作品ID:950
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「生死の交わる学校で」を読み始めました。
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生死の交わる学校で
小説の属性:一般小説 / 未選択 / 感想希望 / 初級者 / 年齢制限なし / 休載中
前書き・紹介
「新たなる出会い」
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「あなたが、如月ですか?」
「え?」
その日の夜、病院と一体化している学生寮の一室、病室と同じデザインのその部屋に帰る途中、不意に暗闇から声をかけられた。振り返る闇の中。見えない。だが、闇の中ゆっくり歩み寄る音だけが廊下に響く。
誰もいない廊下。闇と部屋から漏れる光だけが廊下を支配し、天の目には何も認識できない。
「……一応そうだけど」
「なるほど。見た目からして普通じゃなさそうですね」
現れた少女。漏れる光に照らされた横顔、光を反射し優しく光る栗色の髪の毛、普通の身長に大人げ表情を浮かべる顔。
「末期がん。あなたが明日試すのは新薬の抗がん剤。そしてあなたの命はあと短くてすぐに消え去り、長くても4カ月」
「!?」
少女は天の顔を見てスラスラと誰にも言ってないシークレットを口に出す。驚く天に、少女は微笑。
「こんばんわ。如月天。私は天戸霞夜(あまと かや)。この病院に入院しているものです」
「……で?」
質問をする。なぜ、知っているのか。
「私も末期がんだから。場所は肝臓。転移が体中にしています。差し詰め、がんの巣ですね」
よく見ると彼女は入院服を着ており、肌の色も白く、栗色の髪はひどく傷んでいた。
「……医者伝いに聞いたのか?」
「そうですよ。新薬を試す人間ということで、病院では有名ですよ。院長の息子さん」
「……そこまで知ってたんなら話は早いな」
そう。風波無中央病院の院長の義理の息子。が現実だがそこは伏せられ、息子として伝わっている。義母の如月千夏が院長を務めるこの病院は世界の医学の最先端の技術を進める施設でもある。
つまり、次の時代の礎になるため、天やその他の患者は下手すれば死ぬ可能性のあう薬を試しているのだ。もちろん、それに見合う莫大な資金を受け取って。天の場合は研究者から直接手渡しされ、そのまま義母の部屋に全て置いてきた。それいらい天はこの病院の寮で生活することになっている。
「で、何か用事?」
「いえ、挨拶です。同室ですから」
「……は?」
「同室です。10畳もある部屋ですからね。女子男子混合で割り当てられているんですよ。しらないんですか?」
「……同室? マジで?」
「……はい。そうです。大丈夫、私のような死にかけに手を出すほど貴方は落ちぶれてないと思います。信じてますから」
……と儚げな笑顔を浮かべる霞夜。
どうなるんだこれ。
後書き
作者:orchestra army |
投稿日:2012/01/18 14:43 更新日:2012/01/18 14:43 『生死の交わる学校で』の著作権は、すべて作者 orchestra army様に属します。 |
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