作者 | 荒井チェリー | 作者HP | ![]() |
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掲載誌 | まんがタイムきらら(芳文社) | 単行本数 | 3巻(連載終了) | |
Wikipedia | ||||
チャート | ![]() |
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内容 |
神隠しに遭った「榊 花ノ子」が再び姿を現したのは6年後。 しかも、花ノ子は6年前の小学4年生のままの姿で発見されて・・・!? 元同級生の自覚のあるダメ人間「倉石 つなぐ」は高校に入学しており、年の離れた妹だった「榊 白百合」は同い年になってしまっていた。 さらに、同級生には同じく神隠しにあったという「園部 苺」もおり、一見普通の小学生たちなのに普通じゃない設定がてんこ盛り。 それだけ大変な設定なのになぜか日常は当たり前のように過ぎていく荒井チェリーイズムの決定版。 ちょっと不思議ででもやっぱり日常で。 先生らしさと先生の良さがギュッと詰まった、(元)同級生たちを中心とした日常コメディのはじまりはじまり。 |
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感想 |
荒井チェリーイズムの塊とでもいうかのような作品です。 ほのぼの日常にSF(ちょっと不思議)要素を加えて、重めの設定があってもそれを全く感じさせないライトな読み口。 作中でもセルフツッコミをしていますが、設定は多いですが、それが分かっていれば確実にツボにはまること間違いありません。 そして、イズムの中でも作品を横断して登場する「園部」一門がついにメインキャラクターに。 相変わらず圧倒的存在感。 それだけにこれまでは準レギュラーだったりゲストキャラだったりしたのですが、今回はメイン4人のうちの1人。 園部一色になるのか?と危惧しましたが、そんなことにはならず、うまくバランスを保っている当たり流石です。 とはいえ、十二分に濃いキャラですが(笑)。 周りの皆も濃いですからねぇ。 この作品の連載開始頃から先生ご自身のTwitterにて昭和のお土産屋さんでよく見かけたデザイン風のイラストを上げられていますが、本作ではそのテイストの絵がちょくちょく出ることが特徴でしょうか。 そのためか、今までの作品とちょっと異なる印象を抱かれる方もいるかもしれません。 とはいえネタ風はいつものようにエンジン全開。 自覚のあるダメ人間のつなぐのだめっぷりとネガティブさと、ちょっと行き過ぎた花ノ子への尊敬。 一方の花ノ子は超が付くポジティブさとコミュニケーション能力をいかんなく発揮しつつツッコミ(大変そうです)。 ちょっとじじむさく、少年のような趣味を持つ白百合。 そしてなんといっても自称人生2週目。大人のようでもありピチピチの小学4年生でもあり、何よりも「園部」の系譜である苺。 濃いなぁ。 多くの作品が、「完璧超人に見えるけど、家ではだらしない」という描き方をしますが、本作では逆に「だらしないのになぜか学校で完璧超人に見られてしまっている」というパターン。 そんなつなぐの実態は自身と花ノ子が正確に把握しているものの、なぜか学校では成績上位で運動神経もよく、コミュ障がいいように受け取られて「完璧人間」扱いを受けてしまい、本人が一番困惑するという事態。 その成績にも関連するんですが、作中でつなぐが行っている勉強法は割と理になかったものだったりします。 勉強は時間ではなく集中力。そのため、実は無意識に一番効率のいい勉強法を実践しているわけで。 本作ではつなぐの高校での生活以外がメインになるため、「ダメな部分」にフィーチャーされているわけですね。 やはりこの先生の作品にハズレ無し。 6年間の神隠しという重い設定を全く感じさせない読んでいて楽しくなる明るいコメディです。 | |||
単行本 | 発売日 |
・1巻:2020年8月27日 ・2巻:2021年9月27日 ・3巻:2022年10月27日 |
試し読み |
まんがタイムきららWeb:1巻 まんがタイムきららWeb:2巻 まんがタイムきららWeb:3巻 |
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