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ぼくの生徒はヴァンパイア - 1巻

先生の作品の最大の特徴は「キャラクター達の関係性の変化」。
そのため、それぞれのお話は独立していますが、作品を通じてストーリーのある「ストーリー4コマ」に近いところがあります。
最近の作品ではその特性が薄くなっていますが、この作品ではその特徴が非常に強く描かれています。

先生の初期の作品ですが、この方の画風はホント安定しています。
ノリやネタなんかも現在のものに非常に近く、当初から安定感抜群。
先生のオリジナルの単行本はこの作品が初と思うのですが、それが3巻まで続いているのですからやはり高い実力の持ち主なのでしょう。
設定としては「This is ラブコメ!」という感じ。
ヴァンパイア自体もこの業界では定番の設定ですし、「優しくて鈍感な唯一の男性キャラ(ブラム)と小動物系の小さな女の子(カミラ)」も定番。
カミラ(小動物系の女の子で生徒)とメイベル(カミラの使い魔)/ガブリエラ(カミラの妹でイタズラ好き)とミナ(ガブリエラの使い魔でダメ猫)の関係性。この辺りも奇を衒ったものは一切ありません。
特にこの1巻だけを取り出すと、「ラブコメの王道!」という感じです。

ざっくりストーリーだけを追うと、
・ブラムがカミラの家庭教師として城に雇われる
・最初はブラムを怖がっていたカミラが徐々に懐く
・シェリダ(ブラムの姉)が城にやって来て一緒に住む
・ブラムがガブリエラが冗談でかけた呪いで眠りに落ちる
・呪いを解くためにカミラ・ガブリエラ・シェリダが呪いの道具屋へ
・ブラムの呪いが解ける
・シェリダ帰宅
という流れでストーリーが展開しています。

この1巻での大きな変化といえば、ブラムとカミラの関係性です。この作品のメインテーマなので当たり前かもしれませんが。
この手の小動物系の子は馴れるまでに時間がかかる一方で、一度懐くとべったり。
その初期の状態です。
最初は強い拒絶反応を示していましたが、かなり早い段階である程度の距離感が出来ました。
まだまだ懐き度としてはメイベルに対してのそれと差が大きいですが、他の人に対する拒絶反応と比べれば全く別物。
恐い時に頼ったりするなど一定の信頼感が芽生えています。
通常のラブコメなら、このまま人間関係が固まって後はひたすらそれをイジる!という感じでしょうか。
が、この作品においてはこの関係性はあくまでも「過程」にすぎません。
ここからどんどん変化していく。それを楽しんで頂きたい♪
1巻後半ではブラムの姉であるシェリダが登場し、一緒に暮らすように。
当然ではありますが、ブラムとシェリダは仲がいいわけで。
懐く → 嫉妬(おまけに無自覚)
というラブコメの定番ルートへ。
無自覚だからこそ!というお馴染の設定のまま、2巻へ続きます。

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