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作品ID:1780
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異界の口

小説の属性:一般小説 / 未選択 / 感想希望 / 初級者 / 年齢制限なし / 完結

前書き・紹介


一章 セイ 三

前の話 目次 次の話

 ぼうっとしていると、目の前にボールが跳んできた。
 丸いボール。顔を上げると、遠くで玉けりを一緒にやっていた、小さな子供たちが手を振っている。
 自分は、思いっきりボールを蹴った。
 季節は夏だった。
 日が長く、山のすそに太陽がかかるまで遊んでいたら、寮母さんが夕食の時間だと怒鳴りこみに来る。
 今日も、寮母さんの声が聞こえた。
 はあい。
 そうやって、寮母さんのほうを見て返事をしたとたん、悲鳴が聞こえた。
 ありえない光景が、自分にも見えていた。
 左側にいる寮母さんに向かってとんでいくボール。ほぼ直角にボールが曲がったとしか考えられないコース。
 ボールは飛ぶ。
 与えられた力の線に乗って。
 吸い込まれるようにとんでいったボールがゴールを決めた瞬間、夕日の飛沫が上がり、あたりが一瞬、静かになった。
 飛沫は滝となって、地面に落ちる。
 自分は、立ちつくした。
 ボールは窓をぶち抜いてガラスを飛び散らせ、そのとき自分には、中の住人と目が合った気がして、足が地面に縫いとめられた気がしていた。
 しかし、それは違った。
 自分は、駆け出していた。
 何も考えなかった。ただ、あの目線の主と、顔を合わせなければいけないと思ったのだ。
 かくして、自分は寮母さんより早く、その扉の前に立っていた。
 ノウゼンカズラ寮の、二階の端。
 自分の部屋の横。
 扉を開けると、そこにはボールが転がっていた。
 どれだけ激しく蹴ったのか、飛び散ったガラスが部屋中に散乱し、家具や扉に刺さっているものさえあった。
 ありえない。
 呆然と立ちすくむ自分は、それでも一歩をふみだしていた。
 とたん、すべった。
 つるりとすべり、気がついたら尻もちをついていた。
「いた……。」
 床についた手を見ると、べったりしたものが手についた。
 夕日より赤い。
 恐る恐る、前を見た。
 赤いものを追っていくと、飛び散ったガラスの間をぬって、赤いものが広がっていて、その終点に、窓の下に、人がうずくまっていた。
 ところどころ、夕日より赤いものがこびりついている。その下には、赤色が広がっていた。
「あ……。」
 急に、視界がぼやけた。

後書き


作者:水沢妃
投稿日:2016/08/13 21:49
更新日:2016/08/13 21:49
『異界の口』の著作権は、すべて作者 水沢妃様に属します。

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