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作者の画力が足りない。

作者 次見やをら 作者の画力が足りない。
作者HP pixiv
掲載誌 pixivコミック
単行本数 1巻(連載終了)
チャート
内容 漫画を描くというのは大変なもので。
人物一つとても顔や手、服などのパーツ。背景や小物etc...
それら全てが得意ない人などいないわけで。
では、足りないところをどうすればいいのか?
それを実体験を交えながら教えてくれるのがこの作品。
創意工夫や素材の駆使。ありとあらゆる手を使い「画力が足りない」を補いながら作品を成立させる。
ある意味、全漫画家が教科書にすべき作品かもしれない。

自分が描けるもの、描きたいもの、そしてかけないものをどう工夫するのか。
現代の漫画かを取り巻く「かけるように見せる手法」が網羅されているハウツー本といっても過言ではない。
感想 いや、私もスクリーントーンやら素材やら、髪の毛が描けないな帽子をかぶらせればいいやない、くらいは知っていましたが、
世の中ここまで「描けなくても描けるんだ」とは思いませんでした。
そういった意味で非常に勉強になる作品。
そうなんです。コマのありとあらゆる個所を全て自力で埋める必要なんてないんです。
世の中には「素材」や「ツール」があり、創意工夫で「描かずに描く」ということができるのです!
それを実例を用いながらコミカルに教えてくれる異色の作品です。

作者の画力がないため苦労に苦労を重ねる登場人物2人。
それを楽しみながら赤裸々に作画事情を明かしてくれる。
そんな唯一無二の作品。
いやはや・・・今の素材や加工ソフトってホント進歩してるなぁ・・・
ただ、個人的に言わせていただければ、「それを駆使する技術」っていうのは立派な能力だと思います。
読者にとって重要なのは「どうやって描いたのか」以上に、「面白い作品かどうか」です。
そのための工夫であれば、素材だろうがツールだろうが、それを使う技術があるのであれば作者の力だ、と思います。
そういった意味で、下手な漫画のハウツー本なんかよりも、より実践に即した「役立つ漫画の描き方講座」なんだと思います。

内容としても非常に面白いです。
解説をしながらメインの2人が作者に振り回される。
しかも作品が作品なのでメタ発言の連発。なんでもありです。
最高に自由でやりたい放題。
キャラと作者が普通に会話していますし、作者は作者で自虐の嵐。
そういうフリーダムな作風が好みの方には是非とも推薦させていただきたい、純粋に「漫画」としても面白い側面も当然ながら備えています。
単行本 発売日 ・1巻:2019年4月27日 試し読み 連載サイト
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