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わ!

作者 小島あきら 作者HP BEAT:A-K(更新停止中)
掲載誌 ガンガンONLINE(スクウェア・エニックス)
 → 月刊ガンガンJOKER(スクウェア・エニックス)
単行本数 3巻(連載終了)
Wikipedia わ!
チャート
内容 私立高天原学園高等部を舞台に高校生たちの不思議な恋愛模様を描いた4コマ。
登場人物たちが好きな相手が一切交差することなく円を描いており、常に一方通行の片思い状態を全員が続けている。
それに加えその“わ=輪”の外にいる桜井と梅がおり、この二人が“!”を意味する。
これらの登場人物によって“わ!”というタイトルを表している。
作中様々な雑学をネタに絡めており、各ネタも必ず4コマ目で落とす4コマらしい4コマ。
また社会派的なネタも多く、それさえも見事に笑いにつなげる見事なネタ運びである。
いわゆるワイド4コマであり、1ページに1本のみが描かれる。そのため1コマが横に長い特殊な編成。
それに加え繊細な描写と“間”を活かした展開が特徴であり、他の作品に無い独自の雰囲気を作り出している。

かつてエニックスお家騒動の渦中で「まほらば」(アニメ化もした)を人気絶頂のまま見事完結させた人気漫画家の描く、優しいタッチの絵と鋭い笑いの逸品。
感想 まさにお見事、の一言ですね。
和み系ラブコメ4コマの決定版と言っていいのでは?
それでいながらネタの数々は社会的であったり豆知識を織り込んだものだったりしながら、読みやすく分かりやすく笑いやすく作られています。
社会派ネタというのは扱いが難しいのですが、それすらも見事に操っていますね。

本作の最大のミソはなんと言ってもその独特の人間関係。
一方通行の思いが輪となって、全く進展しないという特殊な関係性。
そのため、それぞれの人間関係が他の作品と違い、中には作中で顔を合わせたことのない組み合わせもいたり。
それがまた妙な味わいがあります。
確かに多数の人間いる学校生活。知り合いの知り合いに知らない人がいる方が普通。
でも、その知り合いの知り合いの先に・・・なぜかまた自分がいることもある。
人と人の繋がりというものは、不思議なものです。知らないうちに“輪”を作っていることもあるんですから。
どれだけ人がいてもみんな顔見知り、という作品が多い中、そういう点でも他の作品と違うところがあるんですね。
2巻のラストで人間関係が大きく変わる怒涛の展開が!
3巻ではその衝撃の展開からスタートし、一方通行だらけだった彼らの関係性が新しい形になっていく・・・それらを軸にネタが展開されていきます。

何よりもこの方は笑いのセンスに長けています。
可愛いキャラクター達でさらりとヘビーなネタ(いや、ホントに里子ちゃんのネタはヘビーだ・・・)をぶつけてきたり、不思議な雰囲気を醸し出す独特のネタだったり。
この方の感性はまさに笑いを生み出すために生まれてきたのか!?というくらいです。
「まほらば」や「まなびや」のように、若者の繊細な心情を表現する腕前も素晴らしいですが、こちらの能力も抜群ですね。
「まほらば」でも時折4コマ漫画が載っていましたね。ずっと4コマでもいいのに・・・と思うくらいステキ4コマでしたが、それが実現したかのような気持ちです。
それにしても、画風にしてもネタにしても、非常に読みやすいです。
それに、この方は“人間”を描くのが本当に素晴らしい腕ですね。
雑記 元々は「ガンガンONLINE」に掲載されていたのですが、
「月刊ガンガンJOKER」で掲載していた「まなびや」の休載に伴いそちらに移籍して連載を続けてらっしゃいます。

※「わ!」と「まなびや」は同じ学校を舞台にしており、両作品でもう片方の作品の登場人物が描かれることもあります。

体調の問題で2本の連載が不可能とのことで、作画的に負担の少ない「わ!」を継続することになったようです。
漫画家というのは過酷なお仕事なのでしょうし、元々病気を抱えてらっしゃるようで、長期入院経験もあるとのこと。
ファンとしては作品はゆっくりでいいので、お体を大切にして、無理のないようにお仕事を続けて頂きたいです。(必要であれば長期休養も。ファンはいつまでも待ちますよ)
この場を借りて先生の健康をお祈りさせて頂きます(たまにはまじめなことも言う管理人です)。
さらに雑記 2巻のカバー裏の「わ!んだーぐらうんど 地下2階」に登場する迷路必勝法。
実はこれ、「迷宮(ラビリンス)でのみ通用する方法」なんです。
迷宮と迷路、実は定義が違うんですね。
と言いますか、“迷宮”には様々な制約があるのですが、それを取っ払ったものが“迷路”です。
その制約があるからこの必勝法が通用するんです。
というわけで、“迷路”ではこの必勝法、ホントにウソ必勝法なのです。
さらにさらに雑記 2巻P37の1コマ目に登場する中国風なべしゃり方をする女性、見覚えのある方、いらっしゃいますか?
そう、「まほらば」の「鈴木花子」こと、「黄有麗」さんヨー!
意外なところで意外な方の出演でした。
ちなみに「雑記」で書いたように、「まなびや」のキャラクター達も時々登場しています。
同じ舞台の作品ということで、がっつり関わっているキャラクター達もいますよ。
岩千鳥会長と映写部の皆さんとかね。
単行本 発売日 ・1巻:2009年10月22日
・2巻:2010年6月22日
・3巻:2011年6月22日
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