作品ID:689
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黄昏幻夢
小説の属性:一般小説 / 未選択 / 感想希望 / 初級者 / 年齢制限なし / 完結
前書き・紹介
三章 一 秋祭り
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――あっという間に、秋祭りになった。
「細さーん!」
細がお店の並ぶ境内をぼんやりと見ていると、遠くからいつもの格好でメイが現れた。ちょうど早く来ないかなー、と思っていたところだったので、思わず叫び声をあげた。
「うわっ!」
「大丈夫ですか、細さん」
メイもその勢いにびっくりしたように、目を見開いている。
細は、落ち着いてメイを見下ろした。
「お前さあ、もっとおしゃれしようとかないの?」
「あはー。これが一番落ち着きますよ」
そう言いながら、くるりと一回転。
スカートがきれいに広がった。
「そんなことより!」
メイが、細の手を引いた。
「行きましょう、細さん! お祭りはこれからですよ!」
「お……おう!」
メイは、人ごみの中に細を招き入れた。
このとき、細は修行のことも、魔術士のことも、忘れていた。
細がそれを思い出したのは、じーさんがこっちを見ていたからだった。
「……あっ!」
竹林の間のベンチにこしかけたじーさんを見て、細は大声を上げた。
「分かっているとは思うが……」
仕方なさそうに、じーさんが言う。
「……えっと、何がですか?」
メイが、不思議そうに二人を見比べた。
じーさんは、メイを見てびっくりしながら、立ち上がってこちらに歩いてきた。
「……魔術士。裏に回れ。……その少女も連れてな」
細は、えっ、とメイを見た。
メイは、よく分からなかったのか、ニコニコしながら首を傾けていた。
「細さーん!」
細がお店の並ぶ境内をぼんやりと見ていると、遠くからいつもの格好でメイが現れた。ちょうど早く来ないかなー、と思っていたところだったので、思わず叫び声をあげた。
「うわっ!」
「大丈夫ですか、細さん」
メイもその勢いにびっくりしたように、目を見開いている。
細は、落ち着いてメイを見下ろした。
「お前さあ、もっとおしゃれしようとかないの?」
「あはー。これが一番落ち着きますよ」
そう言いながら、くるりと一回転。
スカートがきれいに広がった。
「そんなことより!」
メイが、細の手を引いた。
「行きましょう、細さん! お祭りはこれからですよ!」
「お……おう!」
メイは、人ごみの中に細を招き入れた。
このとき、細は修行のことも、魔術士のことも、忘れていた。
細がそれを思い出したのは、じーさんがこっちを見ていたからだった。
「……あっ!」
竹林の間のベンチにこしかけたじーさんを見て、細は大声を上げた。
「分かっているとは思うが……」
仕方なさそうに、じーさんが言う。
「……えっと、何がですか?」
メイが、不思議そうに二人を見比べた。
じーさんは、メイを見てびっくりしながら、立ち上がってこちらに歩いてきた。
「……魔術士。裏に回れ。……その少女も連れてな」
細は、えっ、とメイを見た。
メイは、よく分からなかったのか、ニコニコしながら首を傾けていた。
後書き
作者:水沢はやて |
投稿日:2011/05/12 18:17 更新日:2011/05/12 18:17 『黄昏幻夢』の著作権は、すべて作者 水沢はやて様に属します。 |
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