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作品ID:594
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遠藤 敬之 ■a10 ワーディルト 


White×Black=Glay?

小説の属性:一般小説 / 未選択 / 感想希望 / 初級者 / 年齢制限なし / 連載中

前書き・紹介


White×Black=Glay? ?6色目?

前の話 目次 次の話

 ごめんなさい。

 そう、謝罪した少女が居た。少女の後ろには、怯えた様子の少女が居た。

 また、違う形で出会えたならば。

 そう、唇を噛んで俯いて、顔を上げて笑ったツインテールの少女が居た。



 自分を、恨み、憎み、そして捨てた両親が、見えた。居た。





 嫌な夢を見た。毎度、ではないが、たまにみる夢は、いつも自分にとっては嬉しくない夢ばかりだ。

 額に浮かぶ大粒の汗は、自分の様子をあらわしているようで。

 こんな、自分を妹には見せたくない、そう思った。

「……おねえちゃん」

 横になった状態の自分に、歩み寄ってくる妹は、可愛らしい顔をゆがめていた。

「おねえちゃん、春袈さんが、おねえちゃんに、おはなし、あるって」

「……話?」

「うん」

 ゆがめていた理由はそれか。

 妹……草花 黒刃は、基本的に自分しか信じようとしない。

 自分が他人と話していれば、黒刃も懐くが、自分もあまり他人とは話さないほうだ。そんな状態でどうやって黒刃を他人と話させようか。

「分かった。今行く」

 掛け布団を退け、妹を連れて部屋を出る。



 また、嫌な夢を見始めたのは……ここ、情報都市に来てからか――。



「で、お話って?」

 とても、1つのチームを率いるリーダーに対する言葉遣いではないと思いつつも、まだ信用できない部分もある人物を相手にするとなると、どうしても言葉遣いが悪くなってしまう。

「魔王、日風哉河に聞いた」

 リーダー、鋼夜 春袈はクリーム色のパーカーのフードを被ったままで、今、自分たちが泊まっている宿の玄関に佇んでいた。

「んじゃ、ちょっと歩こうか」

 春袈の後姿を睨みながらも、自分、草花 舞葉は春袈の腰に装着されている、ポーチに目を離せずにいられなかった。





「うーん。私さ。魔王に聞いちゃったんだよね」

 何を話されるのか、と不安になりながらも身一つで何の装備もなく、春袈についてきたが……いきなり魔王の名前を出されるとは……というよりも。

「……NEVと接触したの?」

「あー。昔のパスワードは使ったかなぁー?」

「あんなに、NEVとは接触しないでって言ったのに……!」

「うーん。でも、魔王はNEVであってNEVじゃないからねー」

「ごまかさないで。魔王はNEVのデータベースを護る番人ですらある。ゆえに、魔王はNEVのメンバーとして登録されている。これを魔王はNEVのメンバーだと言わない方法がどこにある?」

「魔王に聞いたのは、あんたたち双子の幼少期のこと」

 自然と。

 両目が見開いた。



「草花舞葉、黒刃。双子の子供。NEVに居た当時は、産まれて数ヶ月の赤子だった。魔王に連れられ、魔王が教育係となり、今まで能力を伸ばしていた。だが、それをよく思わない、私の同僚がキミたちを連れ去った……どこか間違ってるところ、あるかなぁ?」

「……」

 魔王に聞いたとき、正直、同僚を捜そうかと思った。

 何故、双子を連れ去ったのか。その理由を聞きたかったから。

「間違っては、いません。ただ訂正していただきたい箇所が」

「どこ?」

「貴女の同僚……遠藤唯納、夏原瓢臥が私たちを連れ去ったと思われているようですが……」

 ついで、自分の背中に冷たいものが走る。

「もう1人、いらっしゃいました」

 ポーチに手を伸ばす。

「名を」

 ポーチから、ロッドを取り出す。

「……楓つつじ、といいます」

 振り向きざまに薙ぐ。

「彼女は、私たちにいいました」

 唄うような声を後ろに聞きながら、正面に立つ少女にロッドを突きつける。

 いや……。

「『あなたたちは、全てを知る義務がある。意味がある。だから、外へ出なさい』」

「そして、レオを召喚しなさい」

 少女が口を開く。

 立つのではなく、宙に浮いた少女が。

「レオを召喚する……?」

 自分が口を開くと、少女が答える。

「NEVは間違えてしまった。レオを召喚する相手を。レオを召喚すべき相手を」

「それが、草花双子だと?」

「正解。ただ、彼女たちでは足りない」

 今の、双子にはレオを召喚する術を持たない。

「だから、貴女が手を貸す。私が、手を貸すの」

 翼も、何もない状態で宙に浮かぶ少女に、怯えを覚えたことがある。

 初めて出遭ったはずの、少女になぜか会った気がする。

「貴女のその疑問は、今は解かない。解いちゃったら、つまらないもの」

 なぜか、少女の笑みが懐かしく思えた。

 なぜか、少女の姿が同僚の姉と被さった。

 そして、春袈は決めた。

 少女が飛び立つ。

「ねぇ、舞葉」

 少女が完全に見えなくなったところで、ロッドを仕舞う。

「私、決めたんだ」

 振り返る。目を見開いた草花 舞葉が居る。

「私、チームを辞めてみる」

 簡単には、口にできない。

 だから、決めるには相当の時間を必要とするはずなのに。

「……分かりました。チームメンバーには、私のほうから説明いたしましょう」

 即答ではないものの、舞葉は頷いてくれた。さらには、説明もしてくれると約束してくれた。

「ウォークマンの手がかり。私、見つけてくる」

 最初は、ウォークマンの秘密を暴くために動くはずだった。

 それだけのために、動くはずだったのに。

「んで、あんたたちを、NEVから本当に解放してみせるから」

 新しい目的や、理由が見つかってしまった。

「NEVから、逃げながら過ごすなんて、嫌でしょ?」

 問い掛ける。舞葉は、苦笑いしながらも笑う。頷く。

「なら、私も頑張ってみる」

 NEVから逃げながら、ウォークマンの手がかりを捜すことは、単独でできないようなこと。

 必ず、どこかでNEVに見つかる。

 それでも。

「完全には連絡を絶たないでください。NEVの潜伏場所、NEVの地方基地の場所、NEV兵士のルートなどをお伝えします。……私には、これぐらいしかできませんから」

 1人、ここに頼もしい仲間が居る。いや、1人じゃない。他にも頼りになる仲間が居る。

「ありがと」

 だから、安心して、捜してみる。

 安心して捜せる。



 最初は、不安だった。

 いや、いまも不安で仕方ない。

 だから、その不安を妹を護るっていう理由で隠してきた。

 だけど、そんな隠し事はできない。

 それよりも、この不安が、この人の力になれるのか。そんな不安がある。

 それでも、この能力とも才能ともいえない、力ともいえないモノがある限り、私はNEVというものから逃げ続けなければいけない。それでも。

「私には、予知夢があります。不定期に見ることのできる予知夢」

 そんな、忌まわしい夢が見える限り。

「私、その夢を利用してやりたいと思います」

 心から笑う。

「だから、貴女も頑張って」

 こんな忌まわしい夢を、この鋼夜 春袈という人物のために使えるならば、それはとても幸福だ。

 理由……は残念ながらわからない。それでも、幸福だと思う。

「ありがと」

 再度、お礼を言われた。

 こうやってお礼を言われる事はないので、照れてしまう。





 予知夢。私にとっては忌まわしい夢。

 だけど、この人にとって、とても便利なものになるというなら。

 忌まわしいものじゃなくて、楽しいものにしてみたいと思う。







後書き


作者:斎藤七南
投稿日:2011/01/03 12:14
更新日:2011/01/03 12:14
『White×Black=Glay?』の著作権は、すべて作者 斎藤七南様に属します。

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作品ID:594
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