1. トップ
  2. レビュー
  3. きらら
  4. かたつむりちゃん
  5. 1巻感想

かたつむりちゃん - 1巻

きらら最強のハイテンションコメディ!
当初は学園モノとしてスタート。実際、最初は普通(?)の学園4コマだったんですが・・・
この1巻の途中から肝試しをするために夜の学校へ。
そこからひたすら妖怪たちとの賑やかなバトルへが続いていくことになります。
元は学園4コマ。というわけで、この巻に限らず単行本の巻頭描き下ろしは日常が描かれていますね。
・・・この1巻は「巻頭描き下ろし」と「本編スタート」に切れ目が分かりにくいですが。
「巻頭描き下ろし」はカラーの所で、モノクロの所からが本当の第1話、本編です。
タイトル付きの扉が3ページ目にあるのでちょっと混乱される方もいるかもしれませんね。

この1巻の最大の特徴は「アオイがツッコミ役」でしょうか。
そう、元々彼女はハイテンションツッコミ。
「マイ(正確には目玉)の正体はカタツムリ」に唯一気付いていて、それを伝えようとするも周囲は信用してくれない・・・
という空回りツッコミ。
目玉が大ボケで周囲がそれに気がつかない。アオイのみが読者サイドの目線でツッコミを入れようとするけれど・・・という構図でした。
ところが、肝試し編に入るとむしろ妖怪たちの方がまとも?
というわけで、あおいがボケに転向。
結果、「人外の筈の妖怪がツッコミをせざるを得ない」という異常事態。
妖怪たちも彼らの個性を活かした持ちネタがあり、それに対しては人間サイドがツッコミを入れますが、基本は「人間が妖怪をイジる」という構図。
冷静に考えると凄い状態だなぁ・・・
とはいえ、この1巻ではまだ目玉の大ボケが強烈のためか、まだツッコミサイドとしての動きが主です。
本格的にアオイ&目玉の2大ボケになるのは2巻以降です。

さて、当初は「花子一行がアオイ達を追い出す為に妖怪を送り込むも気づいてさえもらえない」が定番となっていました。
んが、業を煮やした花子が凶悪妖怪を送り込むようになってこの構図が変化。
期間限定のレギュラーとなる妖怪が送り込まれ、彼らとアオイが長期間絡むという形が定着しました。
最初に送り込まれたのは足切り妖怪「カシマさん」。
早速目玉のペースに持って行かれます。
そうなの。妖怪たちって本来は凄い能力の筈なのに、アオイや目玉のペースに巻き込まれて訳が分からないまま退散しちゃうの。
P97にて目玉が「こっちのペースに引きずり込むんだ!」と言い、P101にてアオイが「自分のペースに引きずり込みすぎだろ!!!」と驚愕する。
これがこの作品の全てです。
どんな妖怪であろうと彼女達のペースに巻き込まれてしまう。
だからこそ超ハイテンションコメディ!
さらに、のぞみたち一行が怪談をし、それがそれからしばらくのレギュラーになる妖怪のイントロになっている構図も既に完成しています。
この「花子一行が凶悪妖怪を呼び出す → のぞみたちの怪談 → アオイ一行が妖怪をイジり倒す → 妖怪退散 → 次の妖怪へ」という一連の流れが基本になって、これからも話が進んでいきます。
そして、1巻ではさらに「骨格標本」が登場!
そのまま2巻へと続いていきます。
そう、基本的に話が続くタイプの作品。
それでいながらそれぞれの話を単独で読んでも面白い不思議な作品。
実際に雑誌連載時にいきなり読んで、前後の話を全く知らない状態でも笑える。
当然、それまでの経緯やキャラクター設定、立ち位置や構図が分かっていた方が面白いのは当然です。
ただ、話の繋がった作品でありながらそれぞれの話を単独で読んだとしてもそれはそれで成立するコメディ。
実はこれって凄いこと?

戻る