作品ID:125
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桜の鬼
小説の属性:一般小説 / 未選択 / 感想希望 / 初級者 / 年齢制限なし / 完結
前書き・紹介
物語
前の話 | 目次 | 次の話 |
今日は婚礼の日。昼間の間なら少しだけ歩き回ってもいいらしいので、黄龍をつれて書庫へ向かう。
「んー……本気で結婚させるつもりらしいなー」
「だなー」
「のんきだなお前」
「いやいや」
書庫へつくと、ふと、机の上に置かれていた本に目を留める。
「何だこれ」
「えーと、『古伝』……?」
「ぺらぺら」
「おい」
「…………えー? あの桜みたいなのが他にもあるのか? いやあるはずないよな?」
「どした?」
「や、あの山の桜あるだろ? 鬼が住んでる」
「うえ。ああそういえば」
「あれみたいなのが他にもあるかな?」
「ないだろ」
「だよなぁ」
「駆け落ちとかの伝説もあるって言うし」
「あ、じゃああの桜じゃないか?」
「だよなー」
「昔の人があの桜を燃やそうとして出来なくて、鬼の友達の狼神に村を攻められたとか聞いたことあるぞ」
「馬鹿だなー」
「同感」
そして二人はその本を読んで、熟読してしまった。
「面白かったなぁ」
「あれが全部実話か……すげぇなぁ」
「……そういえばあの桜を燃やすって言ってた」
「昨日の夜大人たちが慌しく出てったっけか。あれかな?」
「じゃあもう復活してたりして」
「行く?」
「え」
「見たいだろ?」
「でもお前が」
「大丈夫大丈夫。これでも結構信用されてるからさ。お前がちょっと見て、帰ってくるくらいならごまかせる」
「……わかった。頼む」
「任せろ」
そして咲は小さな頃からこっそり抜け出すのに使っていたところから抜け出し、桜の元へ急いだ。
「えーと、燃えてないといいんだけど……」
「燃えた」
「うひゃ!」
目の前に急に桜火が現れたため咲は驚いて尻餅をついてしまった。
「お、お、桜火!」
「危うく山火事になるところだった」
「大丈夫か?」
「問題ない。ただ燃やされただけだし」
「そっか……。あ、そうだ、今日の夜、お前を討ちに村の奴らが来る!」
「何だと?」
「桜の様子を見るのと、それを伝えるために来たんだ。だから」
「帰れ」
「え、でも」
「それが本当ならここにいたほうが危ない」
「……でも、夜婚礼なんだ」
「婚礼?」
「ああ。だから、多分……」
「……とりあえず帰れ」
「わかった」
仕方なく咲は帰ることにした。まぁもう帰らなくてはいけない時間なのだが。
それを桜火は静かに見送った。
婚礼まであと数刻。
「んー……本気で結婚させるつもりらしいなー」
「だなー」
「のんきだなお前」
「いやいや」
書庫へつくと、ふと、机の上に置かれていた本に目を留める。
「何だこれ」
「えーと、『古伝』……?」
「ぺらぺら」
「おい」
「…………えー? あの桜みたいなのが他にもあるのか? いやあるはずないよな?」
「どした?」
「や、あの山の桜あるだろ? 鬼が住んでる」
「うえ。ああそういえば」
「あれみたいなのが他にもあるかな?」
「ないだろ」
「だよなぁ」
「駆け落ちとかの伝説もあるって言うし」
「あ、じゃああの桜じゃないか?」
「だよなー」
「昔の人があの桜を燃やそうとして出来なくて、鬼の友達の狼神に村を攻められたとか聞いたことあるぞ」
「馬鹿だなー」
「同感」
そして二人はその本を読んで、熟読してしまった。
「面白かったなぁ」
「あれが全部実話か……すげぇなぁ」
「……そういえばあの桜を燃やすって言ってた」
「昨日の夜大人たちが慌しく出てったっけか。あれかな?」
「じゃあもう復活してたりして」
「行く?」
「え」
「見たいだろ?」
「でもお前が」
「大丈夫大丈夫。これでも結構信用されてるからさ。お前がちょっと見て、帰ってくるくらいならごまかせる」
「……わかった。頼む」
「任せろ」
そして咲は小さな頃からこっそり抜け出すのに使っていたところから抜け出し、桜の元へ急いだ。
「えーと、燃えてないといいんだけど……」
「燃えた」
「うひゃ!」
目の前に急に桜火が現れたため咲は驚いて尻餅をついてしまった。
「お、お、桜火!」
「危うく山火事になるところだった」
「大丈夫か?」
「問題ない。ただ燃やされただけだし」
「そっか……。あ、そうだ、今日の夜、お前を討ちに村の奴らが来る!」
「何だと?」
「桜の様子を見るのと、それを伝えるために来たんだ。だから」
「帰れ」
「え、でも」
「それが本当ならここにいたほうが危ない」
「……でも、夜婚礼なんだ」
「婚礼?」
「ああ。だから、多分……」
「……とりあえず帰れ」
「わかった」
仕方なく咲は帰ることにした。まぁもう帰らなくてはいけない時間なのだが。
それを桜火は静かに見送った。
婚礼まであと数刻。
後書き
作者:久遠 |
投稿日:2010/01/21 17:15 更新日:2010/01/21 17:15 『桜の鬼』の著作権は、すべて作者 久遠様に属します。 |
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