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作品ID:292
「リンネの非日常な日常」へ

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リンネの非日常な日常

小説の属性:一般小説 / 未選択 / 感想希望 / 初級者 / 年齢制限なし / 連載中

前書き・紹介


プロローグ

前の話 目次 次の話

 カツン……!



大して大きくもない音が、ここではやけに鮮明だ、とおぼろげな意識の中、女は思った。

でこぼこと凹凸のはげしい床や壁、そしてさびて茶色くなった鉄格子しかない空間で両手を頭上で縛り付けられた女はぐったりとうなだれていた頭をゆっくりと音のしたほうへとむけた。

瞬間、女の目が微かに見開かれる。



「アストロッド……」



女はとても大切な言葉をつむぐように、一つ一つ丁寧に言葉を作った。

そして、そんな女を愛おしそうに、そして悲しそうに……アストロッドと呼ばれた男は見つめた。



「シルビレシア……貴女ははなんて、なんておろかなことを……」

「わたしはたとえどんなに愚かといわれようが構わない!わたしは……私は、私にはお前を失うより怖いことはないのだ」



女……シルビレシアは、このような牢獄でさえ穢れることを知らない美しい青の瞳で強くアストロッドを見つめた。

シルビレシアの、天使とも見える美しい容貌がその強い意志でさらに美しさをます。

しかし、アストロッドはシルビレシアの決意の強さを目の当たりにし、さらに悲しみの色を濃くした。



「それが、たとえ死であったとしても?」

「私は……私自身の死など恐れはしない」



シルビレシアは力強くそういいはなった。

一瞬の沈黙の中、ガランとシルビレシアの足を縛る鎖が音をたてる。





「貴女は……貴女は勝手だ」



「え?」



「貴女がが私を失うことを恐れるのと同じように、いやそれ以上に……私も貴女を失うことを恐れている。貴女もそれをわかっているはずだ。貴女は、私に死より辛い思いをせよ、と。そういうのか!」

「アストロッド……」



シルビレシアは目を見開いてアストロッドをみた。

そして、自嘲的な笑顔を浮かべた。



「そうだな……私はどこまでも勝手な愚か者だ……自分のことしか考えられない」



シルビレシアは、顔を伏せそっと呟いた。





「だから、私は最後まで身勝手に生きる!アストロッド、私の最後のお前へのわがままだ。お前は、生きろ!」



「勝手だな」



アストロッドはポツリと呟いて、唇を強くかんだ。

ぽたりと、地に赤いしずくが落ちる。













「だけど……









私は、貴女だけを愛している」

後書き


作者:
投稿日:2010/08/22 05:40
更新日:2010/08/22 05:40
『リンネの非日常な日常』の著作権は、すべて作者 涙様に属します。

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作品ID:292
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