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作品ID:2299
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灰縞 凪 ■遠藤 敬之 


学園エデン

小説の属性:ライトノベル / 学園 / 感想希望 / 初投稿・初心者 / R-15 / 連載中

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奈落の人生と、青の山巓

目次

 人生が描くグラフは実に奇妙な形をとる。自分が予期せぬ意外な出来事によってそれまでの人生から決定的にかけ離れた道を歩み、それが吉と出るか凶と出るかは誰もわからない。
 かくいう光宗朔耶も、そんな天候不順の荒波に翻弄される人生を送り、中学二年生にしてようやく舵取りのコツを掴み始めた人間の一人である。
 だが……そんな矢先に彼の人生最大の悩みが訪れることとなった。主に思春期真っ只中の少年の悩みといえば恋路や進路などであろうが、彼に関してはその程度の悩みは煩悩とすら言える瑣末事に過ぎず、人生を根本から揺るがす激震が走らんとしていたのである。
 それはもっと即物的かつ威力の高いもの──すなわちいじめである。
 いじめといえばとりわけ民度が低いところで多く行われる印象があるが、多くは理由なく行われる。あるいはあっても些細なことから始まる。容姿や性格、学力財力出自|その他諸々《etc.》。
 そしていじめにも、些細なものから命を奪いかねない過激なものまである。だがあにはからんや、奇しくも彼のもとに訪れたいじめとは、その中でも最上級のものであった。人死が出るレベルである。
 学校側にもこの事態を憂慮して対策を立てようとする者もあったが、それは極度の事なかれ主義を信奉する学校長によって蓋をされ、日の目を見ることのないよう闇の中へ葬り去られたのである。現在進行形で生徒間のおぞましい悪虐行為が行われているというのに。
 対岸の火事だったいじめの火の粉は、やがて朔耶の元にも舞い落ちてきた。朔耶は知っていた。自分の隣席に白い枕花が置かれた時からそれは始まったのだ。

後書き

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作者:重川俊
投稿日:2020/08/31 22:11
更新日:2020/08/31 22:11
『学園エデン』の著作権は、すべて作者 重川俊様に属します。

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作品ID:2299
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