小説コラム
文章作法について
ここでは、基本的な文章の書き方を説明します。「文章の書き方~? そんなの言われなくても分かってるよ!」
との声が聞こえてきそうですが……。ええ、分かってる方は別に読まなくても結構です。 ですが、こういうのは以外と見落としがちで、指摘する方も「こんなことまで言っていいものか……」と思ってしまい、なかなか気がつかないことも多いのです。
だから知らず知らずのうちに「あ、こいつトーシロだな」と笑われている可能性もあるのです!
これは非常にもったいないことです。せっかく面白い小説を書いても、人によっては、作法がしっかりしていないと読んでくれない場合もあります。
確認がてら、ながめて見てください。
1.文章の始まりは、一字あけましょう。
現代っ子は(私を含めてですがw)、メールやネットの掲示板などに慣れてしまっています。しかし、メールや掲示板で、文章の最初を一字あけていることはほとんどありません。そのため、小学校で作文の書き方なんか習っているはずなのに、ついつい忘れてしまうのです。ネットでは横書きが主ですから、余計気がつきにくいんですね。
補足ですが、このように改行の後もあけてくださいね。
では、何故あけなければならないのか?
そんな疑問をもつ人もいるかもしれません。でもこれは、単に読みにくいからでしょう。
だから、「俺はあけない方が絶対読みやすい!!」と主張する人は、別にあけなくてもいいのかもしれません。
2.括弧は一字あけの必要はない。
1.で文章の始まりは一字あけの必要があると述べましたが、括弧“「」”で始まる文の場合はあける必要はありません。
例)
彼は満面の笑みでこう言った。
「死ねばいいですよ」
3.括弧の最後に句読点はいらない!
これも実際に例を見てもらいましょう。
例1)「どうぞ、ついて来てください。」
例2)「どうぞ、ついて来てください」
これは、例2の方が正しいことになっています。
閉じ括弧“」”には、セリフの終わりを示す意味も含まれているので、句読点と併用すると意味がかぶってしまうのだそうです。
ですが、文部科学省では、いまだ“。」”の方を指定していますし、昔の小説ではこれをしていないものも多いです。
ただし、最近の小説ではほとんど“句読点なし”で書かれているので、そうした方が無難であると考えられます。
4.記号の後は一字あけましょう。
記号とは、“!”とか、“?”などのことです。
例)何を驚いているのですか?なんですか?それともあなたは、私に慰めの言葉を期待していたのですか?
これは間違いです。正しくは、
例)何を驚いているのですか? なんですか? それともあなたは、私に慰めの言葉を期待していたのですか?
こうです。
しかしこれには例外がありまして、“」”閉じ括弧の前に記号がきたときは、一字あけの必要はありません。
例) 「どうして? どうしてなの?」
このように、最初の“どうして?”のクエスチョンマーク(?)の後は一字あけをしていますが、閉じ括弧の前のクエスチョンマークのときは一字あけをしていませんね。これが正解です。
5.ダッシュと三点リーダーは二つで一つ!
ダッシュとは、“―”のことで、三点リーダーとは“…”のことです。
これは“――”“……”として使うのが正しいです。
また、より長い沈黙を表すときなどは、四つ“…………”並べても構いませんが、三つとか五つとかは避けた方がいいです。
以上5つを守っていれば、とりあえず文章の書き方は大丈夫でしょう。
後は、改行のしかたを工夫するとか、自分なりにアレンジしてもいいと思います。論文じゃないのですから、意味段落にこだわって改行することもありません。
とにかく、文章作法というものは“読みやすさ”が第一です。あんまり深く考えることではありません。
これだけに捕らわれてしまわないように気をつけましょう!
遠藤敬之 2005/03/18 記
6.行頭禁止文字!
行頭禁止文字とは、“!”や“?”や“ー”などの記号のことです。これらの記号は、行の先頭に書くことはできません。
例)
僕たちは二人で仲良くハンバ
ーガーを食べた。
上の例がダメなところは、“ハンバーガー”の“バー”の伸ばし棒が、行の先頭になっているからです。まぁ、こんな中途半端に改行する人はいないでしょうけど(笑)
他にも、閉じ括弧“」”を先頭にすることもできませんがが、これらのルールは、オンライン小説では特に気にしなくてもいいと思います。何故なら、インターネットエクスプローラーのようなブラウザで表示したとき、ブラウザの大きさを変えると、意図しないところで自動改行されてしまうからです。
ただし、自ら敢えてそのようなことをするのは避けてくださいね。
7.……や『』の使い方
これは長いこと、自分も考えていました。
どういうことかというと、……を改行の後に使ったときに、一字あけはするべきなのかどうなのかということです。例を挙げますと、
……僕は何も答えられなかった。
これが正しいのか、
□……僕は何も答えられなかった。
それともこっちが正しいのか、ってことです。
同様に、『』や“”を使うときも、どうすればいいのかを結構悩んでいました。他のサイトを見ても、なかなかこれらについては触れられていなかったんですね。
そこで私は、ある作家さんのサイトの日記コーナーを読み漁りました。でも、中々そういう表現はない。
もしかすると、そもそも三点リーダをそのような使い方をしてはいけないのか? とも思いました。
で、しばらく探していると、ありましたありました。
その作家さんは、三点リーダを行頭に使うときは、先ほどの例の後者の方を採用しておられました。
ですので、同じように―(ダッシュ)を使うときも一字あけをすれば良いでしょう。“”や『』のときも同様です。
まぁ、あんまり多用される表現ではないので、できるだけ記号には頼らず、地の文で表現をすることにこしたことはないですね。
遠藤敬之 2005 5/3 追記