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作品ID:1782
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異界の口

小説の属性:一般小説 / 未選択 / 感想希望 / 初級者 / 年齢制限なし / 完結

前書き・紹介


一章 セイ 五

前の話 目次 次の話

 職員棟では、眼鏡教授が一人で机に向かっていた。
「先生、半分まできましたよ。」
「おお、ごくろうさん。」
 教授は、「そこに置け」とでも言うように、隣の机を指差した。
 プリントを置くと、自分は興味本位で教授の机をのぞきこむ。
 たくさんの本やプリントがかさばり、教授よりも机の主らしく積まれている。
「何をやっているんです?」
「君にはわからんよ。」
 何かを含んだような物言いに、自分はむっとなった。
 そんな自分の心を知ってか知らずか、教授は黒縁の眼鏡をくい、とあげた。
 眼鏡教授は、元々は有名な大学の教授だったらしい。しかし、なにか問題を起こして、この学園に左遷させられてきたのだ。
 だからあだ名が眼鏡教授。
 教授になったらしいのに見た目が若いから、たまに女子がさわいでいるのを耳にする。
「実はね、下田少年。ぼくは君に感謝しているんだ。」
 唐突に、教授が言った。
「ぼくは補習の監督だからね。夏休み中にたった一人だけ、教員として残らなければいけない。毎年補習になる生徒なんて、君くらいだけれどね。」
「それが、どうしましたか。」
 明らかにむっとした声が出て、自分でもびっくりした。
 教授は気がつかなかったかのように言葉を続ける。
「君が補習を受けている期間、ぼくは理科室の道具を好きに使って実験をすることができるんだ。普段なら校長とかに咎められるけど、今頃あの大狸は孫と一緒に別荘でのんびりしているだろうさ。」
 楽しそうに話す教授は、ホタルより、いいや、自分より子供に見えた。
 そんな先生に、からかうような口調で言う。
「じゃあ先生。今年はもっと大がかりな実験ができるでしょうね。」
 言葉の意味がわからなかったのか、教授は首をひねる。
「なんせ、自分は今年、帰ってくるなと言われていますから。」
 早口に言うと、自分は一度頭を下げ職員室を出た。
「――そうか。」
 去り際にちらりと見れば、先生は呆けたような顔をしていた。

後書き


作者:水沢妃
投稿日:2016/08/13 21:54
更新日:2016/08/13 21:54
『異界の口』の著作権は、すべて作者 水沢妃様に属します。

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