作品ID:1810
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異界の口
小説の属性:一般小説 / 未選択 / 感想希望 / 初級者 / 年齢制限なし / 完結
前書き・紹介
終章
前の話 | 目次 |
三人に待っていたのは説教だった。
あたりまえだ。一人は補習を放り出し、一人は病気療養中だったのだから。
帰ってきてしばらくすると、ノウゼンカズラが咲いて、ヒグラシが鳴き始めた。
少年は、その夏を楽しんだようだった。
すくなくとも、ぼくの記憶にはそういうふうに残っている。
三人がいっしょにいられたのは、その後半年の間だけだった。
少女はその後病気がすっかりよくなって、首都に帰っていった。少年の友人のほうも、親の勘当が解けたのか、学年が変わると共に学園を去った。
少年は、一人に戻った。
それは、少年の七不思議化に手を貸して、いっそう彼の影を薄くさせる。
ついにその影の薄さは、彼がいつ学園を出たかすらあいまいにさせた。
確実に言えるのは、彼が学園を出て、どこかへと行ったことだ。そうでなければ、今、ぼくはここにいない。
学園を出た彼は、奇妙な運命の渦に巻きこまれていくのだけれど――。
それはまた、別の話。
あたりまえだ。一人は補習を放り出し、一人は病気療養中だったのだから。
帰ってきてしばらくすると、ノウゼンカズラが咲いて、ヒグラシが鳴き始めた。
少年は、その夏を楽しんだようだった。
すくなくとも、ぼくの記憶にはそういうふうに残っている。
三人がいっしょにいられたのは、その後半年の間だけだった。
少女はその後病気がすっかりよくなって、首都に帰っていった。少年の友人のほうも、親の勘当が解けたのか、学年が変わると共に学園を去った。
少年は、一人に戻った。
それは、少年の七不思議化に手を貸して、いっそう彼の影を薄くさせる。
ついにその影の薄さは、彼がいつ学園を出たかすらあいまいにさせた。
確実に言えるのは、彼が学園を出て、どこかへと行ったことだ。そうでなければ、今、ぼくはここにいない。
学園を出た彼は、奇妙な運命の渦に巻きこまれていくのだけれど――。
それはまた、別の話。
後書き
作者:水沢妃 |
投稿日:2016/08/15 08:23 更新日:2016/08/15 08:23 『異界の口』の著作権は、すべて作者 水沢妃様に属します。 |
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