作品ID:1821
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「転生したら王子の側近になりました」を読み始めました。
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転生したら王子の側近になりました
小説の属性:一般小説 / 未選択 / 感想希望 / 初級者 / R-15 / 連載中
こちらの作品には、暴力的・グロテスクな表現・内容が含まれています。15歳以下の方、また苦手な方はお戻り下さい。
前書き・紹介
第一話 連行する
前の話 | 目次 |
幸い、私の手元には稽古中に使っていた刀が握られている。本当は竹刀を使おうと思っていたが、何となく嫌な予感がしてやめた
それは正解だったようだな
今、私の目の前には正しく真剣であろう物を構えた強面男が立っている。流石に竹刀で真剣には挑めないからな。体術を使うことになるし、何より疲れる
そういう面からでも剣術は気に入っている。しかし、私は普段二刀流なので、今手元にある刀が一本だけというのは少し心もとない
「…い!おい!聞いているのか!?」
おっと、強面が何か言っていた
「すまない。少し考え事をしていた。それよりも少し聞きたいことがあるのだが、良いだろうか?」
まずは現状を把握しない限りどうにもならないからな
「良い訳がないだろう!貴様は誰だ!何故このような場所にいる!?答えろ!」
こっちの質問全無視かよ。ここでコイツの質問に答えたら何か私にメリットがあるのだろうか。剣の稽古中に気づいたら此処にいました、なんて頭がおかしいとしか思われないだろう。そうしたらデメリットしかないじゃないか
「悪いが、その質問には答えられない。しかし、私の質問を聞いてくれるのなら善処しよう」
私としては、自分の質問に納得のいく答えを貰えればそれで良いのだ
「な、何故私が貴様の質問に答えなければならんのだ!いいか!?もう一度質問する!それでも答えないのであれば…少々手荒ではあるが、連行させてもらう。最後のチャンスだ。質問に答えろ!」
チャンスと言われてもなあ。答えてもデメリットしかないのは分かりきっているし…よし、黙秘しよう
「………………」
「…そうか、分かった。今から貴様を連行させてもらう。少し痛いかもしれんがな。許せよ!」
そう言って強面はこちらに向かって来た。元々距離が近かったせいか、もうすでに強面との距離は二メートル程だ。仕方ない、まずは様子見だ
そう思い強面の剣を避けることに集中する
「くっ!ちょこまかと!貴様も剣を持っているのなら戦え!」
おいおい…私に勝てるとでも思っているのか?少しコイツの動きを見ていたが、隙がありすぎだ。確かに戦闘慣れしているし筋も良い方だが、それで勝たせてあげる程私は優しくないぞ
よし、もう面倒くさいから、ここで決着をつけて質問に答えてもらおう。私は避けるのをやめて刀を構え、強面に向ける
「はっ、やっと戦う気になったか。次はそちらから来い!」
さっきから思っていたが、なんで命令口調なんだろうか。まあ良い、来いと言われたら行くまでだ
地面を蹴り、腰を低くして相手の間合いに入る。そこから相手の手を足で払い、力が緩まった所で刀も払い落とす。丸腰になっても尚戦おうとする相手に対して剣を首に突きつけ仰向けにする
こんな事態は予想もしていなかったのか、強面の瞳には多くの疑惑が見て取れる
「…貴様、何者だ。敵国の暗殺者か何かか…?」
すごいな。この状況でまだ喋るか、しかも命令口調で
「私は敵国の暗殺者でもなければお前を殺しに来たのでもない。それよりも此処はどこだ?そしてお前は誰だ?何故私を殺そうとした」
強面はしばらくの間黙っていたが、諦めたのか話し始めた
「…此処はヴォルケイ王国の北の領土に位置する森だ。魔物が多く生息していることから魔の森と言われている。そして俺はヴォルケイ王国赤の騎士団隊長のジェスティ・レイクだ。言っておくが別に殺そうとした訳じゃない。こんな所に一人でいて質問にも答えないからな。普通に怪しいだろう?だから城に連行しようとした」
成る程な。それは怪しいと思われても仕方ない。というか、まさかとは思っていたが…
「日本、じゃないのか」
薄々は気づいていた。こんなに深い緑の色をした木は日本にはそうそう無いし、空の色も少し青みがかった緑色だ
「ニホン?何だそれは」
はあ、この言葉が何よりの証拠。此処は日本ではないのだと実感させられる。さて、これからどうするか。このまま森で生活するのも悪くなさそうだが、如何せん此処は普通の森ではない。
となれば…
「おい、お前私をその城とやらに連れて行け。元々連れて行く気だったのだろう?」
こうする他無いな。城?に行けば何か分かるかもしれないし。もし攻撃されるようならこちらもそれ相応の態度で示せば良いし
「ああ!?俺を殺さないのか!?」
今思ったがコイツ一人称が俺になってるな。さっきまで私だったのに。こっちが素か?
「ああ。殺さない。私はこの国、いやこの世界のことを何も知らないのでな。とりあえず城に行く」
「何も知らない?もしや迷い人か!?」
迷い人って何だ。これははいと言って良いのだろうか。いや、やめておこう。はいと言って迷い人が悪いものだったら嫌だし
「いや、多分私は記憶喪失だ」
これが一番無難だろう。これなら分からないことを何でも聞ける。記憶喪失なのだから
「記憶喪失!?ああでも、そういうことか。だからあの時…」
何かブツブツ言っているが、とりあえずは大丈夫そうだ
「…よし!これからお前を城へ連れて行く!…でな、どいてもらえると助かる」
あ、忘れてた。強面の首に刀を突きつけるのをやめ、体をどかす
「お前、よくそんな簡単に解放するな。一度は剣を向けた相手だぞ?」
「分かっている。だが、私も人を見る目はあるつもりなのでな」
そう言うと強面は一瞬驚いた顔をした後、口の端を上げて笑った
「ふっ、面白な、お前。良ければ顔を見せてくれるか?」
ああ、そういえば前髪が長くて切ろうと思っていたんだった。いつ切ろうと思いながら、私は前髪をかき上げ顔を男に見せた
それは正解だったようだな
今、私の目の前には正しく真剣であろう物を構えた強面男が立っている。流石に竹刀で真剣には挑めないからな。体術を使うことになるし、何より疲れる
そういう面からでも剣術は気に入っている。しかし、私は普段二刀流なので、今手元にある刀が一本だけというのは少し心もとない
「…い!おい!聞いているのか!?」
おっと、強面が何か言っていた
「すまない。少し考え事をしていた。それよりも少し聞きたいことがあるのだが、良いだろうか?」
まずは現状を把握しない限りどうにもならないからな
「良い訳がないだろう!貴様は誰だ!何故このような場所にいる!?答えろ!」
こっちの質問全無視かよ。ここでコイツの質問に答えたら何か私にメリットがあるのだろうか。剣の稽古中に気づいたら此処にいました、なんて頭がおかしいとしか思われないだろう。そうしたらデメリットしかないじゃないか
「悪いが、その質問には答えられない。しかし、私の質問を聞いてくれるのなら善処しよう」
私としては、自分の質問に納得のいく答えを貰えればそれで良いのだ
「な、何故私が貴様の質問に答えなければならんのだ!いいか!?もう一度質問する!それでも答えないのであれば…少々手荒ではあるが、連行させてもらう。最後のチャンスだ。質問に答えろ!」
チャンスと言われてもなあ。答えてもデメリットしかないのは分かりきっているし…よし、黙秘しよう
「………………」
「…そうか、分かった。今から貴様を連行させてもらう。少し痛いかもしれんがな。許せよ!」
そう言って強面はこちらに向かって来た。元々距離が近かったせいか、もうすでに強面との距離は二メートル程だ。仕方ない、まずは様子見だ
そう思い強面の剣を避けることに集中する
「くっ!ちょこまかと!貴様も剣を持っているのなら戦え!」
おいおい…私に勝てるとでも思っているのか?少しコイツの動きを見ていたが、隙がありすぎだ。確かに戦闘慣れしているし筋も良い方だが、それで勝たせてあげる程私は優しくないぞ
よし、もう面倒くさいから、ここで決着をつけて質問に答えてもらおう。私は避けるのをやめて刀を構え、強面に向ける
「はっ、やっと戦う気になったか。次はそちらから来い!」
さっきから思っていたが、なんで命令口調なんだろうか。まあ良い、来いと言われたら行くまでだ
地面を蹴り、腰を低くして相手の間合いに入る。そこから相手の手を足で払い、力が緩まった所で刀も払い落とす。丸腰になっても尚戦おうとする相手に対して剣を首に突きつけ仰向けにする
こんな事態は予想もしていなかったのか、強面の瞳には多くの疑惑が見て取れる
「…貴様、何者だ。敵国の暗殺者か何かか…?」
すごいな。この状況でまだ喋るか、しかも命令口調で
「私は敵国の暗殺者でもなければお前を殺しに来たのでもない。それよりも此処はどこだ?そしてお前は誰だ?何故私を殺そうとした」
強面はしばらくの間黙っていたが、諦めたのか話し始めた
「…此処はヴォルケイ王国の北の領土に位置する森だ。魔物が多く生息していることから魔の森と言われている。そして俺はヴォルケイ王国赤の騎士団隊長のジェスティ・レイクだ。言っておくが別に殺そうとした訳じゃない。こんな所に一人でいて質問にも答えないからな。普通に怪しいだろう?だから城に連行しようとした」
成る程な。それは怪しいと思われても仕方ない。というか、まさかとは思っていたが…
「日本、じゃないのか」
薄々は気づいていた。こんなに深い緑の色をした木は日本にはそうそう無いし、空の色も少し青みがかった緑色だ
「ニホン?何だそれは」
はあ、この言葉が何よりの証拠。此処は日本ではないのだと実感させられる。さて、これからどうするか。このまま森で生活するのも悪くなさそうだが、如何せん此処は普通の森ではない。
となれば…
「おい、お前私をその城とやらに連れて行け。元々連れて行く気だったのだろう?」
こうする他無いな。城?に行けば何か分かるかもしれないし。もし攻撃されるようならこちらもそれ相応の態度で示せば良いし
「ああ!?俺を殺さないのか!?」
今思ったがコイツ一人称が俺になってるな。さっきまで私だったのに。こっちが素か?
「ああ。殺さない。私はこの国、いやこの世界のことを何も知らないのでな。とりあえず城に行く」
「何も知らない?もしや迷い人か!?」
迷い人って何だ。これははいと言って良いのだろうか。いや、やめておこう。はいと言って迷い人が悪いものだったら嫌だし
「いや、多分私は記憶喪失だ」
これが一番無難だろう。これなら分からないことを何でも聞ける。記憶喪失なのだから
「記憶喪失!?ああでも、そういうことか。だからあの時…」
何かブツブツ言っているが、とりあえずは大丈夫そうだ
「…よし!これからお前を城へ連れて行く!…でな、どいてもらえると助かる」
あ、忘れてた。強面の首に刀を突きつけるのをやめ、体をどかす
「お前、よくそんな簡単に解放するな。一度は剣を向けた相手だぞ?」
「分かっている。だが、私も人を見る目はあるつもりなのでな」
そう言うと強面は一瞬驚いた顔をした後、口の端を上げて笑った
「ふっ、面白な、お前。良ければ顔を見せてくれるか?」
ああ、そういえば前髪が長くて切ろうと思っていたんだった。いつ切ろうと思いながら、私は前髪をかき上げ顔を男に見せた
後書き
作者:ルイ |
投稿日:2016/09/11 11:08 更新日:2016/09/11 11:13 『転生したら王子の側近になりました』の著作権は、すべて作者 ルイ様に属します。 |
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