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作品ID:328
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武器の名前で呼び合おう!

小説の属性:一般小説 / 未選択 / 感想希望 / 初級者 / 年齢制限なし / 休載中

前書き・紹介


全学年合同ドッヂボール開催!! ?中編?

前の話 目次 次の話

「いよっしゃー!!

 あいつらと別々じゃぁ!!」

 ガッツポーズをして、上着オレンジ白ワイシャツを着た麻生 弓が生徒玄関前に置かれた掲示板の前で叫んでいた。



「ゆ、弓。

 そんなに嬉しいの? あんなにやる気なさそうだったのに……」

「そりゃ勿論!!

 あたしだってねぇ? 最初はやる気なかったわよ」

 弓が生徒玄関を通り、下駄箱に外靴を入れ、エナメル加工が施された上靴を出し履く。



「だけど、あいつらが敵だと分かったら……へっへっへ。

 やる気なんぞ出る出る!! あーはっはっはっ!」

 腰に手をあてて、体を仰け反らせて弓は笑う。



 弓が言うあいつらとは?

 もちろん。



「へっへっへっ。

 今度こそ、そして今こそがアイツら、

 月波槍または柊二卵性双生児共を見返してやるときだっ!!」

 弓の幼馴染であり1-Bに所属する、月波 槍と、此処私立ヒイラギ学園創立者の子供である1-C、または1-D所属の柊 詩穏と琥音が今回はドッヂボールでの敵となる。



「でも、珍しいよねー。クラス対抗なのに、今回は男子女子で分けるなんてさー」

 笑顔で同じ弓道部所属の友人に言われ、弓は内心で疑問を抱いていた。



〈確かに……。

 よく考えればそうよね。男子と女子じゃあ規格外な子は居るとはいえ、力や身長の差がどうしてもでてしまう。

 だからこそ今まではクラス対抗としてやってきたのに……〉

 このドッヂボールは全学年合同で行う。

 しかし中等部と高等部は混ぜず、中等部は中等部、高等部は高等部で行い、なおかつクラス対抗で行うこと。

 それがこのドッヂボールにおいてのルールみたいなものだった。

 しかし今回は、クラス対抗ではなく男女対抗。

 疑問を覚えないほうがおかしいのだ。



「でもま、逃げてればいいんでしょ? ウチらは」

 弓の右肩をポンッと叩き、小走りで廊下を行く友人の姿を見送り、弓は笑っていた。



〈逃げてれば……逃げる必要なんてない。

 あたしたちは大丈夫。あたしたちに逃げるなんて要らないの〉

 弓が本気でこのドッヂボールに向き合うときがこのとき。



「さて、学年合同ドッヂボールも明日に迫った今日!!

 シュミレーションとして1.2年生、3年生と分かれて練習試合しましょうか!」

 婚期を逃した女性教師が某スポーツブランドのジャージを着て腕まくりをする。

 因みに体育教師であり、その運動神経は誰もが評価するところだが、意外とドジだったりする。



「1.2年生と一緒で3年を相手にするのかぁ」

「でも、それで大体分かるよね。男子のレベルは」

「どーだろ。弓の言葉を借りるわけじゃないけど、規格外な子も居るみたいだから」

 苦笑するこの友人は弓道部所属ではない。

 長い髪が歩くたび揺れる。長さは背中中間あたりまで。

 明るいブラウンの髪を持つ彼女は月波 槍と同じ長槍部。

 『ちょうそうぶ』なーんて聞かないけど、この学校には結構、面白い部とかがあったりする。



「うーん。槍とか詩穏、琥音がその、いい例?」

 長槍部入りたての村森 ユキ。

 家はなんだか、物騒だとかもしかしたらヤクザなんじゃないかとか色んな噂が飛び交うこの少女は確かにそう思わせるだけの長槍使いなのだ。

 彼女の身長が160センチ。それよりも長い180センチの長槍を振るうユキは、結構親しみやすい少女。

 同じ1?Aのクラスメイトで、弓と槍の関係も知っている子。





 体育館。簡単に説明するならテニスコート四面分。

 全学年合同ドッヂは、グラウンドで行うため、あくまで体育館で行うドッヂはシュミレーションに過ぎない。



「じゃあ、全員居ますね?」

 2.3年担任と我らが担任、体育教師であるあの婚期を逃した女性教員が確認をとる。



「じゃ、始めましょうか!!」

 元気よく体育教師が体育館を二分する線を決め、1年と2年に分かれ3年と分かれる。



 自慢じゃないが。

 1年という学年単位では友人の数は一番多いと思うあたし、麻生 弓。

 ゆえに……。



「先輩たちには悪いけど、こっちにはチームワークっつーのがあるんで、さっさと内野ゼロになってください」

 輝かんばかりの笑顔で線の向こう側に居る先輩方を見て、放つ言葉。



 ここで説明。

 男女差がある今回のドッヂボールはクラス対抗のルールのほかに、別のルールも付加される。

 小学生や幼稚園児とかならまだしも、高校生や中学生となればはっきりと男女差が出てしまう。

 そのため、男女で分けられるこのドッヂでは最初のボール権が女子に渡されたり、ドッヂボールを5秒間以上手にできたりと様々なハンデがつけられる。

 しかし、それを無視して男子〈平均〉と互角にやりあう女子生徒〈非凡〉が一人。

 それこそが1?A所属、麻生 弓である。



「おらぁ!! さっさとくたばれやぁ! 先輩共ぉ!!」

 鬼のごとき形相で白い柔らかなゴム製のドッヂボールが見ている方からすれば「火ぃ纏ってない!?」と叫びたくなるような剛速球が3年生たちに向かっていく。

 バウンドしたボールがこちら側に戻ってきて、弓がさらにぶつける。

 勿論だが。その際に火が纏っているような気がした。毎回。



 シュミレーション5分後。

 麻生 弓一人で3年女子〈平均〉たちを全滅させたことは担任や体育教師たちの記憶に新しい。





「いやぁ?。

 こう動くとストレス発散になるもんですな! ユキ!!」

「……私にふられても、分からない……」

 頭を抱えつつ、帰ったら頭痛薬を飲まないと、と確信したユキであった。



後書き


作者:斎藤七南
投稿日:2010/09/20 12:52
更新日:2010/10/04 19:26
『武器の名前で呼び合おう!』の著作権は、すべて作者 斎藤七南様に属します。

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作品ID:328
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