作品ID:855
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「一緒に居れたら。」を読み始めました。
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一緒に居れたら。
小説の属性:一般小説 / 未選択 / 感想希望 / 初級者 / 年齢制限なし / 連載中
前書き・紹介
かのじょとかれし。
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今からだいたい1年前______________________。
「え?!?!か、彼女???」
「うん、昨日さ、友達と歩いてたっけ、声掛けられて。友達がノリでいいよいいよっつって一緒に行動してて・・・・。最後別れる時に言われたんだよ」
私はその時、こう言った。
「・・・・・い、いんじゃ・・・ない??その子、かわいんでしょ??中身もちゃんとわかってる上だったら付き合っちゃいなよ」
あんなことを言った、自分。
ああ言わなければ今どうなってたかわからないけど、前から少し後悔はしていた。
蝉の鳴く音がする。
今頃付きあって1年記念デートとかしてんだろーなと考えながら、私は放課後の学校で一人で残り、窓の外を眺めていた。
西日が差してきて眩しかったが、校庭で部活に励む野球少年・・・・や、青年たちを私は見ていた。
「・・・・あっつそー・・・」
私はふぅ、とため息をつき、教室を出た。
だれもいない廊下はしんと静まり返っていたが、怖いとも思わず、私は学校の階段をゆっくりと降りた。
「あっ」
女子の声が、遠くから聞こえた。
(この声・・・・・・・)
「・・・・稜哉、どこ行く?この後」
「どこでもいーよ、勝手に決めて」
(稜哉と・・・・沙耶チャンの声・・・・)
「ん、じゃ、あ?・・・・・稜哉の家行きたい♪」
「・・・・・別、いいけど・・・・」
「やったぁ!!!じゃぁ、そのまま行ってもいい???」
稜哉と沙耶チャンの声がだんだん遠のいていくのを聞きながら私はさっきよりもゆっくりと階段を下り、昇降口のところで足をとめた。
壁に一度もたれかかって稜哉と沙耶チャンの様子をうかがった。
(・・・・もう・・・・いない・・・・な)
私はそう思い、足を踏み出した。
「・・・・・っ」
息の音。
「あ・・・・・・・」
私も思わず焦りのあまり声をあげてしまった。
そして持っていたスクバを落としてしまった。
ドサッ
「?!?!?!?」
私の存在に気付いた稜哉と沙耶チャンは「あっ」と口を開けた。
目が合うと私はもう昇降口を過ぎ外へと走り出していた。
(・・・・・・・キス・・・・してた・・・・・・)
近くの壁に手をかけ、走るのをやめた。
「おいっ奈子っ!!!」
後ろから声が聞こえた。
「っりょ、稜・・・・哉っ・・・・」
稜哉の後ろから沙耶チャンも走ってきた。
「ちょ、ちょっとぉ、稜哉ぁ・・・・何?!?!なんでいきなり・・・・・。誰?!このコ」
稜哉と私はしばらく目を合わせていた。
そして、私が目をそらすと稜哉が口を開いた。
「何で・・・・・・泣いてんだよっ・・・・・」
私はしばらく黙っていた。
そして制服の袖でサッと目を拭った。
「・・・・・・・ニブいつーの・・・・・っ」
あんなことを言った自分。
一番悪いのは私なんだ。
後書き
作者:はつき |
投稿日:2011/08/20 18:00 更新日:2011/08/20 18:00 『一緒に居れたら。』の著作権は、すべて作者 はつき様に属します。 |
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