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悪夢ではない。これは現実だ。覚えておきたまえ
小説の属性:一般小説 / 未選択 / 感想希望 / 初級者 / 年齢制限なし / 休載中
前書き・紹介
きゅうわ 逸れた生存者
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「紗絵ー!喜多方ー!何処ー!?」
「おーい喜多方少年ー!喜多方妹ー!」
「紗絵さーん!良平さんー!」
3人で呼んでも返事がない。
一旦駅に戻って連中に知らせてきたのは正解だったようだ。
案の定見つからない。
行きそうな場所を片っ端から探しているのに、どうして…。
「クソ…また喜多方妹のほうか…」
「でしょうね」
「親しいのか?」
「さっきも言ったけど、紗絵とあたしは同じ中学出身なの。まだ紗絵は中3だけど。仲はかなりいいと思うわよ。数少ない友達だもの」
「そうなんだ」
そう。彼女―――喜多方紗絵とあたしは、同じ東第一中学出身。一つ年下で、極度のブラコンで、甘えん坊で、わがままの女の子。人間嫌いで、異性には暴力で、同性には口で叩きのめす。あたしもそれと似たようなことを中学時代にやっていた。いつからか、あたしと彼女は、『東第一双璧の悪魔』という不名誉な二つ名を付けられた。
それ以前から兄貴をめぐって(と紗絵が勝手に思い込んでる)一度対立して以来、彼女とは友達だ。でも、何だか甘える対象になっている気がするのは気のせいかしら?
「しかし…参ったな…」
少年が絶望した顔になる。
「こんな時に見つけるなんて最悪だ……ゾンビがいる」
少年が指差す。
「げえ!?」
いた。何か大量にいるんですけど!
最悪ですね、確かに。
「あっちの方向、まだいませんよね?」
女の子が困った顔で言う。
しかも。
「あの方向は、うちのほうか…」
群がるゾンビたちがいるのは、紗絵の家のある方角だ。
「…仕方ない」
あたしは覚悟を決める。
「ん? どうした睦」
「あいつら、多分家に帰ったと思う。あっちが家の方角。回り道をすると倍の時間がかかるから、あたしはあの屍を潰していくけど、あんたらはどうする?」
手短に、素早く概要だけ二人に説明する。
「ちょっ、おま…。本気かよ」
「時間がないのよ。あの程度なら勝てるわ」
「…分かった。ついていく」
「ええ!? ほ、本気ですか天都君!?」
「見捨てるって選択肢は選ばねえぜ。そんな奴は最低のくずだ」
思った以上にいい男のようだ。
オロオロしている女の子のほうも、覚悟を決めたようだ。
「ついていきます」
そう力強く言ってくれた。
「じゃあ、先陣はあたしが行く。邪魔する奴だけ殺していくから、あんたたちも走って。頼むわよ」
「ああ」
「はい」
あたしは走り出した。
後書き
作者:ゾンビの方程式 |
投稿日:2011/05/22 13:08 更新日:2011/05/22 13:08 『悪夢ではない。これは現実だ。覚えておきたまえ』の著作権は、すべて作者 ゾンビの方程式様に属します。 |
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