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作品ID:209
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Devil+Angel=Reo

小説の属性:一般小説 / 未選択 / 感想希望 / 初級者 / 年齢制限なし / 完結

前書き・紹介


第11話。

前の話 目次 次の話

 ねえ、NEVに居たとき、貴方は楽しかった? 実験体としてしか扱われなかった貴方は、いつだって現実しか見てなくて、夢なんて見てなかったんだと思う。

 でも、ひとつだけ願う事ぐらい私にだってある。

 それは、アンタがNEVなんて忘れて桐生刹那と一緒にトーナメントを勝ち抜いて本当の安息を手に入れて欲しいという事。

 今まで、私が唯納や瓢臥、春袈たちと一緒に仮初めの安息を手に入れていた、紅來、アンタをおいて仮初めの安息を手に入れていた私の罰。



〈結局、アンタは桐生刹那しか許せないんだから。桐生刹那の前でぐらい、心ちょっとは開きなさいよ〉

 心中で元同僚に話し掛ける。



「ほら、体育祭中止になっちゃったんだから、その分、働けー」

 先日の体育祭。予期せぬ妨害が入ったため、中止になった。

 そのため。



「うー……生徒会長、人使い荒すぎ!」

「春袈、んなこと言ってる暇あったら企画書纏めちゃってよ。体育祭が無事に終われば少しの休憩期間与えるつもりだったけど、唯納の予想通り妨害はいっちゃったんだから」

「それにしても、この仕事量は」

「瓢臥ぁー? アンタ、誰のおかげでこの学校に居れると思ってるのー?」

「それって脅迫デス……」

「人聞き悪いこと言わないでよ、唯納。私はね。ただ単に体育祭中止でその他のイベントを前倒しする羽目になったこの状況を悔やんでいるんだから」



〈悔やんでる暇あったら仕事しろよ、仕事を!!〉

 滅多に心中で息を合わすことない、生徒会メンバーがこのときだけは息があった。



「って言ってても仕方ないしね、私も仕事しますか」

 そう決めて、椅子に座りなおしたところで生徒会室の扉が鳴った。

 正確には廊下側からノックされた。



「なんデスか? こんなときに。忙しいのに」

「はいはい、唯納、文句いわない」

 立ち上がり、扉を開ける。



「えーとその、生徒会役員さんたちは今日、ここにいらっしゃるって鋼夜さんから聞いたんですけど……」

 真っ白い箱をいくつも両手で抱えた桐生刹那と、同じく真っ白い箱を両手で持った紅來璃維が扉の向こうに居た。



「あ、ありがと、ありがと。これ今日届いてまた私たちの方から送らなきゃいけないんだよねー。大変だよ」

「鋼夜さん、後ろで生徒会長さんが思いっきり鋼夜さんのことを睨んでいるのですが……!」

「へ? いや、あの生徒会長これはですね。私が今日自宅に帰れないのが分かった時点でですね。桐生と紅來に頼んだんですよー。トーナメントに使う品物を持ってきてくれって! 生徒会室までって、ごめんなさい! 本当にごめんなさい! だから竹刀を持ってこないでくださいって……!」

 首根っこを掴んで、生徒会室を後にした生徒会長と春袈。



「……早紀は変わってないな」

「あぁそうか、璃維はウチの会長とNEVの同期だったから」

「そう。あの頃から早紀はルールを違反した奴らをああやって竹刀を持って片っ端から脅迫してたな」

「大丈夫か? 身震いしてるけど」

「大丈夫だ。問題ない。ただ昔の事を思い出して少し、な」

 璃維と副会長の会話。この二人はどうやら仲がいいらしい。



「あの、この荷物はどうすれば……?」

「それはこっちのテーブルに。璃維が持ってる奴は今すぐガムテープをはがして中身確認しないといけないのデス」

「あ、会計さんも結構」

「はい。苦労してます。あの生徒会長のおかげで」

「あはは……」

 苦笑して返事をする刹那。



「たっだいまっ! あ、その箱ね。丁度いいや。あんたたち二人にも言っておいてあげる。アンタたちも強制的にトーナメント出場者だもんね」

 生徒会長、鋭意早紀が戻ってくる。

 そして白い箱のガムテープをはがしながら話す言葉にちりばめられた単語。





「あんたたちには、トーナメントに出場してもらう。ハイこれ」

 白い箱から取り出され、渡されたものは刹那が持っているウォークマンと同じ色をしたカウンター。個数を数えるカウンター。

 璃維には、円盤が。十字架が彫られた円盤。





「いい? これから話すこと、きっちり記憶するんだよ?」





後書き


作者:斎藤七南
投稿日:2010/06/05 09:39
更新日:2010/06/05 09:39
『Devil+Angel=Reo』の著作権は、すべて作者 斎藤七南様に属します。

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作品ID:209
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