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小説コラム

一人称と三人称

 一人称とは、主人公の視点から書く手法で、三人称とは第三者の視点で書く手法のことです。
 簡単に、その長所と短所とを考えてみましょう。


 まず、一人称の長所です。
 これは、主人公の内面をうまく表現できます。内面とは、つまり心情の描写のことです。そのため恋愛系の小説を書く場合に向いていると言われています。
 また、話し言葉で書かれる場合が多いので、テンポのいい文章になり、読みやすく、感情移入をさせることも容易になったりします。
 逆に短所は、“主人公以外のことを表現しづらい”ということです。つまり、主人公が知らないことは全く説明できないので、どうしても、タイミングよく友人が会話しているのを聞いたり、テレビのニュースを聞いたり、随分とわざとらしくなってしまいます。
 そんなの気にしない人もいるでしょうが、リアリティーを重視したい私にとって、これはかなり気になる所です。まぁ、ある程度割り切ってはいますけれど。
 更に、“主人公以外のことを表現しづらい”と言いましたが、実は主人公のことも表現しづらかったりします。
 具体的に言いますと、主人公のルックスの描写です。
 私たちは普通自分のことを、「僕は髪が長くて、目は小さいけれど、プルンと艶やかな唇とうまく調和されていて、クラスでは結構人気がある方なんだ」なんて言いますか? 言ってたらそれはそれだけでギャグですよ(笑)。そのため、どうしても控えめな描写になってしまうんですね。
 ……実は、これを回避できる裏技があるのですが、聞きたいですか? そうですか、いらないですか(笑)。じゃあまた今度ね~(サササッ。


 今度は、三人称の長所です。
 三人称の視点、これは、“作者の視点”または“神の視点”と呼ばれたりもします。
 この視点で、知らないことは一切ありません。遥か遠くのアナザーワールドで起こっていることも、登場人物の心情すら手に取るように分かります。神の視点と呼ばれるのも分かる気がしますね。
 上記の通り、“何でも知っている”というのがこの視点の長所です。これなら、一人称で頭を悩ます自分の描写もスルッといけますね。

 完璧なようなこの手法ですが、やはり短所はあります。一つは、客観的なわけで、ちょっと冷たい感じがすることです。
 また一つは、状況の描写など、かなり詳しく書かなければ伝わりにくいということもあります。
 自由度が高いので、話の収拾が付かなくなる、余計なストーリーが加わりがちでテンポが悪くなってしまうという短所もあります。


「それじゃあぶっちゃけ、どっちがいいの?」

 と聞かれますと、実はどっちでもいいのです。
 別に三人称で恋愛モノだって書けますし、一人称で明確な描写ができないということもありません。誰でも、自分の書きやすい方を選べばいいのです。
 でも、個人的には三人称の方が好きです。これは読む場合でなく、あくまで書くときにです。なにせ神ですからね。話の伏線なんかも楽に配置できますし、書きやすいのです。
 いろんな意見があるとは思いますが、私的には、初心者は三人称の方がいい気がします。

 まぁ、どちらも一度試してみると良いでしょう。そうすることによって、両者の良さと難しさがよく分かると思います。どちらかで書いて完結した作品を、別の視点に書き直してみるのは結構いい練習になります。




遠藤敬之 2005/03/22 記


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