リョウは謎の怪物からの挑戦状を持ち、ひたすら道を歩いていた。リョウは温泉の町センタクトを行動の拠点にしようとしていた。センタクトまでは約一カ月ほどかかるので途中いくつかの町へ寄ることにした。そして最初の経由地テスタへたどり着いた。リョウはここで謎の怪物へ立ち向かうために武器を強化しようと、この町へ寄った。リョウは、この町で刀加工の名人に会うため、町の奥地へ向かった。そこは、町の中心部とは違い古びた建物がいくつもあり、気味が悪かった。しばらく行くと、上り坂になった。上まで登り切り家の前まで来ると辺りはすっかり暗くなっていた。

　リョウはドアをノックした。すると

「お入り」

という声が聞こえた。リョウは

「おじゃまします」

　と言って中に入った。すると一人のおじいさんが暖炉の前で椅子に座り、キセルを口にくわえていた。

「よく　来たね　とりあえずかけて」

おじいさんはお茶を出してくれた。

「で、用件はなんだい？」

「この刀に、このデトライトウルフの牙を加えてほしい」

リョウはおじいさんに赤い刀と青い刀、そしてデトライトウルフの牙を出した。

おじいさんは首にかけてあったメガネをかけると刀をよーく見始めた。

「これは　ちょっと難しいね　その分金がかかるが良いかな？」

　リョウは首を縦に振った。

「料金は200ゴールドになる　金はできてからでいいよ」

　ゴールドとはベルという、この世界金の単価が１万ベルで１ゴールド。ちなみにこの世界の住民の平均とされる農民の一般年収は約１ゴールドだ。

　リョウはお茶を飲み終わるとそのに出ようとした。

「今日はもう遅いから　止まっていき来なさい」

　リョウはおじさんに部屋を案内され、そのままベッドに入り寝た。











次の日の朝、朝食を食べた後、町に戻ろうとすると、

「金だけ持ってきて帰っておいで　どうせ町に行ったってやることはないだろ　君に案内したいところがある」

リョウは、町の銀行に行き２００ゴールドを下ろすと銀行の人にびっくりされ、止められるが、ハンターズカードと言うハンターは必ず持っているカードを見せた。ハンターの平均月給は１０ゴールドだが、これはあくまでも初心者の月給である。リョウは６＋ランクのクエストも楽にクリアできるハンター、上級ハンターなので月給１００ゴールドは余裕で稼げるのである。このカードにハンターのランクが書いてあるので上級ハンターということが分かれば大金を下ろして、補導されそうになることはない。

　リョウは２００ゴールドを袋に入れてもらうとおじいさんの家へ帰った。



　おじいさんの家にはお昼頃着いた。袋を部屋の金庫の中に入れ昼食をとると、おじいさんに案内された。案内されて、着いたところは洞窟の奥にある小さな部屋だった。するとおじいさんは時計、サバイバルナイフ、そして無と書かれた箱と、脱と流が書かれた箱を渡された。

「その二つの箱を壊せたら君は強くなる　でも結構きついからせいぜい１時間　１時間たったら１５分間休んだら、またやればいい」

　そう言うとおじいさんは一人で帰って行ってしまった。

　３時間ばかり経つとリョウはおじいさんの家に帰った。二つの箱は傷一つ付いていなかった。

「おじいさん　ヒントをください」

「いいだろう　無の箱の方は心を無にして切る　脱、流の方は力を抜き箱の出す流れを読み、切る　すると壊すことができるだろう」



リョウは夕食を食べ終わりベッドに入り寝た。

そして次の日から洞窟にこもりひたすら箱を切り続けた