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いのち短し善せよ乙女

作者 土管 作者HP
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掲載誌 まんがタイムきららMAX(芳文社) 単行本数 2巻(連載終了)
Wikipedia
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チャート
内容 突然死んでしまった「風上乙女」は神様から生き返らせてもらう代わりに条件を出される。
それは「うちでのおおきづき」から出てきたアイテムを使って一日一善すること。
今日も生き延びるため、天使の「杏エリカ(本名:アンズェリカ)」と共に善せよ乙女!

近年のきららレーベルとしては珍しくしっかりと笑いに来るタイプの作品であり、往年の良作たちを彷彿させる。
出てくる「何か」は毎度異なり、何気ないものから「ドラゴンの血」や神器などとんでもないものもあったりする。
それらを使っていかに神様に「善」と認められるのかを工夫するのだが、設定やアイテム以上にキャラクターたちがいい味を出しているため非常にコミカル。
また、根底にあるのが「善行」である上にコメディ色が強いため、読み口が軽く読後感もよい。

なお、作品名の読み方は「いのちみじかし“よい”せよおとめ」であり、大正時代の流行歌「ゴンドラの唄」の一説「命短し恋せよ乙女」のパロディ。
感想 近年のきららレーベルはどうしても「萌え」「空気」が強く、一昔前のしっかりとしたネタの作品が少なく物足りませんでした。
そこに現れた一筋の希望!それがこの作品です。
いや、正味で待っていたんですよ、こういう作品。
しっかりとネタで勝負する作品で、そのネタのセンスも安心できるレベル。
絵もシンプルで可愛らしく、それが作風に見事にマッチしています。
要するに、ライトで気軽に読める作品。
設定として重要なのは「生きるためにきづちを振って一日一善」だけで、それさえ分かっていればどこから読んでも楽しめます。

天使がふざけた性格なのはこの業界ではもはや定番。
むしろ「普通の天使」の方が珍しいくらいで、堕天だとか駄天だとかが当たり前。
こちらのエリカさんもそちら寄り。
元々、アイテム指定で一日一善の時点でトラブルのようなものですが、彼女自身もトラブルを呼ぶ側。
というより、快楽主義者?
常に楽しむことや面白くなりそうなことの方に傾いているため、常に乙女が振り回されています。
そして、常に軽く笑みを浮かべた表情で乙女をいじったり煽ったり正論ぶっこんだり。
エリカはこの表情がいいのですよ。
変に表情に幅があるのではなく、常に軽い笑みがデフォルト。
この子のヤバみが際立つ演出です。
しかしまぁ、神・天使・悪魔・二重人格。普通の人が乙女しかいねぇ・・・
いや、本人も(元)死人なんですが。

ネタ的には分かりやすいものがほとんどです。感性で笑えます。
難解なネタや設定は特に登場せず、読みやすさ抜群。
乙女が苦労するシーンが多いですが、特に被害者や不幸引受人というわけでもなく、生きるために頑張ってます。
ドッカンバッタン大騒ぎな日常という感じです。
笑いに特化、根底に「善行」がある、ライトな作風。
色々な人にお勧めしたい作品です。
単行本 発売日 ・1巻:2020年10月27日
・2巻:2021年11月26日
●試し読み まんがタイムきららWeb:1巻
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