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作品ID:564
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バール ■遠藤 敬之 


White×Black=Glay?

小説の属性:一般小説 / 未選択 / 感想希望 / 初級者 / 年齢制限なし / 連載中

前書き・紹介


White×Black=Glay? ?5色目?

前の話 目次 次の話

「お待たせいたしました」

 ヴィルヴェスタにある高層ビル、最上階で、鋼夜 春袈はエレベーターを見た。

 パーカーを着た、春袈はエレベーターが開かれていく様子を、静かに見守る。

 そこに立っていたのは、まだ10代後半と思える少女。

「初めまして、元NEV戦闘員、鋼夜春袈さん」

 敬称をつけた言葉は、しかし無感情すぎた。

「魔王、日風哉河……」

「はい。私が、魔王、日風哉河です」

 お辞儀をする、日風 哉河(ひかぜ かなか)。

 青い髪と黒い瞳が特徴的な、17歳の少女だ。

 17歳の少女とは思えないほど、落ちついた様子の哉河は、本人が言ったように『魔王』と呼ばれている。

 無感情すぎた声は、春袈と哉河しか居ない最上階フロアで、よく響いた。

「では、そんな魔王に問いますか」

 溜息をついて、春袈は声をかける。

「草花姉妹に関して、情報、ある?」

「……魔王は……。この世に関しての情報はもちません。意味がないので」

 俗世から、切り離された存在。それが魔王なのだ。

 そんな魔王にしてみれば、この世の情報など要らない。

「さすが、魔王」

「ほめ言葉として、受け取っておきますね」

「ってことは、意味なかったかな……。魔王を呼んだのは」

「かも、しれませんね」

「……」

「……」

 お互い、無言が続く。

 しかし、春袈は微笑を浮かべて、問い直す。

「では……。人間、日風哉河に問う」

 その言葉は、哉河にも予測不可能だったのか、目を見開く。

「人間ならば、魔王でなければ、答えるとでも、思いですか……?」

「もちろん。でなければ、こんな問いをするはずがない」

「……」

「答えてもらう。草花姉妹の育て役でもあった、日風哉河」

「……NEVと関係がない、と言い張る人の言葉ではありませんね」

「忘れたわけ? こっちには電子機器の扱いだけなら、誰にも負けないほどの腕があるスタッフ、居るんだよ?」

「…………桃風、羽夜華」

「おぉ。羽夜華も名前を知られるようになったか」

「NEVのデータベースに侵入した者の名前は、全てNEVのシークレットになります。

 しかし」

 そこで、哉河は言葉をきる。

「しかし、です。NEVのシークレット認定には、NEVの許可を頂くことが必須条件。

 だが、それには……あまりにも時間がありすぎる」

「私も、NEVに居た事があるから、分かるが……。確かに、シークレット認定は、申請から相当な時間を要しているようにも見える」

「はい。なので、申請から認定までの5ヶ月という期間の間があるということを知っている者は、皆、その期間中にNEVのデータベースを覗こうとするんです。そして、それを遮っているのが、私」

 魔王、日風哉河。

 世の中の情報には興味がない。

 しかし、世の中の情報は、世の中の人間にもたらされるものであり、決して覗きみるようなものではない。

 よって、魔王が、誰よりも世の中の情報に興味がない魔王が、データベースの侵入者を監視している。

 だが、魔王よりも早く、侵入した者が居た。

 名を、桃風 羽夜華。

「桃風羽夜華は、私よりも早く、侵入しました」

 もちろん、哉河は焦った。

 だから、自分に従う者たちから羽夜華にも負けないほどのスタッフを使った。

 魔王に従う、者。

 名を、瑞橋 永瀬(みずはし ながせ)という。

 魔人、瑞橋 永瀬。

「……正直、悔しかった。今まで、どんな侵入者をも退けてきた私が……」

 唇を噛み、哉河は青い髪を、かきあげる。

「ですが、私は、桃風羽夜華という人物を監視するために、すぐ行動を起こした」

 悔しがっている暇などない。

「私、確かに草花姉妹を育てました。まだ、1歳にもならない赤子が実験道具にされているのを知り、すぐ、彼女たちを私が育てる事に決めたんです。

 彼女たちを育てるまでのことなど、簡単でした。だって、彼女たちの両親は彼女たちを、子供ではなく実験道具としか見てない。そんな人たちの意識操作など、私にしてみれば簡単なものです」

 だけど、そこで草花姉妹にある、大きな障害が哉河を襲った。

「……彼女たちは、度重なる実験で、ほとんど自由に動けなかった。

 最初は、まだ1歳にもならない子供だから、と認識していましたが、年齢を重ねるごとに、不安は確信に変わってきた」

 自分の足で動けない。立てない。自分の手で掴めない。読み書きをするためのペンすらもてない。

「今は、その障害すら飛び越えてみせましたが、まだ彼女たちには後遺症が残っている。

 それを、隠すために私は桃風羽夜華の監視役として、彼女たちを抜擢した」

 姉の舞葉には、妹と自分の身を護る術と、元からある、冷静な判断力があった。

 妹の黒刃には、姉から離れることが、精神的にできないという問題点があるが、姉のサポートを受け、黒刃にも、羽夜華に負けないほど電子機器に強くなった。それに、人が嘘をついているか、そういった判断力も不確かではあるが、ある。

 この姉妹ほど……桃風羽夜華の監視役にピッタリな者は居ない。

「……それで、舞葉と黒刃を逃がした?」

「いえ、逃がしたのは、遠藤唯納と夏原瓢臥です」

「NEVをやめたのか?」

「そこからの情報は、遠藤唯納、夏原瓢臥のカテゴリーに含まれています。

 また、この情報を引き出すには、パスワードが必要です。暗証お願いいたします」

 今までの、感情的な声とは違い、最初のように無感情な声に戻った哉河が言う。

(パスワード……NEV戦闘部員だったときのパスワードは使えないよな……)

 NEVにおいて、パスワードとは、高度な機密情報を引き出すときに使う。

「H6192H4n2エ-H402dss」

「パスワード認証、失敗しました」

 無感情な声。

「……パスワードがないと、ダメなのか」

 遠藤唯納と夏原瓢臥は、春袈のNEV時代の同僚である。

 だから、舞葉から2人のことを聞いたとき……春袈は、考えた。

 唯納は、NEVとしての戦闘員としての素質もあるし、サポートとしても能力が高い。

 瓢臥は、夏原美佳という女性の弟であり、その能力も引き継いでいる。

 この2人は、NEVの要となるべき人材だったのに。

 2人が居なくなれば……今後のNEVは、予測つかない状態となるだろう。

 鋼夜春袈という少女を失い、遠藤唯納、夏原瓢臥も失った。

「私たちを失った、NEVがどう動くのか……予想もできないな」

「それは……私にもわかりません。しかし、1つだけ、言えますよ?」

 哉河は笑む。

「まだ戦闘部の部長、鋭意早紀も居ます。それに、技術部長となった、シェリアードも居ます。

 他にも、ライナ・メロディス、ライナの兄、フェンシュ・メロディスも居ます。

 NEVは……まだまだ強くなれます」

 世の中の情報には興味がないと言った、魔王が笑んでいる。

「あぁ、そうか。NEVにもまだまだ、発展途上中の人材が居たんだ」

「はい。ですから」

 哉河は言葉をきる。

「私たちは、あなた方には負けませんよ? 情報戦でも、攻撃面でも」

 哉河が背を向ける。

 エレベーターに乗り込もうとして、こちらを向く。





「私、多分、NEVを離れると思います」

 呟いた言葉は、春袈が聞こえたとおりに言ったのか分からなかった。

 だが、そう、聞こえたと思った。



後書き


作者:斎藤七南
投稿日:2010/11/22 18:41
更新日:2010/11/22 18:41
『White×Black=Glay?』の著作権は、すべて作者 斎藤七南様に属します。

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作品ID:564
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