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けいおん! - 無印

皆さんがよく知っている「けいおん!」。アニメ化もされ、映画化までされました。
その元になった原作がこの最初の「けいおん!」です。
放課後ティータイムの結成と日常。そして卒業へ・・・
各巻について細かく感想を・・・とはせず、ここではその卒業までを描いた無印について色々と語りたいと思います。

私がギターを始める要因の1つだった・・・という話はもういいですね。
直接ではないにしろ、この作品が無ければギターを手にしていなかったでしょう。
そんな私以上に、もっと直接的にこの作品に影響されてバンド活動を始めた・・・という人も多いのでは?
実は私の音楽の知識といえば唯と同レベル。
1巻P11の想像図やギターにレスポールタイプを選んだ理由、譜面が全く読めないなどなど・・・
他人の気がしなかったです・・・(ただ、1巻P25のチャルメラ・・・スムースに弾けるようになるのってちょっと練習要りますよ)
まあ、私には絶対音感はありませんし、その後譜面は読めるようになりましたし、「C」を忘れる事はありません(フツー、忘れないよなぁ・・・)。
最初に読んだ頃は全く音楽の事が分かっていなくて、でもそれでも普通に楽しく読めて。
連載中に私もギターを始めて音楽の世界に触れました。
ギター、そして半年後にヴォーカルのレッスンを受けるように。ライブのステージにも立ちました(今は加えてサックスも)。
自分がその世界の事を知ってから読むなお一層楽しめる。そんな作品。
「そうそう、最初はこういう事も分からないよね」「これで迷う。分かる分かる♪」といった共感ネタもありますからね。
うん、普通の楽譜が読めてもギターのコードは全くの別もんですから(1巻P31)。
それと、ミュージシャンには2種類います。
私は「理屈と基本の上で演奏する」というタイプ。
対して唯は「本能で演奏する」タイプの典型。2巻P39がその象徴です。そして2巻P53・・・
チューナーを知らないミュージシャンって存在するのだろうか・・・
そういう違いもあったりします。ミュージシャンって個性強いですし。
とはいえ・・・普段のメンテは絶対にして下さい!(2巻P63〜)
お店によっては購入者は無料でフルメンテしてくれますし!(作業を見るのも楽しいですよ♪)

最初の頃は唯にギターを教えるシーンなどでコードやテクニックが出ていたました。
この頃はホントに「音楽がテーマ」という感じ。
結構そういうお話の方が好きです。
その後はどんどん部活動やイベントがメインに。最後の方はほとんど受験関連でした。
まあ、技法やテクニック、バンドとしての音楽色の強い内容だけで連載を続けるのはベテランの方でもないと厳しいでしょう。
先生、これが処女作ですし(それでこれだけの人気というのはホント凄い)。
作品の雰囲気としては終始ゆるいです。
アニメではそれだけでしたが、原作ではそれにしっかりとネタが加わっています。
爆発するタイプではないですが、萌え4コマとしてはネタが安定している部類だと思います。
1年目はホントにゆるいままで、2年目は梓が加わりピリッとするのかな?と思ったらやっぱりあっという間にゆるく。
3年目はメンバーの入れ替えなくそのままゆるく・・・
・・・ってずっとゆるいんかい!
そのゆるさがいい所、なんでしょうね。
基本的に事件があるわけでもなければ非日常なわけでもない。
ゆるい高校生活が軽音部を軸に描かれるという感じ。
凄いのは初めての作品なのにキャラクターが当初からブレなかったこと。
残念な作品は余計な属性が増えていったりマンネリ打破のための新キャラを投入したりを繰り返し・・・
結果的に訳が分からなくなったり、そもそもそこまで続かなかったり。
そんな中、見事に「3年間」を描ききったこと。
そう、実はリアルな季節に合わせて唯達も進級。
ラストの方は季節を伸ばしていますが、リアル季節とシンクロしているタイプの作品。
それだけに、4人が卒業する事は読者も全員が分かっていたため「もう少しで読めなくなる」という事が前提にある中でのラスト数カ月でした。

多分、本来の私の趣味から言えば「笑いが足りない」という感じでしょうか。
ただ、「何も考えずに読める」という作品でもあり、音楽に携わる者として共感できるところもある作品。
やっぱり自分の中でもちょっと特殊な立ち位置の作品かもしれません。

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