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マジック×マジック

作者 安田晴彦 作者HP 安田晴彦物語
掲載誌 月刊福田充徳(海豚社) 単行本数 3巻(連載終了)
Wikipedia
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チャート
内容 マジックの子弟を描いたホームコメディ。
業界の裏話や実態を若干ではあるが含みながら、メインとしては指定や個性の強いマジシャンたちを描く。
それぞれの得意とするマジックがそのまま個性にも直結しており同時にネタにもなっている。
4コマという枠の制約上派手な演出が難しいが、そういったマジックは扉やぶち抜きで使用。
ネタばらしは一切行わず、マジックの現象や見せ方自体をネタとして扱う傾向。

シリアスなシーンは少ないコミカル作品。
キャラネタとマジックに由来するネタが半々ではあるが、マジックに親しくない人にも読みやすい作品に仕上がっている。
感想 意外と見かけないのがマジックを題材とした4コマ。
コマの制約があるため描きにくいのか、単に業界に親しい人が漫画家になる率が低いのか。
何かとネタの宝庫である上に認知度も高いため、扱うテーマとしては面白いものがあります。
本作ではそういった「この作品でしか扱えないネタ」が中心。
先生ご自身が趣味でマジックをされており、このテーマにされたということで、マジシャンならではの苦労話などもあります。
「笑える!」よりも「舞台裏ってこうなんや」ということもあるかも。
占い同様、よく見るけど遠い世界。
それを活かした作品だと感じます。

キャラクター達は気を衒った感はなく、オーソドックスな設定に感じます。
・天性の「魅せる才能」を持っている以上に努力を楽しむ術を知っている「坂巻つばさ」(軽い天然)。
・師匠でツッコミ。マジックの腕前は微妙だが、「人を楽しませる」事に命をかける「鳴海きよし」。
このコンビが主人公で、他に
・鳴海のさらに師匠でMs.やりたい放題。現在は現役引退の肉体はコメディメーカー「浅葱涼子」(大阪弁)。
・鳴海の友人でマジックバー兼マジックショップ「シャッフル」所属のファイアマジックの使い手「フォーチュン緑川」。
らをはじめとする個性派マジシャンが登場。キャラネタもそこそこあります。それがメインではないですが。
舞台は関西なのでほぼ全員関西人なのですが、「セリフが読みにくくなる」ということで、上記の浅葱さんのみが大阪弁。それ以外は標準語フィルターを通しての表記との事。
浅葱さんに関しては「大阪弁の方がこの人らしさが出るから」という理由でそのままだという事があとがきにて語られています。

笑いのタイプとしてはキャラクター同様この手の作品としてはオーソドックス。
時折派手な演出があるのは題材ならではでしょうか。
メタ的なネタもごくわずかではあり、4コマ目は必ずオチ。
いい話で終わらせることはなく、どん欲に笑いを取りに行く一方で暴走し過ぎないのは掲載誌が一般誌だからでしょうか。
多くはありませんが芸人ネタはありますが時事ネタは無し。
5年後10年後に変わらず楽しめるかは芸人さん達の芸人としての寿命次第?
爆発はしないですがコンスタントに笑いを取り続けようという姿勢が見える作品です。

2巻以降ではマジックの大会の話が登場し、それに向かっての特訓。
3巻ではいよいよ大会の話に移るという時間経過によってメインの話が微妙に変わっていくタイプです。
特に3巻では一発キャラで個性の強すぎるくらいのマジシャンが多数登場する事が大きな特徴。
若干ネタのテイストが変わってはいます。少しだけストーリー性やええ話っぽい雰囲気になりかけることもあります。
ええ、なりかけるだけで必ずオチを付けます。
・・・先生のこだわり?
単行本 発売日 ・1巻:2012年1月21日
・2巻:2013年2月19日
・3巻:2014年2月19日
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