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ざしきわらしと僕

作者 西岡さち 作者HP
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掲載誌 まんがタイムスペシャル(芳文社) 単行本数 3巻(連載終了)
Wikipedia
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チャート
内容 両親の離婚で田舎の祖母の家に引っ越した「田中裕貴」はそこで座敷童子の「ざわ子」と出会う。
都会っ子が初めて触れる田舎の暮らし、座敷童子素はじめとする妖怪たち、そして友達との楽しい日々。
子供が大人になるまでの短い期間。少しずつ成長していく子供が体験する日常を温かく描いた作品。

座敷童子4コマではあるが、メインとなるのは子供たちであり田舎での日常。
口当たりも読後感も優しく、心がじんわり温かくなる優しい作品。
感想 笑い度の高い作品ではありませんが、読んでいて心が優しくなる。そういう作品です。
3巻あとがきにも「ずっと見ていたい漫画」とありますが、まさにそう。
見ていたい、見守りたい。そう思わせてくれる魅力を持っています。

4コマ界の定番(?)である座敷童子4コマですが、その作品群にあって若干方向は違います。
他の作品たちは座敷童子にスポットを当てた作品が主ですが、本作はむしろ子供たちの日常がメイン。
そこにざわ子をはじめとする妖怪たちが入ってくる感じです。
裕貴だけが彼女たちを見えるのですが、それ以外の子は誰もざわ子たちを見ることができない。
だからこそなのか、より存在感や活躍として子供たちが勝っているのかもしれません。
そして、その子供たちのちょっとした変化や成長が読んでいて「見守りたい」と思ってしまうところでもあります。
特に主人公である裕貴は引っ越してきた理由もあってか一人で考え込んだり、冷めたところが時折出てくるのですが、ゆっくりと変わっていきます。
両親との接し方はその象徴でしょう。ちょっと父親との距離感が掴みにくい姿はその思春期っぷりにニヤッとしてしまいますね。
そして、やっぱり主人公は天然たらし&鈍感、でないとねっ!

そして、他の作品の座敷童子と異なるのは本作の座敷童子であるざわ子は住民に不思議な力で幸運を与えるわけではないという点。
姿こそ見えないのですが、家人への貢献は物理的。
おばあちゃんがコップを探していたらそっと出し、こけそうになったらとっさに布団を敷く。
めさくさ頑張っています。
リアルに貢献度はこの界隈としても高い方なのでは?
ちゃんと子供の成長を見守り、おばあちゃんの知らないところで日々の生活をサポート(物理)。
小っちゃくて態度もでかいですが、滅茶苦茶頑張っていますし、いい子です。

座敷童・突然の田舎暮らしに戸惑う都会の子。
要素としてはスタンダードな物ですが、それが優しくて柔らかい空気で描かれることでほっこりとする心温まる物語に纏まっています。
あと、舞台がどこなのかは明言されていませんが、3巻P15で大阪に近いとしているので関西圏内なのかな?(先生のTwitterでの所在地&みかんから和歌山が濃厚)
そのためか関西弁なのが個人的にはすごく親しみやすいです(私も関西人ですので)。
単行本 発売日 ・1巻:2017年4月7日
・2巻:2017年11月7日
・3巻:2018年10月5日
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