後書き
まァたこいつ懲りずに極道入稿しやがりましたよ! 締切はクリスマスイブ当日の午前十一時! 入稿したの午前五時! おはようございます! その後仮眠してちゃんと出勤した私偉い! ワハハ! 不備がないかとても怯えながら後書きを書いています。
またしてもこんな長い話になってしまいました。お付き合いいただいた皆さま、拍手やメッセージで励ましてくださった皆さま、本当にありがとうございます。
さて、巷で話題のヒプノシスマイク、プロジェクト始動当初は、顔の綺麗な男ばっかやんけ……CDの売上で勝敗が決まるんすか……怖いジャンルやな……観音坂さんなる社畜の男は親近感あるなと思った瞬間に料理上手の幼馴染と同棲してると聞いてそんなん人生の勝者やん何やねん……(※観音坂さんに罪はありません)と傍観していたあの頃の私ですが、オオサカディビジョンの登場で一切合切引っ繰り返され、見事に沼へ全身を沈めることとなったのでした。
白膠木初登場のツイートを見た時、「緑髪のCO○COWの市丸ギンやんけ! 絶対こいつ中盤で裏切りよるやろ!」とか笑ってた当時の私に笑ってられるの今のうちやぞと脅しておきたいですね。
ドリーミンナイトめちゃくちゃええやん……と純粋に曲を楽しんでいた私は、ドラマトラックの白膠木簓と躑躅森廬笙のふたりの掛け合いで呻き、白膠木簓の根っこにある善性・相方へ向ける狂った感情・能ある鷹は爪を隠す・明るくて前向きで直向きに頑張る姿等々、情報量の多さを処理できずにいました。ていうかこの男、あまりに相方が好きすぎて夢主を間に入り込ませる余地がねえな、何か書きたいけどどうしようかな、と思っていた矢先でした。
コミカライズで白膠木と躑躅森の過去が明らかになり、二人があまりにも「生きている人間」で情緒がめちゃくちゃになり、どつ本の三人がわちゃわちゃしてるのに癒やされたり、ラジオにライブにステにと日々供給過多、こんな時どんな顔すれば良いか分からないの状態で素敵な作品群を浴び続け、その日が訪れました。
白膠木が彼女と同棲してるめちゃくちゃ幸せな素敵な作品をたくさん読んで、ふと思いました。「ああ、でもこんな素敵な話の裏で泣いてる過去の元カノ、絶対おるやろな」と。夢主、爆誕。
そして書きたいとこだけ書いた短編(第一話)で満足していた私に、友人からひとつメッセージが来ました。「続きを書け」「ハピエンにしろ」な、何だって────と震えながら続きを書くことになりました。
ハピエンて何? 躑躅森が出てきたら夢主絶対勝てないんですけど? 今も脳内で「ろしょーしか勝たん!」と白膠木が大暴れしていますが割愛します。私は多分ささろ若しくはろささを書く方が解釈は合うのですが、続きを書けと言われた以上書くしかない……しかし私にハピエンを書く技能などあったか? 反語である。でも書くしかない。ウオオ。
ぱらだい酒やどつ本ラジオの白膠木可愛すぎて、ダブトラの白膠木(二十四)はセクシーに振り切れとって脳がバグりながら、頑張って書くこと数ヶ月。全然終わらん。何やねんこいつらもっと腹割って話し合えよ……と思っているのに筆は想像したのと違う方向に動きまくり、プロットは崩壊(いつもの)、白膠木は大体奇行に走り、挙句急に仕事が忙しくなり「(原稿があるので)帰ります!」「あっ迂路さん待って明日急にレクが……資料が……」「死」……。私はラブコメを書いていたはずでは? ラブコメって何?
白膠木がろしょーろしょーと五月蠅いので本編に躑躅森を登場させたら躑躅森の方が人気で笑いました。
そうやって戦い抜いた結果の十八万字です。またかい。本当は十万字くらいでさくっと終わらせるつもりだったんですが(さくっと?)、白膠木も夢主も一歩も譲らず、平行線で傷付け合うばかりで途方に暮れていました。
ハッピーに辿り着くまでには、試練がいっぱいある方が良いようです。小説の書き方的な本にそう書いてあったので、いっぱい詰め込みました。夢主が瀕死です。ウェブ拍手で感情を振り回された~と言ってくださった方々がいて嬉しかったです。ありがとうございます。わあい!
ハピエンて何? ふたりが幸せなら幸せだよ! のメリバは駄目ですか(それはバッドエンドです)、ハピエンて何? と延々思考がループする中、一生懸命書いたので許してください。くっつくまでの過程が一番楽しいって誰かが言ってた。知らんけど。
長い連載期間の間、様々な励ましと温かいお言葉と面白感想に拍手連打、ありがとうございました。正気に戻りそうになった時にいただいたコメントなどを読み返して元気を貰っていました。本当にありがとうございます。おかげさまで何とか書き終わりました。
いやほんと、サイトやっててもう十五年なんですけど(白目)、過去一番でコメントをいただいた作品になりました。ありがとうございます。特に関西人が書いた関西弁なので「ネイティブすぎて分からんわ」とならないか、日本語として成り立ってるのか不安でしたが、多少お褒めの言葉をいただけたので関西出身で良かったなあと思います。大阪の中でも白膠木は北摂出身、躑躅森は河内出身だと思います! 知らんけど。
読んでくださる方がいらっしゃるというのは心の底から嬉しいものです。ありがとうございます。
白膠木が何考えてるか分からんというコメントもたくさんいただいておりましたので、後編の本には書き下ろしで六ページほどですが、白膠木視点の答え合わせ編をちょこっと入れました。読んで「白膠木お前お前お前~~~~~!!!!!」となっていただけたら嬉しいです! 少しでもお楽しみいただけましたら幸いです。
重ね重ね、御礼申し上げます。