小説を「読む」「書く」「学ぶ」なら

創作は力なり(ロンバルディア大公国)


小説投稿室

小説鍛錬室へ

小説情報へ
作品ID:1779
「異界の口」へ

あなたの読了ステータス

(読了ボタン正常)一般ユーザと認識
「異界の口」を読み始めました。

読了ステータス(人数)

読了(74)・読中(1)・読止(0)・一般PV数(255)

読了した住民(一般ユーザは含まれません)


異界の口

小説の属性:一般小説 / 未選択 / 感想希望 / 初級者 / 年齢制限なし / 完結

前書き・紹介


一章 セイ 二

前の話 目次 次の話

 毎度おなじみだが、自分は夏休みの最初の一週間を学校で過ごす。
 補習なのだ。
 ホタルは、巧妙にサボってもテストで点数を取って、決して通知表に一などつけない。
 自分は、サボり癖があるくせにテストは大嫌いな人間だ。
 毎年、理科の眼鏡教授がニコニコ顔で目の前にプリントの山を積んでいくのを、じっと見ていることしかできない。
 夏休みに入り、誰もいなくなった教室で、自分はプリントを解く毎日だ。

「セイはね、まじめに授業を受ければいいんだよ。」
 実家の風鈴を思わせる、少し赤いホタルの顔を見て、自分はため息をついた。
「ホタルはいいさ。それで怒られないから。」
 そして、補習もないのにここにいる。
 目の前の少年はくすくすと笑った。ほおづえをついて。どこか女子っぽい。
 さらさらの髪も、真っ白な肌も、夏用のカーディガンを羽織っているところも、スカートなんぞはかせたら女の子そのものだ。
 すっ、とホタルの目線が本にすい寄せられる。
「何を読んでいるんだ?」
「きっとセイは名前すら知らない作家の書いた、冒険小説さ。」
 内容は聞かなくてもわかる。だいたいホタルが読むのは、とらわれの身の主人公が自由を手に入れる話だ。
 同じような小説をくり返し読むホタルの顔は、楽しそうだ。
 自分は顔を下に向けて、プリントに向き直った。算数の数式の中で、数字が踊っている。
 セミの声が遠く聞こえる。

後書き


作者:水沢妃
投稿日:2016/08/13 21:46
更新日:2016/08/13 21:46
『異界の口』の著作権は、すべて作者 水沢妃様に属します。

前の話 目次 次の話

作品ID:1779
「異界の口」へ

読了ボタン


↑読み終えた場合はクリック!
button design:白銀さん Thanks!
※β版(試用版)の機能のため、表示や動作が変更になる場合があります。
ADMIN
MENU
ホームへ
公国案内
掲示板へ
リンクへ

【小説関連メニュー】
小説講座
小説コラム
小説鍛錬室
小説投稿室
(連載可)
住民票一覧

【その他メニュー】
運営方針・規約等
旅立ちの間
お問い合わせ
(※上の掲示板にてご連絡願います。)


リンク共有お願いします!

かんたん相互リンク
ID
PASS
入力情報保存

新規登録


IE7.0 firefox3.5 safari4.0 google chorme3.0 上記ブラウザで動作確認済み 無料レンタル掲示板ブログ無料作成携帯アクセス解析無料CMS