作品ID:947
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生死の交わる学校で
小説の属性:一般小説 / 未選択 / 感想希望 / 初級者 / 年齢制限なし / 休載中
前書き・紹介
「無くしたくないもの」
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天はあたしを覚えていた。
失われたはずの記憶、だけど彼はどうやら完全に忘れてしまったわけでないないみたい。だから、思い出した。わずかでも。
このことをルームメイトであるこなゆきに伝えたら複雑そうな顔をした。
「わたし、また仲良くやっていけるでしょうか?」
「さぁね……」
あたしは苦笑いで答える。
何せいきなり喧嘩で再会だ。最悪極まりない。しかも天自身にはあたしたちは他人。不気味だろう。
だけど。それでもいいのだ。この気持ちだけはあたしの中で変わらない。
あいつがたとえ天という「別人」だとしても。あたしはその天を好きになる自信がある。今まで口に出していないけれど、あいつのことをあたしは大好きだった。小さいときも、この場所からいなくなるときも、そして今日、再会してからも。あいつの黄土色と空色の瞳に、光が宿るのをあたしを確かにみた。
だからあたしは今でも大好きだ。いや、愛している。天を。この気持ちはあいつのいなかった7年間、どんどん膨らんでいた。もう暴走寸前だ。
いや、もう暴走してもいいと思う。もう気持ちに嘘はつかない。だってあたしにはもう後がない。残された命は、あと一年もないんだ。だから、あたしは。
(最後の我が儘……通させてもらうわ、天。約束、したんだからね)
――――その気持ちは。黒き翼よ。主一人のものではない。
――――対となる白き雪もまた、同じ純粋な思いを抱いているのだよ。
(たとえ。わたしの我が儘でも、それでも。椎名さんには負けられない。わたしの残された時間は、全て。あまつくん。あなたのために使います……)
後書き
作者:orchestra army |
投稿日:2012/01/15 16:47 更新日:2012/01/15 16:47 『生死の交わる学校で』の著作権は、すべて作者 orchestra army様に属します。 |
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