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作品ID:1801
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異界の口

小説の属性:一般小説 / 未選択 / 感想希望 / 初級者 / 年齢制限なし / 完結

前書き・紹介


三章 小夜子 三

前の話 目次 次の話

 汽車はくねくねとした山を越え、田んぼの真ん中を走り、大きな街を二つ超えます。私は少し眠ってしまいましたが、セイ様とホタル様はずっとお話をされていたようです。
 長いトンネルに入ったとき、セイ様が突然言われました。
「やっぱり、一回実家に帰ってみるよ。」
 やけにはっきりした声に、私の頭が起きました。それを聞いたホタル様は「そう。」とだけ言って、セイ様に故郷はどのあたりかと聞かれています。私はついていけなくて、黙ってお二人を見ていました。
 そうしてセイ様は故郷で下りられました。
 学園の近くとはまた違った風景の山が、奥まで続いています。
 セイ様は、ホタル様に周辺の地図ののった本を渡していました。
「じゃあ、俺はここで。海まではあと三駅くらいじゃないか。」
「ありがとう、セイ。」
「お元気で、セイ様。」
 私の挨拶に、セイ様は豪快に笑いました。
「また学園で会えるだろうさ。」
 そういえばそうでした。
 脱走した身でありながら、セイ様は帰る気満々です。
 笑顔で手をふることができました。

 セイ様と駅舎が完全に見えなくなってから、私はまた気がぬけたようにうつらうつらとしていました。ホタル様も同じようです。
「寝ちゃダメだよ、小夜子嬢。」
「眠るわけがありません。昨夜はぐっすりと眠りましたから。」
 それでも、睡魔に勝つことはできませんでした。
 一瞬意識が飛んで、はっと目を覚まします。目の前のホタル様はすやすやと眠っておられました。
 まったく、何てことでしょう。私には寝るなとおっしゃったくせに。
 少し腹が立って、わざとらしく足をぶつけてみましたが、うんともすんとも反応がありません。くやしさがつのりました。
 眠気はすっとんでいます。
 ふと窓の外を見てみれば、そこはどこか見たことのある風景でした。
 言い知れぬ不安が押し寄せて、今度は強めにホタル様を小突きます。
「ホタル様、ホタル様。」
 耐えられなくなって強くゆすると、ゆっくりとホタル様が目を開きました。
「……どうしたの?」
「地図をお貸しください。」
 私の様子に何かを感じたのか、ホタル様はすばやく本を取り出しました。広げると、地図と共に路線図が出てきました。
「まあ、なんてことでしょう。」
 のぞきこんだホタル様は、首をかしげています。
「どうしたのさ。」
「ホタル様。私たち、寝過ごしたようでしてよ。」
 窓の外は、私の故郷、首都の風景が広がっていました。
 朝、私たちがのりかえた駅からは、首都行の汽車が二本出ます。
 一つは、私も利用したことのある首都直通の汽車。
 もう一つは、今私達が乗っている汽車です。こちらは、遠回りをして海まで行くのです。
 一通り説明すると、ホタル様は納得したようにうなずかれました。
「つまりぼくらは、寝過ごして首都まで来たわけだ。」
「どうされます?」
 ホタル様は、「とりあえず次の駅で降りよう。」と言われましたが、駅に着いてみれば、そこは終点の首都中央駅でした。

後書き


作者:水沢妃
投稿日:2016/08/15 08:07
更新日:2016/08/15 08:07
『異界の口』の著作権は、すべて作者 水沢妃様に属します。

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