前回のあらすじ

　突如現れた幼馴染、っとその幼馴染が呼んだ増援、姉。そして四季は黒夜を隠そうとするが目を覚まさない黒夜（笑）四季はどうする。



「・・・黒夜起きてくれ！　起きるんだ黒夜！　起きろ！　起きろ！　起きろ！　起きろ！　起きろ！　起きろ！　今起きなくて何時起きる！　今じゃないとだめなんだ！　起きてくれ！　黒夜ぁああああああああああああああああ！！！」

「むにゃむにゃ・・・初号機、完全に沈黙（笑）」

「何で笑ってんだよ！　しかも超笑顔！　お菓子食ってる時ぐらいしか笑顔見せないから起こすのちょっとためらうんだけど！？」

　俺の必死の叫びもむなしく、黒夜は目覚めない。背後では・・・

「あ！　十色さん！　こっち！　こっち！　そこは関係ない！　ここ！　ここだって！　何で正反対むかうの！？」

　どうやら姉貴が来たようだ。



　　　　　前門の爆睡黒夜

　　　　　後門に鬼が二人（比喩表現じゃなく！）



　どうする！？　どうする！？　どうする！？

「そうだ！　爆発しよう！」

　やばい！　混乱し過ぎて訳の分からない事言い出した！　大丈夫か？　俺。

「ああ・・・四季が死亡フラグを立てて去っていく・・・」

　こっちはこっちで何か大変らしい。

「・・・やっときてくれた・・・」

「まぁ、そんなに疲れて、どうしたの？」

「寸分たがわず十色さんのせいです！」

「まだ叫ぶほどの体力があまっているようね」

　あっちはあっちで大変そうだなぁ・・・

「一回落ち着こう」

　黒夜が寝ている布団の横に座り。思考を張り巡らせ始める。

　いくつか策を考えよう。

　その一

　黒夜を布団から引きずり出す。

　結論、却下、そんな方法で黒夜を起こせていたら苦労しない。

　その二

　黒夜をぶん殴る。

　却下、そんな事したら後が怖い。何より殴っても起きないだろうし。

　その三

　黒夜の前にお菓子を持ってくる。

「これは成功しそうだな」

　結果、俺の腕ごと一口で飲み込んでからお菓子だけ器用に食べた後寝た。めっちゃ痛かった・・・

「なるほど・・・今日のしー君は様子がおかしかったのね？」

「はい、出てきたと思ったら一瞬、まさに一瞬で閉められた・・・」

「ふふ・・・しー君の分際で生意気ね、ま、気になるから中に入りましょう」

「どうやって？」

「こうやって・・・」

　がちゃん！

　な！　鍵を開けただと！

「ん・・・」

　のそっと起き上がる黒夜・・・何が理由で？

　そのまま寝ぼけたまま俺のところまで這って来てから一言。

「四季・・・何か怖い。何か来る・・・眠い・・・」

　あ・・・まだ眠いんだ・・・それとな、黒夜・・・

「しー君はいるわよ?」

「・・・どうやってチェーンまで外したの？　凄い疑問なのだけど・・・」

　怖い物はもう来てしまったよ・・・

「・・・しー君・・・その子、だ?れ？」

「四季、あんた様子がおかしいと思ったら」



　春休みの初日の平穏なひと時は俺の悲鳴と共に消え去った。