1. トップ
  2. レビュー
  3. タウン
  4. 殺し屋さん

殺し屋さん

作者 タマちく. 殺し屋さん
作者HP 手抜き道(原作)
にるあな(作画)(年齢制限があるため注意)
単行本数 4巻(休載中)
掲載誌 まんがタウン(双葉社)
Wikipedia 殺し屋さん
アニメ アニメオフィシャル
チャート
内容 タイトルの通り「殺し屋さん」を描く異色の作品。
圧倒的にピントのずれた凄腕の殺し屋さんとターゲット、そして周囲の人々を予想の斜め上を行くネタで描いている。
ネタのセンスも秀逸であり、それを最大限に生かす画力。
殺しという緊張感や裏の仕事というダンディさ。それらを一瞬で砕く事で生まれる破壊力抜群の笑い。
最強の存在感と溢れ出す個性は、類似作品など存在しようがない程のオンリーワン。

冷蔵庫の中身殺しコンガリと焼く
どんな「殺し」もご依頼次第(3巻P58右4コマ目)「煮るなり焼くなり・・・」と言われたので(4巻P125・3コマ目)

基本的には4コマ形式だが、時折コマ割り回を挟む事もある。
また、単行本には毎巻「殺し屋歴史年表」「殺し屋童謡」といった個性しか溢れ出さないような企画が挟まっている。

なお、「タマちく.」とは原作担当の「タマ」こと「一條マサヒデ」先生と、作画担当の「ちく.」こと「春輝」先生の共同ペンネーム。
感想 最近流行りの「萌え」の方向とは真逆の方向の作品です。
連載誌は漫画アクションという事で、ネタもかなり攻めた内容が多いです。
そもそものテーマが「殺し屋」。
作中でもしっかり仕事をこなしていますし、そういうシーンもさらりと描かれています。
それに、ちょっとのエロスも含まれています。
というわけで、対象年齢は高めです。ただ、ホントに笑えます。
笑いの基本は「緊張の緩和」といいますが、それで言えば最高の組み合わせ?
生と死という極限の緊張と、それをあり得ない角度から崩す。
こんなにも個性あふれる作品が他にあるでしょうか。
そもそも殺し屋をテーマにして、作中でも当たり前のように死んでいます。
それでありながら重苦しさや悲壮感とは全くの無縁。
恐らく登場人物のほぼ全員がアホの子だからでしょう・・・
殺し屋さんにダンディなおじ様デカ長に女子高生、小学生に一般市民。
シェパードに同業者に依頼主にターゲットに・・・

おっさんら・・・不思議な世界感
ダメだ・・・この2人(デカ長と)(3巻P112右4コマ目)なんだ・・・この世界感(ターゲットと)(4巻P100右3コマ目)

内容的には「殺し」がメインテーマでほんのちょっとのエロスとほんのり薔薇風味も(ほんのりか?回を増すごとに凄い方向だぞ?)。
エッセンスを書き出している時点でその濃さは伝わるかと。
無論、全てが笑いに繋がるための大切な要素。
加えて画風もあるため、最高に独自の世界を作り上げています。
おまけに設定は「殺し屋さんのいる日常」のみで、ネタも1本ずつが独立。
いつでもどこからでもお楽しみ頂けます。
ネタは「ユーモアあふれる殺し方」「かけ言葉(殺しやエロスネタ中心)」「『殺し』と名がつけばどんな仕事でもこなしてくれる」等々、個性派ぞろい。
というか、この作品以外ではお目に描かれないであろうネタのオンパレードです。
テーマがテーマですし、普通に人も死にますし殺します。
まあ、「普通の死に方」でない事も多いですが。というか、「普通でない事」の方が日常です。そういうワールドです。
そんなわけで、読み手は選びます。萌え方向とは真逆の方向で読み手を選ぶ作品です。
ただ、ウチの本棚には萌え4コマとこの作品が並んでいます。だからどうしたって話ですが。
「ジャンルは問わない。ただ笑いたい」という方にはうってつけです。

既述ではありますが、掲載誌の方向もあって読み手は選ぶ作品です。
ユーモアを解す大人の方のみにお勧めする作品。
ただ、それが問題ないのでしたら。そして、笑いたいのでしたら是非お勧めします。
どうしてこうインパクト抜群の笑いを生み出せるのか・・・
そして、それを最大限に増幅する絵。
原作と作画、それぞれを極めたお二人だからこそ生み出せる最高に「退屈殺し」な作品です。
単行本 発売日 ・1巻:2005年7月28日
・2巻:2006年12月12日
・3巻:2008年6月28日
・4巻:2009年12月26日
・春輝セレクション:2009年12月26日
試し読み
-
関連項目 ●ジャンル シュール
お仕事モノ
●チャート 笑い
万人ウケ(低い)
●データ アニメ化
休載中
●作品研究
-
●作者別
-
●各巻感想
-

戻る