作者 | 口八丁ぐりぐら | 作者HP | つれづれ口八丁 原作担当の「口八丁ぐり」先生のブログ (更新停止中) |
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掲載誌 | まんがタイムジャンボ(芳文社) | 単行本数 | 3巻(連載終了) | |
Wikipedia | ||||
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内容 |
「僕は彼女の何を知っているんだろう?」 ちょっと霊感が強い大学生の「笹川幸太」が偶然出会ったのは幽霊の「菊子」。 しかも彼女は霊媒師見習いの「下田ふみ」に追われていて・・・ おまけに親友の「梅ちゃん」は霊感がゼロのため菊子が見えておらず。 ひょんなことから幽霊と同居&隣人が霊媒師女子高生という奇妙な生活がスタート。 賑やかで明るい幽霊との同居生活はやがて1つの真実へと向かって進んでいき・・・ 菊子の正体は?なぜ幽霊に?その謎が解けた時菊子は? 優しくも切ない、そして心に温かいものが残る美しい物語。 4コマとしての完成度の高さと優しい小説を読んだような読後感を併せ持つ作品。 なお、作者の「口八丁ぐりぐら」は原作担当の「口八丁ぐり」先生と作画担当の「口八丁ぐら」先生の2人組。 |
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感想 |
このサイトでご紹介している作品の中では圧倒的に特異な作品といえます。 なぜなら、「笑い」をテーマにしているのがこのサイト。そして、この作品は笑いもありますが、メインは「物語」です。 優しく、切なく、愛おしくなる物語。 読み終えた後の心に残る心地いい読後感は先生の作品の最大の魅力です。 全3巻で1つの物語が綴られていて、1人の女性と彼女と触れあった多くの優しい人たちの物語。 個性豊かな人たちばかりですが、同時に他人のためにどこまでも優しくなれる人たちばかり。 『漫画を読む』というよりも『優しい気持ちになれる本を読む』を言う表現の方が正しいでしょうか。 序盤からいくつもの伏線が張られ、いくつもの物語が積み上がり、そのどれもが1つの結末へ向かって進んでゆきます。 モノローグも主人公の幸太の語りなのですが過去形で行われ、加えてその先にある「ある事実」にぶつかった時の視点での回顧という形で行われます。 それは菊子の存在とこれまで、そして彼女のこれからに深く繋がっていくもの。 1つ1つのエピソードは独立していますが、それらが積み重なった先に物語のゴールがあるという作品です。 徐々に明かされていく事実と積み重なっていく思い出。 その先にある真実に直面した時、彼女たちはどうするのか? 恐らく多くの方は1巻の時点でその「答え」に辿り着きます。それに対して彼女たちがどう向き合い、どう考えるのか。 その描き方が非常に美しく、「素晴らしい!」のひとことです。 優しくて明るくて楽しいエピソードとシリアスな展開が織りなす先生方にしか描く事の出来ない世界です。 それだけに読み手が4コマに何を求めるかも重要。 笑いや単純な面白さといったエンターテイメント性を求めるタイプの作品ではありません。 繊細で美しく、優しさに包まれる。そういう世界に触れたい方にはこれ以上なくうってつけの作品。 加えて絵のテイストがまた物語にばっちり合っているんです! だからこその原作と作画のコンビなんだと思います。 是非とも手に取って頂きたい作品です。 他の作品と違い、その美しい物語を推してきましたが、当然4コマ作品として4コマ目にはオチを付けています。 主に「菊子の幽霊とは思えない明るさと自由さ」、「ふみちゃんの真顔でズレた感性」、「梅ちゃんの海より広いキャパ」がオチになっています。 そして、4コマとしてもしっかりとオトしています。 感動系の作品ではありますが、笑い自体もしっかりした作りになっています。 その楽しさが切ないストーリーをより引き立てている。 その逆でもあり、切ないモノローグが予感させるものが日常をより鮮やかにしている。そんな気がします。 当サイトで紹介している多くの作品の中でも最も美しい作品の1つです。 |
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単行本 | 発売日 |
・1巻:2006年7月7日 ・2巻:2007年10月6日 ・3巻:2009年2月7日 |
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