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作品ID:401
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美少女は危険を連れて来る

小説の属性:一般小説 / 未選択 / 感想希望 / 初級者 / 年齢制限なし / 完結

前書き・紹介


少年色彩四季の決断

前の話 目次 次の話

「私はやつらを許したくない・・・ 絶対に許さない!!!」

「・・・」

 いやー・・・ 驚いた・・・

 何に驚いたって? それは、あの黒夜があんなに大声で感情を見せた事は無かった。クラスのおとなしい子並みには感情が表には出ていたが。想像して欲しい。学校のクラスでそんな子が本気で怒っている様子を。そうして貰えれば今の状況が分かる。

「すまない・・・ 少し取り乱した・・・」

 いや、少しどころでは無いと思うんだけど!?

 いや口には出さないけどさ・・・

「私を・・・」

 黒夜が続ける。

「私を手伝ってくれないか? 私一人ではやつらには勝てない・・・」

 少しつっかえながら言い切った。たぶん俺を巻き込みたくないと言う気持ちと助けて欲しいと言う本心のあらわれだろう。黒夜の顔は苦しそうに歪んでいた。

 今目の前には少女が一人居る。

 その少女は今にも爆発しそうな爆弾を抱えている。

 あなたならどうする?

 今四季は今そんな状態なのだ。

 普通の人間ならためらうだろう。

「別に構わない」

 しかし、この少年は違った。

 黒夜の表情が一瞬で変わった。信じられ無いような物を見るような表情だった。

「? どうしたんだ黒夜?」

「今の言葉・・・」

「?」

「今の言葉をもう一度言ってみろ」

「別に構わない」

 その言葉に黒夜は深く嘆息してから一言

「君の頭はいかれてしまったようだ・・・」

「いきなりそんな事言われると凄い傷つくんだけど」

「私の責任だ・・・ あまりの恐怖だったんだろう・・・ 可哀想に・・・」

「まだ常人だから! 大丈夫だから! むしろお前のほうが大丈夫か?!」

「私は・・・ なんて事を・・・」

「お?い。聞こえるか?」

 だめだ、話が通じない!

 さてどうするか・・・

「なぜだ?」

 お! 帰ってきた。

「何がだよ?」

「普通は私を見捨てるだろう? そうでなくても少しは躊躇するだろう?」

「何だ? そんな事か?」

 その言葉に黒夜の様子が変わった。

「そんな事とはなんだ! 君は自分がどう言う事を言ったか分かっているのか!?」

「分かっているけど?」

「いや! 君は絶対に分かって無い!」

 なんだか分からないがこのままだと話が進まない。

「おい」

「なんだ?」

「一回落ち着け」

「落ち着けるか!」

 仕方が無い。

 立ち上がって台所に向かう。後ろで黒夜が、おい! 何所へ行く! っとか言ってるけど気にしない気にしない。



      5分後



 目の前に大量のお菓子の大群があった。

 お互いの前にあるマグカップには当然ホットココア。某リトル○スターズの神○小毬でも食いきれないかも知れない量のお菓子が。

「・・・」

 黒夜は絶句していた。

「食っていいぞ」

 こいつ何言ってんだ? っとでも言いたげな目でこちらを見てくる。

「一体何がしたい?」

「ん? ああ、このままじゃ落ち着いた会話が出来そうではないからな」

「フン! こんな物にもぐもぐ、わはひはひっははふほへほおほっはは(私が引っかかると思ったか)もぐもぐ」

「いいから黙って聞け」

「もぐもぐ」

 よし、思惑どうりになったな。

「俺がお前を助けるといった理由か? お前が聞きたいのは?」

「ほうは(そうだ)」

「そんな物無い!」

「じゃあなぜだ!」

「だから落ち着けって。これ食うか?」

「は! わはひはほふはへひひっははふほおほっへいふほは?(私がそんな手に引っかかると思っているのか?)」

 言動とは正反対に体は正直だった。

「確かに理由は無い。しかしお前を助ける理由はある」

「どっちだ? 君は自分が言ってることの矛盾に気づいているのか?!」

「お?ち?つ?け?」

 そう言って黒夜の前にお菓子を差し出す。

「ふ・・・ ふん! そ・・・ そんな・・・ 物に・・・ ひ・・・ 引っかかる訳・・・ な・・・ 無い!」

 お? がんばってるがんばってる。

「確かに矛盾しているな」

 黒夜は必死にお菓子の誘惑に耐えている。そのまま話を続ける。

「でも、俺には十分すぎる理由だ。俺は昔、本気で困っている事があった。それはもう死活問題に匹敵するくらい。だけど、誰も助けてくれなかった。誰も、助けようと思えば助ける事も出来た。でも誰も助けようとはしなかった。それどころか。俺を食い物にしようと言う輩まで現れた。もう、そんな想いをするのも、ましてや、させるなんて事なんて出来ない」

 それを聞くと黒夜は申し訳なさそうにお菓子に手を伸ばした。っがしかしとられる寸前で手を引き、そのまま食べる。

 黒夜は少しむくれた後獣のようにお菓子を貪り始めた。

 俺も食べるかな・・・

 その後二人でお菓子を食べ続けた。

 嫌な事を忘れるように。









 そして、お菓子も無くなった後、黒夜が言った。

「君はお人好し過ぎる」

「自分でも分かってる」

「助けたからといってそいつが助けてくれるかは分からないのだぞ?」

「それも分かってる」

「君は馬鹿だ。あほだ」

「う! そ、それも分かってる」

「もう一度聞く・・・」

 黒夜が真剣な表情になった。

「私を助けてくれないか?」

 今度ははっきりと言った。

「ああ、分かった!」

 答えは変わらない。大きくうなずいた。

「いいのかもう戻れないぞ?」

「もともと戻れないだろ?」

「最悪死ぬぞ?」

「何を今さら、承知の上だ」

「そうか・・・」

 そう言って黒夜は黙ってしまった。

「・・・ありがとう」

「? 何か言ったか?」

 その言葉は四季には届かなかった。

「いや、なんでも無い。それよりも・・・」

「今度は何だ?」

「私は君を信じていいのか?」

「ああ!」

 また大きくうなずく。

「では私は再び君を信じる!」

 黒夜はそう言って笑った。

 俺は右手を黒夜の前に差し出す。

「よろしく!」

「こちらからも頼む!」

 そう言って握手した。

「俺からも一つ良いか?」

「何だ?」

「そのかたっくるしいの止めてくれないか? せめて名前で呼んでくれないか?」

「分かった四季、これで良いか?」

「ばっちりだ!」

 こうして二人の戦いが始まった。

「・・・四季、君は本当にお人好し過ぎる・・・」

「どうした?」

「なんでも無い」

 そのつぶやきも四季には届かなかった。

後書き


作者:総 誉
投稿日:2010/10/11 22:16
更新日:2010/10/28 20:16
『美少女は危険を連れて来る』の著作権は、すべて作者 総 誉様に属します。

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作品ID:401
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