これだけ内容について語りにくい作品もないかもしれません。
個性的過ぎる上に「文字だけで」「1場面だけで」説明することが不可能。
読んで頂かなければその世界が全く分からない。
ただ「個性の万国博覧会かよっ!」としか言いようがない世界。
巻頭描き下ろしは「うみでのあそびかた」。
「ねずみのえをかく」はホントに笑った・・・
相変わらず何もかものネタが個性の塊。
それでいながら「理解できない」というネタにならないところが流石。
上手く境界線ギリギリをひた走る作品です。
2巻の新キャラクターはひさちゃん。珍しくまともな子。
この作品ではまともだと逆に目立つという不思議ワールド(P15で親戚たちですら・・・という事が発覚)。
そして、唯一のラブコメ要素?
あと、実はホビーショップ2人も濃い人達。
お店の商品に変わったものが多いですが、それだけではなくP109の様なとんでも発言もさらりと。
兄が唖然とするくらいに・・・
普通そうな顔をして、もしかすると一番ヤバイ人?
あと、なぜミサイルネタ担当?
ちーちゃんが目立ちがちですが、みかちゃんも相当な個性の塊。
恐らく他の作品であれば個性派No.1は間違いないでしょう。そんな彼女ですら普通に見えて・・・いや、見えちゃダメだろ!
この子はちょっと虫や人体といった「路線の違う濃さ」を持つ子。
冷静に考えたらかなりのコメディリリーフだぞ、この子も(P98の従姉妹のかずみさんの反応でも分かります)。
それを上回るキャラクター達がわんさといるこの世界感が普通じゃないんだっ!
あと、その個性と個性による化学反応も面白いです。
普通の作品ではボケは多くても(萌え4コマでは多くがツッコミ1人のそれ以外はボケ)奇想天外系は1人か多くて2人。
でも、この作品ではその奇想天外系が複数。
それらがぶつかり合う事で新たな魅力になるという独自のワールド。
P54では奇想天外の代表選手のちーちゃんと真逆のおっとり系さなえちゃんのコンボ。
一方で兄のように「単独での活躍がメイン」という人もいます。
P73にて感動的な名作を書いてしまってそれを嘆き放った「そんなものでは読んでる人はちっとも混乱しないし幸せな気持ちになってしまうじゃないか!!」は至言。
この人の基準はこれでいいのです!
では、この3巻で出てきた作品タイトル。
「いりょうかごのせかい 暴走ナース24時」「ちきゅうふしぎないきものずかん 世界のダフ屋」「みっしつ(この先は見切れていて不明)」「岩んといもうと」
ホント、他の作品で出てきても異質にしかならないタイトルですが、この作品だとピタリ。
不思議な世界だ・・・