作品ID:693
あなたの読了ステータス
(読了ボタン正常)一般ユーザと認識
「悪夢ではない。これは現実だ。覚えておきたまえ」を読み始めました。
読了ステータス(人数)
読了(50)・読中(0)・読止(0)・一般PV数(109)
読了した住民(一般ユーザは含まれません)
悪夢ではない。これは現実だ。覚えておきたまえ
小説の属性:一般小説 / 未選択 / 感想希望 / 初級者 / 年齢制限なし / 休載中
前書き・紹介
いちわ 大雑把な父、逃走準備
前の話 | 目次 | 次の話 |
「きゃあああああああああ!!!」
あたしの悲鳴が玄関に響く。
だって、だって!
目の前にいたんだもん!
あ、あ、あの!腐った死体が!
慌てて玄関閉めて、家に立て篭もる。
よく見ると、お母さんも父さんもいない。
おかしいな、と思って家の電話を使おうと思った。
留守録が残っていた。
ボタンを押す。
「おお、椎名か。大変だ! 町中でゾンビが大量発生した! そもそもゾンビという単語でいいのかいささか分からんが、兎に角逃げろ! 町が封鎖されてしまうぞ! 私たちは、もう逃げ出しているから安心しろ。通帳とか、そういう金品も問題ない! 金品を持っていくことで、お前を忘れてしまってすまない。まあそういうことでうっかり椎名を忘れてこうして連絡している。今すぐ武器になりそうなものを持って逃げろ! 奴等は力が異常に強い! だが柔らかいことは自衛隊の体当たりの調査で分かっている!」
「そんなことどうでもいいからあたしを忘れるなぁぁぁぁぁ!!」
あたしは留守録に向かって叫んだ。
父さん、大雑把にも程がある!
「あいつらは食欲だけで動いている! まるでゲームのようだが、絶対に死ぬなよ! 大丈夫だ、噛まれてもゾンビになることはない! ただし普通に死ぬがな」
「当たり前でしょうが!」
「ええい、いちいち突っ込むな!」
「この大雑把!人でなし!娘をエサにするな馬鹿!」
「罵っていると思うがこれは留守録だ」
「分かってるわボケェ!」
「ちなみに何人も取り残しがいるようだが、無視して避難してこい!」
「この馬鹿親父ぃぃぃぃ!!」
これ以上聞きたくないので、電話を力任せに殴った。
壊れた。
留守録が途中で切れる。でもどうでもいい。
でも、現状は理解できた。
そういえば、あたしの名前を言ってなかった。
あたしは、睦椎名(むつみしいな)という。
ただの高校生である。
当然、ゾンビと戦えるほどの身体能力なんてない。
せいぜい、喧嘩ぐらいである。
でも、武器って何!?
何でもいいの!?
柔らかいなら、何でもいい。
殴れるものをうちの中で捜す。
…ゲームみたいに、銃なんて手に入らない。
家庭にある、何かで。
あたしは台所に入った。
刃物が咄嗟に思いつく。
手当たり次第に引っ掻き回す。
まずは、包丁。刃の長いパン切り包丁でいい。
あとは、フライパン。
これ、殴るとすごく痛いということを小説で読んだ。
だからもっていく。
あと適当に、武器になりそうなものを掻っ攫っていく。
次は父さんの部屋。
父さんはジャンク品を集めるのが趣味だ。
だから、父さんの部屋にはごみの山が溜まっている。
その前に、災害用の巨大なバックに、先程の武器の山を入れていく。
最初に中に非常食と水が入っているので、それはそのまま。
大丈夫であろう。あたしはこれでも力は女子にしては高い方。それが自慢だから。
とまあそのままポケットにも簡単な武器をしまい、体中に装備をくくり付ける。
これで生き残れといわれたら、絶対生き残る。
ゾンビに食われるとか、死後が最悪だ。絶対。
ここでも、武器になりそうなものを掻っ攫う。
おかげでバックはぱんぱん。でも、走れないほどない。
よし。
あたしは災害用のバックを背負い込み、立ち上がる。
外では何だか呻き声が聞こえる。
まずは、親友の篠崎緑(しのざきみどり)が心配だ。
取り合えず、集合場所である駅前にいってみよう。
そこまで生き残る。
サバイバルの開始である。
後書き
作者:ゾンビの方程式 |
投稿日:2011/05/14 12:16 更新日:2011/05/14 12:16 『悪夢ではない。これは現実だ。覚えておきたまえ』の著作権は、すべて作者 ゾンビの方程式様に属します。 |
前の話 | 目次 | 次の話 |
読了ボタン