば考えるほど、そこまで昔のことには思えなくなってくる。
 彼らは突然真夜中の世界へと飛び出した。大人から見れば迷惑だろうけれど、子ども達にとっては重要なことだったのだ。
 ……たぶん。
 大方その場のノリだったという説もあるが、ぼくはそんなことはないと思っている。

 たまに、友人たちはどうしているかな、と考える。
 旅を共にしたのは二人……いや三人。
 今、どこで、何をしているか。
 まあ、それはぼくが知っているようなことではない。
 この物語の主人公は、あくまで「とある少年」なのだから。

後書き


作者:水沢妃
投稿日:2016/08/13 21:42
更新日:2016/08/13 21:42
『異界の口』の著作権は、すべて作者 水沢妃様に属します。

目次 次の話

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