目の前には永遠と続く道が野原のなかに一本通っていた。



…………一体　どこまで歩けばいいんだ？

　

　リョウは汗がだらだらと滝のように流れていた。そしてリョウの意識はだんだん　少しずつ遠くなっていった。





　次に意識が戻った時はベッドの上にいた。

見知らぬ天井、そして見知らぬ部屋



　ここは？



　リョウは起き上ると部屋の外に出た。すると長い廊下に出た。

しばらく歩くと人の声と音楽が聞こえた。とても騒がしい。

　

「あそこに行けば　ここがどこどこだかわかるかな？」



リョウは答えを早く見つけようと声がする方向へ走った。ドアに辿り着くとゆっくりとドアを引いた。すると目の前には酒を持って踊り狂う人や何人かでテーブルにまとまって、何かを話している人もいた。

リョウはしばらく入れずにいると、一人の男が気付いてこっちに歩いてきた。男は腹が出ていてその上にピッチピチのエプロンを着けていた。



「気がついたかい？　あんた道端に倒れていたところをある男が見つけてここに連れてきてくれたんだ」



「あの…　ここは？」



「ここは　賑やかな都、ロアロスの酒場だ」



グーーーーーーーー



リョウの腹が鳴る。それもそのはずだリョウは異界に来てからまだ何も口にしていないからだ。

男は大きな声で笑いながら言った。

「腹がすいたか？　お?い　飯一つ頼んだぞ」



「そ、そんないりませんよ　お金も持ってないし」

リョウは遠慮するが、男は無理やりすすめた。

「金はツケで良いよ、金は依頼を受ければ手に入る。依頼はそっちのカウンターで受けることができる。」

男は右を指して言う。

「依頼ってどんなことをすればいいんですか？」

リョウは不安げに言う

「依頼って言っても種類はあるが　大体は猛獣やモンスター関係だな」

「そ、そんなの　できっこないですよ」

リョウはますます不安になる。

「初めての奴はパーティーを組んで行った方が良いな」

「でも　どのパーティーに入ればいいのか…」

リョウは男の後ろに大きな人影が見えた。

「それ　俺が引き受けますよ」

男の後ろから大きな男が現れた。その男はパトラという名前で世間では初心者殺しのペトラと呼ばれていた。

「ぺトラ、お前はだめだ　すぐ初心者を殺すじゃないか」

男はぺトラに向かって言う。

「あれは　自分で自殺行為をして死んでるんだ」

ぺトラはきっぱりと言い返した。

「はじめまして　ぺトラだ」

「こちらこそ、はじめまして　リョウです」

リョウの声はおびえで震えていた。

「リョウ　こいつがお前を助けた人だ」

　男はリョウの耳に口を近づけこそこそと小さな声で言った。

「こいつは初心者殺しぺトラと言って、初心者を依頼に連れていくとその初心者は帰ってこないんだ　気をつけろよ」

　リョウの震えはますます激しくなった。

「そいつがなんか変なことを言ったようだけれども、早速依頼場所に行くよ　もう依頼は受けたから」

「ぶ、武器は」

「そんなの　自分で稼げ　依頼の報酬は半分ずつだから　死ずに帰ってくれば、武器を買えるさ」

ぺトラは無駄にリョウをおびえさせてから、都の門を通った。