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かたつむりちゃん

作者 今井神 作者HP imaikami's Official Website
掲載誌 まんがタイムきららMAX(芳文社)
 → まんがタイムきらら(芳文社)
単行本数 5巻(連載終了)
Wikipedia かたつむりちゃん
チャート
内容 序盤(第2話まで)はカタツムリの殻を背負った「片紡舞」と、彼女がカタツムリであることを周囲に伝えようとする「アオイ」を中心とした(当然誰もその事を信じない)学園ものだったが、
第3話以降は「肝試し編」となり、それ以降は最終回まで肝試しが続いた。この事から作中でも「肝試し漫画」「学校の怪談4コマ」という単語も飛び出した。
そのため、単行本化に際してタイトルには「学校の怪談」が付いている。
  ※単行本描き下ろしのカラー部は普通の学園生活や日常
また、連載は7年に渡るが「肝試し編」はわずか数時間の間の話ということになっている。
「肝試し編」では、「アオイ」「片紡舞(&目玉)」「ふみ子」達が妖怪たちと接触するパートと、
「ユリ」「ケンジ「のぞみ」らが怪談話をするパートに分かれるが、後者はほとんど出番がなく、久々に登場した時には改めて名前紹介が出る(3巻P33で「1年半ぶり」というネタすらある。ただ、彼らの怪談が新しい妖怪の導入にもなっている)。
“怪談”や“妖怪”がネタになっているものの、絵のタッチやネタは全く怖くなく、むしろ愛らしい妖怪の皆さんが毎度散々な目に遭ったり仲良くなったり。
話は基本的に

花子一行が妖怪を呼び出す → 妖怪がアオイ達を襲う → アオイと舞にイジられる → 散々な目に遭って帰っていく

という流れ。
その中で人間サイドにつくことでレギュラー化する妖怪達もいる。
また、一体の妖怪との絡みが長期間に渡るため、その妖怪はその間の「期間限定レギュラー」とも言える。
中でも「ババサレ」は非常に長期間戦った上に、その直後に再登場。レギュラーとして人間サイドで登場し続けた。

この作品に関しては、兎に角“ボケる”“テンション”の2つの言葉に尽きる。
序盤でツッコミだった筈のアオイが妖怪をイジる立場になって以降はなおのことボケが激しくなっている。
人間を襲う筈の妖怪がイジり倒され、ツッコミに回らざるを得ない程。
作者曰く「4コマ目が面白い4コマを目指して描いている」らしく、実際に必ず4コマ目で確実にオトしている。
兎に角ハイテンションな笑いがメインのため、「笑いたい」という人にはお薦めの作品。

きらら作品としては珍しく、カバー裏のお遊びがない。
感想 果てなき笑いの探究。徹頭徹尾、尋常ではないレベルでのボケの応酬が見どころの作品です。
タイプとしては完全にテンション系。ボケもツッコミも大きなアクションと叫びでハイテンションな笑いが繰り返されます。
メタ的なノリのネタもあります。
そのため、不条理系のネタも自然と多くなります。
近年の漫才に近く、畳み掛ける様にボケが連続して行われることも特徴(特にV.S.ババサレのパート)。
「笑える4コマの描き方」という教科書があったら、この作品が教本になる、ってくらい“4コマ漫画はかくあるべき”というのを形にしたような作品です。
このサイトの作品の判断基準で、私が最も重視しているのは「笑い」ですが、その「笑い」に関して最高レベルです。
例外なく4コマ目は必ずオトしていますし、時にはそれ以外のコマでもボケ倒しています。
兎にも角にも「徹底的に笑いを追求した究極の笑いの形」を体現したかのような存在です。
勢いのある笑いが好きな人にはこの上ないご馳走です。

先生は別の雑誌で「NEEDLESS」という作品も連載されてらっしゃいます(アニメ化もしました)。
そちらをご存知の方はお分かり頂けるかと思いますが、独特の描写なんですが、そちらのギャグパートにも近いと思います。
時折、ネタとしてタッチの違う画風(3巻P17なんか、モロ)や触手のような何かが登場したり、その辺りもやはり同じ匂いです。
画力が高い上に全く正反対の2つのタッチを使い分けることが出来る上に全力でボケ倒す。
古今無双の萌え4コマここにあり、です。

また、多数の妖怪が登場し、それが可愛らしいコミカルなキャラクターとして描かれているのも特徴。
それだけに、妖怪好きの方にもお勧め。
怖い筈の妖怪が、可愛らしい姿になってイジり倒されています。
それぞれの妖怪の特徴や持ち味を上手くネタにし、個性あるキャラクターによる漫才コントなネタが展開されます。
ちなみに、登場した妖怪や怪談に関しては2巻以降の巻末に“現代妖怪図鑑”として元ネタの解説が行われています。
先生の画力が非常に高い上にそこだけは「完全にガチ」で描かれているため、普通に怖いです。
作中の画風と真逆です。
その怖い妖怪たちが、作中ではあんなにも可愛らしくなってイジり倒されているんですねぇ・・・
ババサレとか、可愛いし可愛そうやし・・・(人気もあったんでしょうねぇ、レギュラーになったわけですし)
雑記 簡単に本作に登場する妖怪たちを纏めました。
「妖怪大辞典 -かたつむりちゃん-」
この作品では巻末に妖怪たちの解説が載っているんですよね。
というわけで、元ネタに関してはそちらの解説にお任せします。
このレポートは登場妖怪の一覧表程度に・・・
単行本 発売日 ・1巻:2006年5月26日
・2巻:2008年2月27日
・3巻:2009年4月27日
・4巻:2010年8月26日
・5巻:2011年7月27日
●試し読み まんがタイムきららWeb:1巻
まんがタイムきららWeb:2巻
まんがタイムきららWeb:3巻
まんがタイムきららWeb:4巻
まんがタイムきららWeb:5巻
関連項目 ●ジャンル ハイテンション
妖怪モノ
心霊モノ
擬人化モノ
中学生
●チャート 笑い
●データ 学校 ●作品研究 妖怪大辞典 -かたつむりちゃん-
●作者別
-
●各巻感想 1巻
2巻
3巻
4巻
5巻

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